LINEで受注をデジタル化。大和物産に聞くTANOMUを活用したDX推進のコツ

卸・メーカー2023.05.23

LINEで受注をデジタル化。大和物産に聞くTANOMUを活用したDX推進のコツ

2023.05.23

LINEで受注をデジタル化。大和物産に聞くTANOMUを活用したDX推進のコツ

  • bnr_tanomu_300.png 売り手
  • bnr_aiocr_300.png(売り手)

食品卸業者は個人店からFAXや電話からのアナログでの受注や、商品や数量の確認、販売管理システムへの入力など事務作業に追われることが多いだろう。アナログでの受注は、専任担当者を配置した属人的な業務体系になりがちで、ヒューマンエラーが生じやすい。しかし、『TANOMU』のような受注システムを利用することで、場所や人を選ばずに正確な業務が実現可能だ。

今回は、大和物産株式会社の代表取締役 丸山 拓也氏と営業部 川森 直也 氏、業務部 石田 氏にLINEで受発注ができるシステム『TANOMU』の導入に至った経緯や活用法について伺った。

『TANOMU』でLINEでの受注や販促が実現

大和物産株式会社
代表取締役
丸山 拓也 氏

大和物産は食品メーカーから仕入れた食品を販売する総合食品商社で、昭和21年創業の老舗だ。奈良県を中心に製菓製パン業、製麺業、中食業など食品製造業で使用される原材料の卸売や、たい焼き屋の事業展開からベーカリー店の運営と食に関わる事業を幅広く展開している。

チェーン店ではない、多くの個人店からの発注はシステム化されていないケースが多く、食品卸売企業は取引先ごとに情報を管理し対応しなければいけない。システムを導入した経緯について丸山氏は以下のように答える。

代表取締役 丸山 拓也 氏(以下:丸山氏)「当社は顧客から電話やFAXの受注が主流で、中でも電話よりFAXの受注のほうが多かったのです。徐々に得意先が増えるに連れて、朝の業務が多忙になってきたため、業務改善の一環として受発注システム『TANOMU』を導入することにしました」

食品業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、導入を検討する企業が増えてきているが、電話やFAXによる受注はまだまだ存在する。しかし、大和物産は『TANOMU』の導入によって業務が圧倒的に軽減したという。

業務部 石田 氏(以下:石田氏)「電話で注文をいただく場合、顧客情報や注文内容をすべて聴取して、いったん紙に書き、それを見て伝票発行していました。そのため、すごく時間がかかる上に口頭での注文のため、「言った・言わない」のような問題も起こります。またFAXの場合、商品記入欄が間違っていたり、単位が明確じゃなかったりすることや、送信されてきたものの文字が読めない問題などもありました」

営業部 川森 氏(以下:川森氏)「商品名ではなく専門用語で発注されることもあり、事務が受注してから営業に確認する手間もありました。こういった経緯で導入を検討したのです」

DX実現へ向けてシステム導入への障壁は?

受発注システムは、食品卸売企業とその取引先がシステム上で受発注することで初めて成立する。従来の受発注方法を変更した場合、どんな障壁があるのだろうか。

石田氏「LINEは国民の90%がダウンロードしているアプリであり、『TANOMU』は顧客とLINEでやり取りできるため導入を決めました」

川森氏「導入を検討した際に障壁になったのは、既存の営業システムとの連携の問題です。加えて当社では、粉物や冷蔵冷凍などの伝票発行が非常に難しいところがありました。そのため、導入まで少し時間がかかってしまった部分もあります。現在は営業システムとの連動はしっかり実用化できている状態です。受注内容を手入力していた時代と比較すると、処理速度が全然違います。使っている側としても随分労力が緩和されていると思います」

石田氏「現在は『TANOMU』からCSVで注文データを吸い上げて、それを当社の営業システムで伝票に起こしています。一方、当社の倉庫から出る商品については粉や冷蔵・冷凍というカテゴリー順に並べ変える必要があったので、そうした条件に合わせていくのには時間がかかりました」

新しいシステムを導入する際に不安視されがちなのが社内からの反発だ。しかし、同社の場合、ネガティブな反響はそれほど大きくなかったという。

川森氏「システム化によって仕事の簡略化ができることについては、社内からの反対はありませんでした。ただ、営業側からするとシステムをお取引先様にうまく説明して利用していただけるのか不安でした。反対まではいかなかったですが、社内で業務を行う側と営業側では少し温度差はあり、営業の私としては不安要素の方が多かったです」

取引先に受発注システム利用を説明

受発注システムについていざ顧客に口頭で説明しても、実際に使用してみないと全体像が把握しにくく、すべての顧客に切り替えを依頼するのは困難であると気づいたという。DX実現に向けて社内の足並みをそろえ、長期的に促進させていく必要性を感じたことから、まずは1年スパンで導入を促進する計画を立てた。システムに関して取引先に説明する際には、「非常に簡単に導入できて、スムーズに発注できる」という点を強調することで、徐々に登録件数を増やせたという。

