「特に宣伝しているわけではありませんし店の見た目は普通のラーメン屋ですので、Twitterで調べてわざわざ食べに来てくれるお客様ばかりです。かき氷メニューは常時5種類ほど用意しているのですが、ひと通り食べたお客様を飽きさせないよう定期的にメニューを変えています。同じ食材でも加工を変えて使うなど、いろいろと工夫はしていますね」
お客を飽きさせないための定期的なメニュー変更。これは、自らもかき氷が好きで数々の店を食べ歩いた経験を持つ窪川さんならではの工夫だといえるだろう。人気の自家製シロップについては、お菓子作りの本を読んだり知り合いのパティシエに相談したりと研究にも余念がない。お客のリクエストをメニュー開発の参考にすることもあるという。
そんな、自他ともにかき氷好きと認める窪川さんだが、店での提供は夜の時間帯のみに限定している。
「暑い日中にも食べたいというお客様の声もありますし、かき氷好きの自分としては昼も出したいのですが、一人で切り盛りしているので手が回らないというのもあって…。かき氷に力を入れ過ぎてラーメンのお客様が離れてしまっては、元も子もないですからね(笑)」
時間帯によって区切りをつけることで、ラーメンとかき氷の2足の草鞋を巧みに履きこなす窪川さん。そのスタイルは、小池さんの話にもあったアイドルタイムを利用した成功例にも合致する。また、ラーメン業態の弱点である夏場の売上減をカバーする方法としても有益だ。導入を考える店舗にとっては、よい見本となるだろう。
いよいよ夏本番、本格的なかき氷シーズンが到来する。かき氷という商材を上手に活用してみてはどうだろうか。
<関連書籍>
「かきごおりすと vol.3」(著:小池隆介)
価格:540円(税込)
発売日:2015年4月4日
発行元:かき氷コレクション実行委員会