飲食店が予約キャンセル料金を請求・回収できない原因と解決策

PR飲食・宿泊2024.11.28

飲食店が予約キャンセル料金を請求・回収できない原因と解決策

2024.11.28

飲食店が予約キャンセル料金を請求・回収できない原因と解決策

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飲食店の予約キャンセルは軽視できない問題だ。毎月の発生件数は少ないとしても、年間でみれば額が積み上がる。特にノーショー(無断キャンセル)は売上の機会損失はもちろん、食材ロスや仕込みの手間、従業員のモチベーション低下など様々な悪影響につながる。

しかし、キャンセルポリシーで料金請求を規定しても回収できず諦める店も多く、予約客が外国人観光客の場合は言語の壁もある。飲食店のキャンセル料金請求・回収を支援する株式会社AccordX 安井一男氏に、どう対策すべきか聞いた。

目次

飲食業界の予約キャンセルの現状

飲食業界では日々発生する予約のうち約1割がキャンセルされ、さらにその約1割がノーショー(無断キャンセル)に該当するとみられている。ノーショーによる業界全体の被害額は年間約2000億円と推計され、これは飲食業従事者の賃金2%強に相当する。


[参考]経済産業省「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート(2018年11月1日)」(PDF)

特に年末などの繁忙期に大人数でのノーショーが続けば、経営リスクを高める要因になりうる。人材不足に加えて食材費や人件費、光熱費などのコスト負担が増える近年、ノーショーがもたらす影響は売上の機会損失以上に深刻といっていいだろう。

キャンセル料金の回収が難しい3つの要因

飲食店の予約キャンセル料金請求・回収を支援する株式会社AccordXの安井一男氏に現状を聞いた。

株式会社AccordX
代表取締役CEO 安井一男氏

安井「予約席にはフリーの来店客をご案内できません。予約のキャンセルが発生しても、すぐに別のお客様を集客できればよいでしょう。しかし、できないことが多いです。特に小規模な個人店や予約客が主な高級店などでは難しいのです。

店側がキャンセル料金を請求するキャンセルポリシーを規定しても、実際に料金回収は難しい状況です。その理由は主に3点挙げられます」

●電話督促での回収率が低い
●スタッフの精神的負担が大きく、店舗運営に影響する
●外国人客との言語の壁がある
 

電話督促での回収率が低い

安井「現状では、多くの飲食店様はキャンセル料金を請求する場合、電話で督促しています。一般的に、債権督促の電話をかけても応答率は10%以下、回収率はその20%以下といわれています。つまり、実質的な回収率は非常に低いのです。これは飲食店のキャンセル料請求に特化したデータではありませんが、飲食や宿泊といったサービス業全般でも低い傾向といえるでしょう。

また、消費者の決済ニーズが多様化する中で、従来の銀行振込だけでは支払意欲が減少しがちです。これも回収率の低下を引き起こす一因になっています。

こうしたことで督促が中長期的になることもあり、結果として諦めざるを得ないケースも少なくありません。そのため、消費者側も『請求されないからノーショーしてもいい』と考えてしまう傾向があると感じています」

スタッフの精神的負担が大きく、店舗運営に影響する

安井「回収の電話をする際、店舗スタッフとお客様の双方に精神的な負担が生じます。スタッフ側は罵声を浴びせられることもあります。そうなるとスタッフのストレスが増えてチームワークに悪影響を及ぼし、結果として店舗全体の効率が低下します。お客様とのトラブルや店舗運営、評判の悪化を避けるため、キャンセル料金の請求を諦める店舗も少なくありません」

外国人客との言語の壁がある

安井「外国人観光客が増加する中で、言語の壁がキャンセル料金の請求における障害となっています。店舗側が外国語によるキャンセルポリシーを示せず、説明責任を果たしきれないのです。特にGoogleやTripAdvisorなどからインバウンドのお客様の予約が多い店舗では、ノーショーになっても連絡が取れず督促や請求ができないケースが多発します。

その他にも、複数の店舗を同時に予約し、当日になってから店舗を決めるお客様も多く、これがノーショーの一因となっています。ある観光エリアの店舗ではこうした状況に追いつけず、事前決済に切り替えざるを得ない状態に至りました。しかし、事前決済にすると予約されにくくなる問題が起きます」

予約キャンセル料金を請求・回収する方法

飲食店が予約キャンセル料金を請求・回収するにはどうすればよいだろうか。

安井「回収を困難にさせている3つの要因をクリアする必要があります。電話以外の方法で督促し、従業員に直接対応させず、多言語にも対応すること。メールで督促する方法もありますが、多言語に翻訳する手間が発生しますし、そもそもお客様のメールアドレスが分からなければ不可能です。現状の飲食店のリソースでは解決は困難でしょう。

現実的な解決策のひとつに、デジタル請求サービスを使う方法があります。店舗が予約を受ける際、ほとんどの場合はお客様の電話番号を伺います。この電話番号にSMSで連絡をすれば、直接会話をしなくとも確実にお客様に連絡が届きます。さらに、即時にクレジットカードなどで料金を支払える決済機能付きのリンクを送ることで、回収率を上げることができるでしょう。現在、当社ではこの機能を取り入れた『請求できるくん』というサービスを提供しています。回収率は6割ほどとなります。

申し込みをすれば最短即日で利用でき、初期費用や月額費用も不要です。キャンセル料金の回収ができたら最短3営業日で店舗へ入金します。その際、成果報酬として回収料金の23%を手数料として差し引いた額をお振り込みいたします。

従来の電話で督促を行う方法と比べると従業員が直接やり取りすることがなく、数回の画面クリックで督促業務が終わるため、負担はほぼありません。2024年5月のサービス開始から半年間で1500を超える飲食店様にご利用いただいています」

実績と顧客満足度向上への取り組み

請求できるくん』での請求連絡事には、次回来店時に使えるクーポンを添付する機能もあり、キャンセルした利用者との関係性を維持することもできる。

安井「渋谷のある焼き鳥店では、ひと月に18件のキャンセル料請求を行い、12件の回収に成功しました。現場の担当者からは、キャンセル料金の回収を諦めていたが『請求できるくん』を使って12件で10万円ほど回収できたという嬉しい報告もいただきました。

このツールを開発するきっかけとなったのは、私が飲食店の現場でアルバイトとして入った際、店側が直面する予約キャンセルの課題や負担を目の当たりにした体験からでした。予約キャンセルが発生すると、飲食店側には心理的、時間的な負担がかかるうえ、お客様からのキャンセル料金の回収は非常に困難です。こうした状況では、飲食店側が損をするだけでなく、お客様もキャンセルに対する責任感が薄れて関係性に悪影響が出てしまうと感じています。飲食店側が不公平な状況に置かれている現状を、『請求できるくん』のようなツールで安心して予約を受けられるように変えたいと思っています。

私たちが目指すのは、飲食店が損失を出さず、お客様と公平で持続可能な関係を築ける環境を整えることです。予約キャンセル料金の請求・回収ツールの提供を通じ、飲食店が利益を守りつつ、消費者側もキャンセルに対する理解と責任を持てるようにしていきたいのです」

株式会社AccordX

所在地:東京都港区六本木 4-2-45 髙會堂ビル2階
設立: 2017年10月30日
代表者:代表取締役 CEO 安井 一男
企業ホームページ:https://accordx.co.jp/

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