2024年下半期の業務用食品値上げまとめ~原料高などで秋に再燃

業界ニュース2024.09.05

2024年下半期の業務用食品値上げまとめ~原料高などで秋に再燃

2024.09.05

2024年下半期の業務用食品値上げまとめ~原料高などで秋に再燃

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2024年秋にかけて多くの食品メーカーが価格改定を実施する見通しだ。帝国データバンクの調査によると、値上げ品目は3年連続で1万品目を突破したという。背景には長く続く円安や物流費、人件費の増加、世界的な農作物の不作など、複数の要因があるとみられている。主な事業者から2024年下半期のあいだに値上げが発表された商品をまとめた。

目次

2024年下半期の業務用食品値上げ一覧

企業対象食品と値上げ幅値上げ時期
味の素
  • 中華調味料(Cook Do)23品種、鶏ガラスープなど中華だし調味料製品16品種、オイスターソース2品種、業務用おかゆ製品2品種など

約5~16%値上げ

8月1日より

キーコーヒー
  • 家庭用コーヒー製品

小売店の実質店頭価格は 20~30%程度値上げ
※業務用製品の納入価格および、全国の直営ショップでの店頭価格も順次改定予定

8月1日より

理研ビタミン 
  • 増えるわかめちゃん5品、リケンのノンオイルセレクティシリーズ7品

約11~18%値上げ

8月1日より

キリンビール
  • 国産洋酒10アイテム、輸入洋酒20アイテム、RTD1アイテム、樽詰リキュール1アイテム

オープン価格

9月1日より

プリマハム
  • ハム・ソーセージ、加工食品の業務用商品 約200品

3%~28%値上げ

9月1日より

味の素冷凍食品
  • チョコレートを使用する業務用製品25品種

価格改定率 2~17%

9月1日より

ロッテ
  • 業務用アイスクリーム 63品

当社出荷価格に対し3.5%~10.5% 値上げ

10月1日より

ニッスイ
  • 業務用冷凍食品、水産揚げ物類、チキン加工品、米飯類、冷凍野菜など202品

約2~17%値上げ

10月1日より

日清オイリオ
  • 業務用食用油、加工用食用油バルク

約7% ~10%値上げ

10月1日より

ニチレイフーズ
  • 業務用 一部の輸入チキン加工品、調理野菜

約5%~約7%値上げ

10月1日より

丸大食品
  • 業務用商品 約200品目

商品規格変更もしくは納品価格を10~25%値上げ

10月1日より

サントリー
  • ペットボトル商品など一部商品

メーカー希望小売価格を6~32%値上げ

10月1日より

コカ・コーラ
  • PETボトル製品(小型・中型・大型)、缶製品(ボトル缶、500ml缶) ※一部製品除く

メーカー希望小売価格を5.0%~18.9%値上げ

10月1日より

キリンビバレッジ
  • ペットボトル容器、ボトル缶の一部商品

メーカー希望小売価格を6%~25%値上げ

10月1日より

エスビー食品
  • 業務用香辛料製品 211 品目、業務用インスタントフーズ製品2品目

約14.7~約20.0%値上げ

10月1日より

伊藤ハム
  • 業務用商品 25品目

商品規格変更および納品価格改定約3%~20%値上げ

10月1日より

ブルドックソース
グループ
  • 業務用商品45品

10~15%値上げ

11月1日より

値上げの要因と今後の見通し

近年のエネルギー価格上昇が食品の輸送費や製造費に影響し、結果として価格に反映される状況だ。また、日本が輸入に依存するカカオ豆やコーヒー豆、オリーブオイルなどの原材料が不作や円高などの影響で高騰している。これらは多くの加工食品に使用されるため、多くの食品でコストプッシュ型の値上げにつながる見通しとなった。

一方、内容量を減らして価格を据え置く「実質値上げ」も見られる。コストの上昇分を価格転嫁できない場合、実質値上げは増えるとみられる。

2024年下半期は業務用食品の値上げが避けられない状況のため、飲食店や食品卸、メーカーなどの事業者は取引先の多様化や価格交渉力の強化一層求められる。一方で、取引以外にも従業員の労働時間あたりの業務コスト、離職などによる採用費の増加を抑えた取り組みも進める必要があるだろう。
 

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