卸・メーカー2014.04.22

食品物流センターの設置で考慮すべきこと

2014.04.22

吉川 国之(茨城乳配株式会社)画像が見つからない

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こんにちは。茨城乳配の吉川です。

新年度のスタートはいかがでしょうか。3月は年度末に加えて、増税前の駆け込み需要が加わり物流業界も大騒ぎでした。消費税アップ後は、今まで以上にコスト管理が重要になってきます。ただ、この増税もピンチではなくチャンスと考えて乗り切っていきたいですね。

そこで、今回は物流センターを設置する際に考慮すべきことについてお話させていただきます。

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こんにちは。茨城乳配の吉川です。

新年度のスタートはいかがでしょうか。3月は年度末に加えて、増税前の駆け込み需要が加わり物流業界も大騒ぎでした。消費税アップ後は、今まで以上にコスト管理が重要になってきます。ただ、この増税もピンチではなくチャンスと考えて乗り切っていきたいですね。

そこで、今回は物流センターを設置する際に考慮すべきことについてお話させていただきます。

目次

目的によって立地が決まる

物流センターは何のために設置されるものでしょうか。その目的は大きく分けて2つあります。「物流コストの削減」と「物流サービスの向上」です。
目的によって、求められるセンターの機能や、立地(最適な設置エリア)が変わってきます。まずはその違いを確認してみましょう。

DC(ディストリビューションセンター)について

食品製造業であればほとんどの企業が保管を目的とした倉庫を、生産工場に併設、または工場の近隣に保有しています。このような保管機能を有しているセンターを、DC(ディストリビューションセンター)と呼びます。DCが生産・製造現場から近い場所に設置される理由は、できあがった大量かつ様々な製品を出来る限りコストを抑えて保管場所に格納するためです。

TC(トランスファーセンター)について

コンビニエンスストアのチルドセンターのように、たくさんの納品先に対して約束された時間に納品したり、1日に何度も繰り返し配送したり、主にサービス向上を目的としたセンターをTC(トランスファーセンター)と呼びます。可能な限りコストを抑えて設置を進めるため、コストアップに繋がる在庫は持たず、必要な製品を必要な数だけ調達して出荷します。また、納品先との距離や時間を短縮することで、より緻密なサービスを行えるように、納品先が集中するエリア(消費地)の近郊に立地を検討するケースが多くなります。

このようにセンターの目的をしっかりと理解した上で立地を考えることで、センター設置後にスムーズに目的達成に向けた活動ができるようになるのです。

今後の戦略を視野に入れる

物流というのは企業の戦略のひとつです。

未来の計画が壮大ならば、物流センターの適正な数を検討することだって考えなければいけません。新たなエリアやマーケットを開拓するといった未来の営業計画が存在するにもかかわらず、物流の準備は後回しというのでは、その戦略はスタート前から問題を抱えていることになってしまいます。社内の他部門から情報を得ながら、現在の営業活動と未来の営業戦略をきちんと視野に入れて、どこにどのような機能を持ったセンターが最適なのかを検討しておくことが必要です。企業の成長スピードが速ければ物流計画の見直しも短いスパンで行う必要がありますので、社内において営業部門と物流部門の打ち合わせを定期化することも考えるべきでしょう。

食品物流センターの基本条件

設置エリアが決まったら、次に「具体的な設置場所」と「施設の条件」について考える必要があります。それでは食品物流センターを設置する際に注意すべき点を、いくつか挙げてみましょう。

・稼働時間をクリアできるか確認しましょう。

食品の物流センターは休みなく稼働しています。

実はこの24時間365日稼働できるか。という条件が重要な要素になります。例えば、近隣に民家や病院などがあったらどうなるでしょうか。夜間の騒音や振動がトラブルに発展してしまうかもしれません。また、モラル的な観点から稼働時間を制限されてしまう可能性もあります。かといって強行的に稼動させてしまえば、今度は企業イメージを損なってしまうおそれもあるのです。

・トラックの利用に適した環境か確認しましょう。

トラックの待機場所が確保できているか、センター内までトラックがきちんと進入できるかなど、当たり前なことのようで意外に見落とされがちです。特に、特売などで臨時便が頻繁に運行するような場合は、それらの車両がある程度待機できる場所を用意しましょう。センター前の公道を待機車両が埋め尽しまうような事態は避けるべきです。

・法の規制をクリアできるか確認しましょう。

近年は、コンプライアンス(企業の法令遵守)が重要視されています。例えば土地の法規制ですが、用途指定や容積率などの確認は必須です。この確認を怠ってしまうと、後に事業を拡張したい場合に法令が妨げとなり、結果としてコストアップにつながってしまう可能性もあります。

・自然災害の可能性を確認しましょう。

先の震災以降、BCP(事業継続計画)という考え方が浸透してきました。新たにセンターを設置するのであれば、大規模災害の可能性や災害時の事業継続性なども検証して計画を進めましょう。さらに、万一センター機能が麻痺しても輸配送が滞らないような体制を整えておくことも大切です。

・十分な人員の確保が可能か確認しましょう。

「人員」とは、センター内の業務を行うパート・アルバイトの方や輸配送に関わるドライバーなど業務に関わるすべての人のことです。必要な人員をきちんと確保できるのか。これは最も重要な課題です。実際に新しいセンターを設置したにも関わらず、働ける人が集まらなかったために、稼働できなかった。というケースも起きているのです。また、人員の確保が難しい地域では、人件費が高騰しやすく、計画通りの予算で運営することが難しくなることも考えられます。

いかがでしたでしょうか。実際には、物流企業や倉庫会社が保有する既存物件をセンター候補地として検討するケースが多いと思いますが、ここでお話した内容を参考に検討を進めていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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