卸・メーカー2014.04.25

ご存知ですか?2015年危機

2014.04.25

吉川 国之(茨城乳配株式会社)画像が見つからない

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こんにちは、茨城乳配株式会社の吉川です。
寒さも和らぎ、春を感じる季節になりました。でも、花粉症の方にとっては辛い季節でもありますね。花粉症の薬を飲んだ後の運転には、くれぐれもご注意ください。

さて、今回は物流業界で話題になっている2015年危機と、食品物流に与える影響についてお話したいと思います。

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こんにちは、茨城乳配株式会社の吉川です。
寒さも和らぎ、春を感じる季節になりました。でも、花粉症の方にとっては辛い季節でもありますね。花粉症の薬を飲んだ後の運転には、くれぐれもご注意ください。

さて、今回は物流業界で話題になっている2015年危機と、食品物流に与える影響についてお話したいと思います。

目次

14万人のドライバーが不足する?

そもそも2015年危機とは何なのでしょうか?
これは国土交通省が発表した、2015年には物流業界全体で
約14万人のトラックドライバーが不足するという予測のことです。

トラックドライバーの数は2006年度にピークの約92万人に達して以来、下降線をたどっており、ピークからわずか2年後の2008年度にはおよそ86万人にまで減少しました。
ただ、その当時はこの話題についてあまり騒がれることはありませんでした。
なぜなら、2008年にはリーマン・ショックが起きており、物流業界全体で貨物量が激減したため、ドライバーの減少が目立たなかったのではないかと推測されます。
しかしここ数年、この現象が物流現場に顕著に表れるようになってきました。

物流業界が抱える新たな課題

それでは、なぜドライバーは不足してしまうのでしょうか。
その原因については諸説ありますが、少子高齢化の影響と、新免許制度の影響が大きいのではないかと考えられています。

かつてドライバーが花形職業だった世代が徐々に引退していく一方で、これからの働き手として期待される若年層は、少子化と自動車離れが同時に進んでいます。
さらに、2007年から始まった新免許制度によって、以前は普通免許で運転できた多くの2トン車や4トン車が、中型免許を取得しないと運転できなくなってしまいました。
これはつまり普通免許を取得しただけでは、トラックドライバーとして働けなくなってしまった。ということです。

そして、労働条件もドライバーの減少の一因として挙げられています。
一般的に物流業界全体の平均月収は、他の業界と比べて低く、仕事内容は肉体的・精神的にもハードと言われています。
総労働時間も全産業平均と比較して長く、“典型的な3K産業“と評されてしまうこともあります。
その中でも特に食品物流は、休日数が少なく稼働時間帯が夕方から夜間、または早朝になるケースが多いため物流業界を希望する数少ない働き手ですら、“食品物流だけは選ばない”という現象が生まれ、結果として食品物流業界はより深刻な人材不足に陥ってしまっているのです。

自社を知ることが解決への一歩

昨年末に貨物の未着事件が多数発生しました。
原因はドライバー不足によるものです。貨物量に対して車両が不足したことで指定納品日を守ることができないケースが多発した一方で、どうしても納品日を守らなければならないようなケースでは、運賃が2倍から2.5倍にも跳ね上がりました。
そしてその費用が荷主企業を直撃したのです。

上記の例は一過性の問題かというとそうではありません。
実は今後も人材の確保のために人件費の高騰は避けられない状況が続き、直接的であれ、間接的にであれ、物流コストを押し上げていくと考えられています。

人材不足が食品物流へ及ぼす影響は…。

この2015年問題については、物流業界内でどうやって乗り越えていくか様々な意見交換がされていますが、まだ根本的な解決には至っていません。
というのも、この問題は荷主企業と物流企業が一緒になって取り組まなければ解決しないからです。
取り組みの1例として、まずは大手コンビニチェーンが、チェーン本部と物流会社で協力して労働環境と待遇面の改善に乗り出しました。

大切なことは荷主である食品企業と物流企業とが、現状の問題点について膝をつめて話し合うことです。
採算が合う仕事になっているのか、コンプライアンスの実践が可能な環境か、など対企業向けの配慮だけでなく、働く人への配慮を持って一緒に検証していくことが大切です。

荷主企業と物流企業の両社が本気で改善に取り組めば、納品制約や時間帯の変更などによる物流システムの再構築が可能となり、少ない人数や車両で効率的な配送が実現できるでしょう。
そうすれば料金の値上げ以外の解決策もきっと見つかると思います。

ドライバー不足は今も着実に進んでいます。
手遅れになる前に早めの対策を検討していきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、また次回お会いしましょう。

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