調査方法ですが、農業総合研究所が全国のスーパーマーケットで展開している2,000店舗以上の「農家の直売所」での販売データを集計したほか、生産者などへのヒアリング調査を実施しました。
長引く物価高の影響で、この冬は野菜価格の高騰が社会的な関心事となりました。特に露地栽培中心の葉物野菜は、寒暖差や天候不順による供給不安と物流コストの上昇が重なり、値上がりが顕著です。
価格の安定性が比較的高いミニトマトも例外ではなく、「農家の直売所」のデータによるとミニトマトの出荷平均額は2024年1~2月の約198円に対し、2025年は約230円と、前年同期比で約15%上昇しています。
味で選ばれる時代の、和歌山発「こくつよ みにとまと」
そんな中、濃厚な旨みで勝負するブランドミニトマトが登場しています。
ブランド名は、「こくつよ みにとまと」。
名前の通り、「コクが強い」味わいが最大の特徴。ゼリー質が少なく果肉がしっかりしていて、噛んだ瞬間に口の中いっぱいに濃厚なうまみが広がります。皮も薄く、子どもがパクパク食べるという声が多いのも納得です。2024年の販売開始以来、関西圏のデパートを中心に人気が広がっています。

「こくつよ みにとまと」
この「こくつよ みにとまと」を生産しているのは、和歌山県の榎本勇一さん(榎本農園/ミニトマト生産歴25年)と原出幸典さん(農園ひだか/同20年)。二人とも長年ミニトマトの生産に携わってきたベテランです。和歌山という土地の気候や日照時間を活かして、味にこだわったトマトを育て続けています。
「こくつよ みにとまと」の付加価値
農業総合研究所の出荷データによると、一般的なミニトマトの販売価格と比較し、「こくつよ みにとまと」は、1.3から1.7倍程度の金額で販売されています。この価格帯でありながら、リピーターが増えていることからも、味の満足度やブランドへの信頼感が消費者に浸透していることがうかがえます。
「こくつよ みにとまと」の出荷期間は、基本的に10月から翌年6月までですが、夏作がうまくいけば通年での出荷も可能、という特性をもちます。人件費や資材費の高騰が続く中、通年出荷が実現すれば、設備や人材を年間を通して効率的に活用できることから、収益機会の安定化につながるとして期待が高まっています。
さらに、近年の健康志向や「本当においしいものを少しだけ食べたい」という消費者ニーズの変化は、「こくつよ みにとまと」のようなブランドミニトマトにとって追い風でもあります。
ミニトマトに限らず、多くの商品が高付加価値化を目指す時代へと進む中で、その象徴といえる存在です。
調査にご協力いただいた生産者

左:原出 幸典氏(農園ひだか) 右:榎本 勇一氏(榎本農園)
調査方法
調査期間:2024年1月1日~2025年2月28日
調査方法:当社が全国2,000店舗以上のスーパーマーケットで展開する「農家の直売所」、及び産直卸での販売データ、及び、生産者へのヒアリングを基に導出
■会社概要
株式会社 農業総合研究所 (JPX 証券コード3541)
〒640-8341 和歌山県和歌山市黒田99番地12 寺本ビルII4階
https://nousouken.co.jp/
「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本及び世界から農業が無くならない仕組みを構築することを目的とした産直流通のリーディングカンパニーです。全国約10,000名の生産者と都市部を中心とした約2,000店舗の小売店をITでダイレクトに繋ぎ、情報・物流・決済のプラットフォームを構築することにより、農産物の産地直送販売を都市部のスーパーで実現した「農家の直売所事業」と、生産者から農産物を買い取り、ブランディングしてスーパーに卸す「産直事業」を展開しています。