飲食店の空き時間はどうする?アイドルタイムの対策方法を紹介

飲食・宿泊2024.11.19

飲食店の空き時間はどうする?アイドルタイムの対策方法を紹介

2024.11.19

飲食店の空き時間はどうする?アイドルタイムの対策方法を紹介

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飲食店におけるアイドルタイムは、従業員の休憩時間として扱われることも少なくない。しかしその時間こそ集客のチャンスであり、積極的に取り組むことで飲食店の売上アップやコスト削減につなげられる。

ただ、具体的にどんな戦略を練ればいいのか、人員が少なくて取り組みに割くリソースがないと悩んでいる方も多いのではないだろうか。今回はそんなアイドルタイムにおける戦略や対策方法を紹介する。

目次

アイドルタイムとは?

アイドルタイムとは「活動していない、働いていない」という意味があり、飲食店においては「お客様が来ない時間、少ない時間帯」「人手が余りがちな時間帯」のことを指している。

営業時間内ではあるものの、あまり売上や利益を生み出さない時間帯ともいえる。なぜならお客様が少なくても、お店を開けていれば光熱費や人件費などはかかるため、営業コストが高くなるからだ。

従業員にとってもやることが少なく、モチベーションや生産性の低下につながってしまいかねない。そのため飲食店にとってアイドルタイムへの対策は、店舗における様々な課題解決に繋がる。

ピークタイムとの違い

ピークタイムとは、飲食店で来店客が最も多く一番混雑する時間帯を指す。ピークタイムはお客様が多いため店舗の利益に繋がりやすく、従業員数も多くないと仕事が回らない。一方でアイドルタイムは客数が少ないため、売上が減少しやすくスタッフの人数も抑えやすい。

飲食店では両方の時間帯をしっかり把握した上で、アルバイトの休憩時間に充てるなどしてピークタイムに合わせてシフト調整することが大切になってくる。

業種によるアイドルタイムの違い

アイドルタイムの一般的な時間帯は、業種によって異なる。例えばレストランの場合、ランチやディナーの合間にあたる14時~17時くらいがアイドルタイムになりやすい。一方でカフェや喫茶店の場合、ティータイムとして来店するケースが多いため、15時前後がピークタイムでその前後にアイドルタイムが訪れる。

また居酒屋のような夜から深夜にかけて繁盛するお店では、開店してから来店客が増えだす19時くらいまでがアイドルタイムとなるのが一般的だ。このように店舗の業態や立地、季節や地域性などによってアイドルタイムは違うため、日頃から集客データなどは細かくチェックしておいた方が良いだろう。

アイドルタイムが発生する理由と対策の必要性

アイドルタイムがなぜ発生するのかは、顧客の行動パターンや生活習慣による要因が大きい。例えば学校や仕事などは、12時のお昼時から休憩を取ることが多く、終業時間も17時以降となる。そのためランチタイムやディナータイムに顧客が集中し、それ以外の時間帯がアイドルタイムとなりやすい。

しかしアイドルタイムも営業時間であることには変わりなく、サービスを維持するためのコストは掛かっている。そのため、落ちている売上をそのまま放置するのは得策ではなく、何らかの対策を打ち出して売上を安定させた方が長期的な利益にもつながる。それに従業員や店舗のリソースが余りやすい分、その時間を有効活用して様々な対策や取り組みに活用しやすいだろう。

アイドルタイムを活用する具体的な戦略

飲食店でアイドルタイムを活用するには、どのような戦略や方法があるのだろうか。ここでは具体的な取り組みについて紹介していく。

アイドルタイム限定のメニューや割引

お得なセットメニューの提供や割引サービスを導入することで、新たな来店客を引きつけることが可能だ。どんなメニューを提供するかは、ターゲット層に応じて選定することが重要になる。

例えば住宅街に位置するレストランの場合、主婦の方が気軽に立ち寄れるようケーキセットやデザートの充実、ドリンクメニューの割引などを実施すると効果的だ。また小さい子供がいるファミリー層は、店舗が混雑している時間帯を避けて来店することも多い。そうした顧客を呼び込む場合、子供向けのセットメニューも用意しておきたい。

