株式会社タベテクは、九州大学発のプラズマ殺菌技術を応用した装置を開発し、収穫後の果実の保管・輸送に用いることで、途上国の美味しい果実を日本をはじめとする世界中の国々に届けます。当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは株式会社タベテクの夢です。
消費前の段階で大量の果実・野菜が廃棄
世界中で深刻化するフードロス問題。実はそれらのロスは消費段階よりも生産から販売までの段階で発生しています。廃棄される食料は野菜や果物の割合が多く、生産から消費までの過程で約45%が腐敗したり傷んだりして捨てられているのが実情です。
廃棄の理由としては消費者や小売業者の管理不足や売れ残り、劣悪な輸送環境や収穫時の乱雑な作業、加工過程でのミスなどが挙げられます。特に、サプライチェーンが脆弱な発展途上国では、生産から小売り前の段階で多くの廃棄ロスが起きています。
また、柑橘類はカビが発生しやすいため、海外から輸入する際には腐敗防止を目的に多くの場合ポストハーベスト処理と呼ばれる薬剤処理が施されます。しかしポストハーベスト農薬は毒性が高く、高濃度で処理された農産物の多くが日本では輸入を禁じられています。そのため、スーパーなど小売店に並ぶ途上国産の果実は少量、少品種に限定されています。
薬剤処理不要、長期常温保存が可能なプラズマ殺菌技術
株式会社タベテクでは、九州大学の研究成果を応用し、プラズマ殺菌によって柑橘類を長期・常温保存できる技術を開発しました。プラズマによる刺激で柑橘類の表面を殺菌すると共に、柑橘類がプラズマから身を守るために作る抗酸化物質の活性化によって、腐敗しにくくなる仕組みを利用したものです。国内の農業施設で行った実証実験の結果、みかんなどの柑橘類の腐敗を1/3以下に抑えられるという結果が得られました。
トルコにおいても、柑橘を無処理、薬剤処理、プラズマ処理に分けて、87日間の常温保存試験を実施しました。その後、アンカラ大学で2週間分析を行った結果、プラズマ処理を行ったレモンは、無処理のものと比較して2倍の水分が保持されていることや、味が保たれていることなどがわかりました。ポストハーベスト処理を行った場合と比べても、カビの発生や腐敗を大幅に抑制できることが確認されました。
そこで当社は、高品質な柑橘類を数多く生産し、輸出にも積極的なトルコから、現地産の柑橘類を世界に輸出するプロジェクトを進行中です。長期輸送用にプラズマ殺菌技術を導入した装置を独自開発し、薬剤処理なしで高い品質を維持した果物を、日本をはじめ東南アジア諸国に輸出する取り組みを進めています。今年の春、プラズマ処理したトルコの柑橘類1000キロを日本に運びます。
途上国の柑橘類を世界中に届けることでフードロス削減に貢献したい
当社の夢は、トルコの事例を皮切りに、薬剤処理のない途上国の果実が世界中に拡がり、世界が化学薬品を減らす方向に進んでいく事です。そして、日本のスーパーマーケットに並んでいる防腐剤や防カビ剤で加工処理をされた途上国の果物が、プラズマ殺菌処理を施したものに置き換わり、店頭に並ぶ日が来ることです。「安心・安全」で美味しい柑橘類があらゆる国の人々に届く世界を実現し、フードロスの削減にも貢献したいと考えています。
「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。私たちはこの夢の実現を本気で目指しています。