居酒屋甲子園、10/31に全国大会開催。見どころと理事長の想い

セミナー・イベントレポート2023.10.06

居酒屋甲子園、10/31に全国大会開催。見どころと理事長の想い

2023.10.06

居酒屋甲子園、10/31に全国大会開催。見どころと理事長の想い

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居酒屋甲子園の全国大会が、2023年10月31日、パシフィコ横浜国立大ホールで開催される。全国大会はエントリーした居酒屋約1,200店舗以上のうち3回にわたる覆面調査とプレゼンテーション審査で選ばれた5店舗が、想いや取り組みを発表し、会場の来場者投票で優勝を決定する。

開催を目前に、8代目理事長 氏田善宣氏、専務理事 青木秀一氏に見どころや想いを伺った。

目次

飲食業界の課題に居酒屋甲子園として応えたい

飲食業界は現在、人手不足、原材料高騰、エネルギー資源高騰など、様々な課題を抱えている状況だ。地方では特にこれらの課題の解決が難しい。さらにコロナ禍が重なったことで、居酒屋甲子園は取り組み内容を変えていったという。

NPO法人 居酒屋甲子園
8代目理事長 氏田善宣氏

居酒屋甲子園 8代目理事長 氏田善宣氏(以下、氏田氏)「飲食業をする店舗は共通の課題にぶつかるタイミングがあります。しかし地方では都会よりも情報の入手が難しいのです。

そこで前任の居酒屋甲子園理事長だった山崎さんを中心に、年間70本から80本の勉強会を行い、地方を訪れて情報を提供したこともありました。オンラインによる勉強会や情報共有の場を提供し、同志としてお互いの成長を支え合う機会を増やしていったのです。

こうしたことで、具体的な成功事例や学びが共有され、それをきっかけに経営者の輪が広がっていきました。いまだに多くの情報共有が行われています。

そのため、コロナ禍で先が見えない状態で集まっても暗くはなりませんでした。居酒屋甲子園のメンバーは、とにかく明るく困難があっても前向きに課題を捉え、問題に向かっていくエネルギーを持っています。居酒屋甲子園には多くの会社経営者やリーダーが参加しているので、影響されて自社の経営方針も向上していきました 」

居酒屋甲子園とかかわり、多くの情報を得た

氏田氏自身も、2014年に開催された第9回居酒屋甲子園で優勝経験を持つ。

氏田氏「当時、私たちの店は大分県竹田市で創業して2年半ほどでした。その時点では町を元気にしたいと思ってはいたものの、自分たちのビジョンや理念がまだ曖昧でした。しかし、初めて参加した第9回大会で優勝したことで、まずは大分県内で事業を展開するというようにビジョンが明確になりました」

氏田氏はその後、第10回大会にも参加し2年連続で最終ステージに登壇。大会に参加する中で「居酒屋甲子園を通じての成長と感謝の気持ち」を感じていた。大会終了後に当時の理事長に声をかけられ、第11回大会から九州第1区の支部長として運営に参加を決意した。

実際に運営として参加して、大会の表側だけでは分からないことが見えてきたという。

氏田氏「九州エリアの支部長として活動していったことで、居酒屋甲子園の理念や目的を、裏側で動いているメンバーがどれだけ大切にしているか、初めて明確に認識できたのです。居酒屋甲子園の表側で見える理念と、裏側で実践されている理念が一致しており、団体としての一体感を感じました」

さらに氏田氏は、居酒屋甲子園のステージに立つ参加者を見て感じたことがある。

氏田氏「地方に行けば行くほど、競争ではなく協力が必要という場面を強く感じました。自店舗だけが優位に立つのではなく、仲間や先輩から情報や有力な取り組みを共有し、共に発展していくことが大切なのです。

居酒屋甲子園では先輩や同業者からのアドバイスや経験を共有していただけるので、気づきや学びが得られました。実際、居酒屋甲子園に運営として参加する中で視野が広がり、新たな視点や視座を得られたと感じます」

理事長のバトンを受け継いで

2023年開催の第16回居酒屋甲子園は氏田氏が初の理事長を務める。氏田氏は、コロナ禍を経て飲食業界は黄金期に入るわけではなく、これからが戦いだと考えている。

氏田氏「コロナ禍の時期、居酒屋甲子園は変化を求められました。その中で2つの変化がありました。一つは地方大会の拡充で、もう一つはライブ配信の導入です。山崎前理事長は居酒屋甲子園を変革し、世界配信という新たな要素を加えました。

2023年に私が理事長になったことで、経営の課題や問題が山積みの中で、居酒屋甲子園の理念をより多くの人に伝え、情報を共有し、共に生きる意識を高めることを目指しています」

氏田氏は理事長に就任してから、大会のエントリー費を大幅に下げ、無料のウェブ勉強会や地域の勉強会を増やすなど、参加しやすい環境を整えた。また、青年経営塾という会社経営の意見交換を、実践的に行う塾の開催都市を拡大。日本全国の多くの飲食経営者に学びの機会を提供した。