川森氏「システム導入で、私が担当させていただいているお取引先様は個人経営のパン屋さんが多いのですが、調理室に端末機器を持っていくことができない。という声もいただいております。粉末が端末機器に付着すると故障の原因になるので、業務形態によっては携帯電話よりもタブレットやPCの方が導入しやすいところもあると思います」

顧客にシステム導入に関する案内をする際は、現場にチラシを持参して内容を説明していたと川森氏は言う。新たなシステムを導入する場合は、その内容を詳細にわたって説明することが必要不可欠だという。

川森氏「始めに「『TANOMU』って何?」という疑問を解消するために、「LINEで注文できます」などと簡単に発注できることを、具体的なイメージしてもらえるように説明すると「そういうことだったら登録してもいいかな」と思っていただきやすいです」

年配の顧客や、スマホやパソコンに慣れていない年代の方からは「従来通りでいいじゃないか」という声もあったという。そのような取引先に対しては、導入の不安を和らげるために「簡単にスムーズにできます」というアピールをし、加えて『TANOMU』に情報を入力する際には項目の順番を、FAXを使用する際と同じ並び方に変更し、取引先目線での工夫を施した。取引先に一から十まで教えて、導入件数を増やしていったという。不明点がある際には、すぐに電話等で質問に答えられるようにするなど、アフターサービスのような役割も行っている。

導入の決め手と効果

急速にデジタル化する現代社会では、企業側が積極的にDXを進めていかないと、顧客のニーズに対応できず、市場獲得のきっかけを損失してしまうのは明らかだ。ここに危機意識を持った大和物産では、DXを進めていくにあたり「業務効率の改善」と「若手の社員でも熟練者と同じような判断ができる環境整備」という2つの指針を掲げたという。

従来は大量注文のある取引先だと伝票を打つだけで10~15分かかっていたが、現在は1~2分で業務が完結し、ヒューマンエラーも発生しない。またFAXでの受発注業務は送り忘れや、機械のトラブルなども発生しやすい。LINEでやりとりすることで、取引先からのストレス緩和にもなっているという。

実際にシステムを導入した取引先からは、さまざまな声が寄せられた。以前、FAXで取引していた取引先からは、システムを導入し時間外でも発注ができるようになったことから、「休憩時間が確保できるようになった」という声が上がった。


川森氏「FAXや電話発注から『TANOMU』に切り替えていただいたお取引先様からは、従来の手法の方が良かったという声は今のところなく、簡単に注文できることを実感していただけるかと思います。いかに導入へのハードルを越えるのかが、今の課題です」

場所や人を選ばずに誰でも業務可能な仕組みを構築

以前は、商品の価格改訂のたびに顧客へ見積書を発行したり、商品案内したりする作業負担が大きかった。『TANOMU』では取引先ごとに価格改訂の情報発信がシステム上で行えるため、従業員の労力を大幅に軽減できたという。また各取引先が抱える状況に応じた対応もシステムを通じて行うことで、ヒューマンエラーが原因となるトラブル防止にもなっている。

石田氏「例えば、祝日は荷物を受け取れない顧客も多いのですが、その顧客だけに「次の何日は祝日だから、その前に2回分の発注をお願いします」などとLINEで通知メッセージが送れるので、非常に便利です。今後は賞味期限が近い商品を、安価な値段で販売することもシステムを通じて実施していきたいです」

また、大和物産がDXに踏み切ったもう一つの理由は、業務をシステム化することにより業務の属人化を解消することである。社内の高齢化が進む中、職人的な感覚に頼った働き方ではなく、どんな人材でも同じ業務内容に従事できる環境を整えていきたいと丸山氏は語る。

丸山氏「仕入れや営業を担当するベテラン社員は、職人感覚的に業務しているケースがあります。システムを導入することで、全てが見える化できるので、経験が浅い社員でも業務が遂行できる仕組みに転換させられます。それが非常に重要だと思っており、DXをきっかけにして従業員教育にも力を入れていきたいと考えています」

DXを実現する秘訣は、一度に全ての店舗へ切り替えを促すのではなく、長期的な計画を立て実行していくことがDXを実現する秘訣なのかもしれない。

大和物産株式会社

創業:1946年4月
本社所在地:奈良県大和郡山市椎木町404-2
事業内容:食品関連原材料、加工製品及び包装資材等の各種関連商材の卸販売、薄皮たい焼き「粉こ楽(ここらく)」店舗運営、企業のビジネスマッチング
公式ホームページ:https://daiwabsn.com/

注目のキーワード

すべてのキーワード

業界

トピックス

地域