受注業務にかかる時間を約半分に短縮した肉の山形屋の話
福岡市に本店を置く食肉卸「肉の山形屋」の管理部長、平河重雄さんに話を伺った。(以下、平河部長)
受発注業務についてどのような課題がありましたか?
電話やFAXで発注いただいた場合、手書きによるミスや「言った・言わない」がどうしても出てきます。お客様は外食産業が多いため、夕方から夜中までの営業で確認が取れないこともありました。また、LINEによる注文が増え始めていたのも課題でした。
LINEですか。LINEだと、電話のように「言った・言わない」という問題はなさそうですけど…。
はい。でも、LINEをはじめ電話やFAXでの注文の場合、販売管理システムに注文内容を入力しなおすという手間が発生します。1件入力するだけでも5分、積もりに積もって何十分とかかるようになっていました。
それは大変ですね。
はい。それに、転記内容を間違えると大変なので、チェックする時間も必要になって、さらに1時間、1時間半と業務が後ろ倒しになっていったんです。LINEでの受注が増えてきていたんですが、続けていくことに課題を感じていて…。そこで紹介していただいたのが、LINE経由の注文を管理できる受発注システム『TANOMU』でした。
そうなんですね。『TANOMU』を導入されてから、どのような変化がありましたか?
『TANOMU』では、受注内容を一括でCSV出力できます。受注内容を画面上で管理できるので、入力し直す作業やチェックする手間がほぼゼロになりました。おそらく、業務にかける時間は半分以上削減できたんじゃないでしょうか。
それはすごいですね。
本当に助かっています。まだまだ、新しいツールに抵抗を持っているお客様もいるのですが、もっと多くのお客様に利用していただけるように広めていきたいですね。
今後、『TANOMU』をどのように活用していこうと考えていますか?
『TANOMU』の情報発信の機能を活用したいですね。例えば、LINEにPRの情報を流して注文を促すとか…。既存のお客様へのアプローチはもちろん、新規顧客の獲得につなげていきたいと考えています。
従業員の出社時間を30分遅らせることができるようになった新栄商行の話
中国料理食材専門の食品卸、株式会社新栄商行の代表取締役社長、王徳英さんに話を伺った。(以下、王社長)
受注業務は、どのように行っていたんですか?
我々のお客様の中には個店の飲食店様もいらっしゃるのですが、そのようなお客様からの注文はFAXが多かったです。多いときは、1日100枚以上FAXが届いていました。
そんなにたくさん…。
そうですね。手書きの文字が不鮮明だと、電話して確認しなきゃいけません。FAXが多い日は、担当者ごとに仕分けして販売管理システムに入力する作業も必要です。従業員に大変な思いをさせていて…。この手間をどうにか解消できないかと考えていたところだったんです。
そこで、『TANOMU』を導入したんですね。
そうです。
導入してみて、どうでしたか?
まず、1日100件だったFAXのうち、多いときで90件が『TANOMU』での注文に切り替わり、作業が非常に楽になりました。FAXは『TANOMU』のOCR機能を使ってデータ化できるので、従業員の労働時間を1日あたり30分短縮できたんです。今までは、ピッキング開始の1時間前に出社していたんですが、導入してからは30分遅く出社しても間に合うようになりました。
各社員の労働時間を1日あたり30分の削減できると考えると、全体としてはかなりDXの効果を感じられますよね。
そうですね。とても助かっています。
『TANOMU』の利用で、何か工夫されたことはありますか?
発注画面で全商品検索ができるのですが、より検索しやすくするために、フカヒレや紹興酒など商品分類別に検索できるようにしました。検索が便利になったことで、営業も自社商品を検索しやすくなったので、この機能を使うことが売上につながればなと思っています。
電話・FAXの注文を90%データ化することに成功したフカベエッグの話
宮崎県に本社を置く鶏卵専門の食品卸売業を営む株式会社フカベエッグの大分営業所長、藤さんに話を伺った。(以下、藤所長)
『TANOMU』を導入する前の受注業務について教えてください。
個人経営の飲食店様は小ロットの取引が多く、そのほぼすべてが電話やFAXによる注文でした。多いときには、1日400件ほど受注することもありました。
それは大変ですね。
そうですね。受注担当は何名かいるんですが、午前中は特に、常に電話につきっきりになっている状態でしたね。いつもの注文内容と違ったり、注文が重複しているときは確認の電話が必要です。FAXだと文字が解読できないこともあって、このときもやはり電話で確認していましたね。
なるほど。それはかなり時間がかかりますね。『TANOMU』を導入して、いかがでしたか?
まず、小ロットの取引先のうち、75%程度が『TANOMU』での発注方法に切り替わりました。ひっきりなしになっていた電話注文がほとんどなくなったことには驚いています。おそらく、以前の10分の1程度まで減ったんじゃないかと思います。
それはすごいですね。
はい。あと、FAX注文書はOCR機能でデータとして取り込まれるので、印刷する紙の量も減りました。現状、電話とFAXの9割くらいがデジタル化されている感じです。もちろん、FAXを利用することに変わりはないので、読み取れないこともあるんですが、内容確認の電話が減って、配送ミスにつながるような誤入力も減りました。
では、かなりの労働時間が削減できたんじゃないですか?
そうですね。『TANOMU』の導入で、以前よりまとまった時間が取れるようになったので、その時間で商品企画や販売方法、業務の見直しなど、手つかずだった業務に取り組んでいこうと考えています。
『TANOMU』の導入による今後の展望はどのように考えていますか?
大分営業所だけでなく、全社的に『TANOMU』を導入していこうと考えています。あとは、『TANOMU』の販促機能を使って、特売商品をアナウンスしていく予定です。鶏卵は賞味期限が短いので、在庫が大量に出てしまうことが課題の一つなんです。販促機能を使って賞味期限の近いものの特売情報をお客様に伝えて在庫を一掃できれば、売上の貢献や食品ロスの削減にもつながると考えています。
まとめ
食品卸売業界では、電話やFAXを使ったアナログ受注を行っている企業も多いが、時間がかかる・ミスが発生しやすいなどが問題となりがちだ。しかし、『TANOMU』の導入により受注業務をデジタル化できれば、業務が効率化されて従業員の負担を減らせるだけでなく、人為的なミスを大幅に削減できる。
また、『TANOMU』の販促機能を使えば、非対面でも取引先に新商品などの案内が可能だ。写真つきで新商品・特価品の案内が行えるため、お客様のニーズに応えついで買いを増やせたり、食品ロスの削減や売上アップに繋げられたりすることができる。受発注の問題を解決したい・従業員の労働時間を削減したいと考えている方は、TANOMUの導入を検討してみてはいかがだろうか。