コロナが落ち着き始め、地域格差を感じている地方を居酒屋業界の力で盛り上げようと考えている。しかし、居酒屋業界に吹き荒れる逆風の中、廃業する飲食店も少なくない。

氏田氏「飲食店経営者だけでなく、飲食業界に関連する企業まで経営難や倒産は広がっています。異業種に転身した経営者、そのまま諦めてしまう経営者もいます。このような状況で、我々は思いのたけを伝え、支えたいと考えています。しかし、多くの経営者がこの状況に直面しており、単に思いを伝えるだけでは十分ではありません。現在の状況を変えるためには、やり方や経験を共有し、学び続ける必要があります」

飲食業界がどんな困難な状況下でも、氏田氏は「希望を持ち、お互いに人生を変えられるチャンスを与えたい」という。

第16回居酒屋甲子園のみどころ

2023年開催の第16回居酒屋甲子園は1,200店舗以上がエントリー。選考は覆面調査による1~3次予選を経て、上位の店舗が次のステージに進む。

氏田氏「全国を12区に分けた地区大会で、各店舗が取り組みや成果を10分間プレゼンテーションして各地区の優勝店舗が決まります。そして12の地区優勝店舗が最終審査に臨み、様々な分野でプロフェッショナルな審査員により、居酒屋から日本、世界を元気にしていただける5店舗を選出させていただきます」

第16回居酒屋甲子園全国大会進出の5店舗(九州第一地区福岡県 焼肉恩匠 八女本店、九州第二地区鹿児島県 鳥門米門うまいもん。谷山店、関西第二地区兵庫県 炭火焼肉と韓国料理カンテイポウ、関東第一地区東京都 しまね料理とさばしゃぶの店 主水三越前店、関東第二地区神奈川県 THEかたなし馬ル一心One heart)勝ち残った5店舗は、どの店舗も圧倒的な成果を出している。「全国大会に残っただけで日本一のようなもの」と氏田氏は言う。

氏田氏「コロナ禍からV字回復した店舗の場合、根底にある信念はもちろん、具体的な取り組み、仕組みをしっかり伝えていただきます。また、外国人の方を積極的に雇用されている店舗は、外国人スタッフだけで3回の覆面調査を高得点で通過しています。全国大会まで残れるのは実力であって運ではありません」

優勝を決める全国大会では、会場票で審査が行われる。来場者1人に1枚のコインが渡され、プレゼンを聞いて深い学びを得るとともに強い共感をした店舗に投票するルールだ。その中で最もコインを集めた店舗が優勝となる。例年全国大会では、票は分散される。どの店舗が優勝するのか、最後まで本当に分からない状況だ。

専務理事 青木秀一氏(以下、青木氏)は全国大会について「共に学び、共に成長し、共に勝つ、ということをどれだけ伝えられるのかが大切です。しかし、本来の目的は優勝する店舗を決めることではありません」と語る。

NPO法人居酒屋甲子園
専務理事 青木秀一氏

青木氏「居酒屋甲子園は、地域や企業の垣根を越えて多くの勉強会やイベントなどを行っており、大会運営もその一部です。

優勝を決める居酒屋甲子園全国大会は、その活動の中の1つにすぎないのです。“共に学び、共に成長し、共に勝つ”という理念のもと、共通の目標をもって共に生きることを浸透させるのが目的です」

 

氏田氏「飲食業界の困難な状況に立ち向かい、共に希望を持ち、新たなチャンスを創り出すために活動しています。私たち自身も居酒屋甲子園をすごい団体にしようとは考えていません。

“居酒屋から日本を、世界を元気にする”という目的で、飲食業界に携わる人がより誇りを持ち、学びを共有できる場を提供する大会です。結果はそれと一緒についてくるだけのものと考えています」

青木氏「そのため、居酒屋甲子園の大会は、経営者も含め、特にその店舗のスタッフさんに見てもらいたいです。自分たちと同じように苦しんでいる人や前に進もうとしている人がいるというのを感じてほしいのです。1店舗1店舗に目を向けて、助け合い成長していくきっかけになってほしいと考えています。

また、居酒屋甲子園を経験したことのない方々も含めて、特に飲食業に携わる人々に会場に足を運んでほしいと思います」

氏田氏「今回の大会では“共に生きる”というテーマを掲げて、10代のアルバイトから、20代、30代、40代の店長、オーナーまで、さまざまな年代や役職の参加者が登壇し、自身の取り組みや考えを発表します。

自分と照らして共感し合える参加者がいるでしょう。飲食店経営は、現場のスタッフから経営者、社長まで、連携し、共通の認識や理解を築く必要がある時代です。

会場では、飲食店がチームとなり価値のある体験を話します。来場者にはその場で感じたことを会社に持ち帰って共有してもらいたいです。また、この学びは飲食業に限らず、サービス業全般にも役立つものであり、同じような業界の方々にもぜひ参考にしていただきたいと思います」

氏田理事長のもと、居酒屋甲子園はさらなる成長と発展を迎え、飲食業界全体に良い影響をもたらすことを目指している。10/31(火)にパシフィコ横浜で実施される全国大会で、全国各地区で優勝した5店舗が発表する学びを体感してみてはいかがだろうか。

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