来店客が少ないアイドルタイムだからこそ、よりお客様のニーズにマッチしたサービスを提供することが重要といえる。

他の業種や業態で営業する

アイドルタイムには、提供するメニューを変更したりサービスそのものを変えたりといった方法もある。具体的には、以下のようなものだ。

  • 通常時はレストランの店舗、アイドルタイムには喫茶店として営業
  • 早い時間から開店している居酒屋の場合、お酒の需要が少ない昼は定食メニューを提供
  • カフェなどの軽食メインの店舗を夜は宴会などの貸切会場として営業
  • 無料Wi-Fiや電源設備を充実させ、コワーキングスペースとして利用
  • アイドルタイムのみテイクアウトやデリバリー専門で営業

これまでと異なるサービスを提供する場合、新たな設備の導入や食材の仕入れが増える、調理スタッフの幅広い技術が求められるなど参入するハードルも高くなる。

そこでテイクアウトやデリバリーなど、既存のメニューで活用できるサービス提供がコストを抑えて始めやすい。加えて店舗の料理をアピールする機会にもなるので、来店へのきっかけづくりにもつながる。

従業員教育や宣伝活動の強化

アイドルタイムは従業員の業務が落ち着いている時間帯であるため、売上や集客の強化だけでなく教育やプロモーションに取り組む時間として活用する方法が挙げられる。

例えば従業員教育では、以下のような取り組みを実施する。

  • 従業員同士で接客対応を確認し、正しいマナーや言葉遣いなどを学ぶ
  • 新人スタッフ向けに調理手順やマニュアルの確認、実践トレーニングなどを行う
  • 食材の取り扱いや清掃の手順などの衛生管理に関する研修を実施
  • 新しいメニューの開発やイベント企画などに取り組む
  • 食品衛生責任者や防火管理者などの必要に応じて従業員の資格取得をサポート

空いた時間を有効活用するには、飲食店の宣伝やプロモーションも効果的だ。例えば、X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどへ料理写真を投稿し店舗の魅力を伝える。口コミなどがあれば、感謝の気持ちを返信することでお店のイメージアップにつなげやすい。

また人通りの多い店舗であれば、店外に設置するメニューボードを作成する時間としても使える。特にディナー前の時間帯であれば、おすすめメニューや割引サービスなどを掲示し通行人にわかりやすく訴求できるだろう。

アイドルタイム対策のヒント

飲食店では、慢性的な人手不足に陥っているケースも多く、できる限り従業員数を抑えたいところだろう。

しかし店舗を任せられる経験豊富なスタッフは貴重な存在であり、適切な人員配置を行うことはとても難しい。そんな時は店舗運営を管理できるツールを活用することで、アイドルタイムにおける人員配置の最適化を図れる。

マニュアルの確認やタスクの進捗などをデジタル化し、一括管理することで経験の浅いスタッフでも内容を確認しながら自身が行うべき業務を確実に遂行していける。加えてアイドルタイムにおける新しい取り組みを実施する際にも、一時タスクとして細かい業務指示を行いやすい。

また現場にいなくてもタスクの実施状況を確認できるため、本部側での確認や店長が休みの日でも実施の確認が可能だ。それによりアルバイトのみの時間帯を作りやすく、アイドルタイム中の人員も最小限に抑えられる。

アイドルタイムを活用し持続可能なビジネスモデルを構築

飲食店において、アイドルタイムは単純に売上の低い時間帯として見られがちだ。しかしその水準を底上げすることで、長期的かつ安定的な利益につなげることができる。

特にアイドルタイムの時間帯は、売上に対してコストの方が上回ってしまうのが大きな問題であり、店舗の維持費や人件費といった部分が大きな割合を占める。その無駄なコストをうまく活用することが、解決策を打ち出すヒントになるだろう。

今回紹介した方法以外にもアイドルタイムの取り組み方は幅広く存在するため、自社の店舗に合った対策を模索してみてはいかがだろうか。

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