ベテラン4名で支えていたFAX受注。1名の退職で直面した“属人化”の壁
【Q】導入前のFAX受注作業には、どのような課題がありましたか。

システム管理室 担当者(以下同):
以前は受注チームに4名の経験豊富なベテランがおり、長年の経験と人力で日々の業務を回していました。しかし、1名が退職することになり、新たに同様の経験をもつ人員を容易に雇用できる状況でもないという深刻な危機に直面しました。
当時は午前9時から受注作業を始めても、注文件数が多い日は入力完了が15時頃になるという過酷な状況でした。クラウドでFAXを受信する仕組み自体は導入していましたが、結局はすべて紙に印刷し、それを見ながら基幹システムに手打ちしていたのです。紙に印刷された内容を瞬時に判断し、各担当者専用のトレイに仕分けるという職人技から抜け出せずにいました。
5社を比較検討。決め手は“機能”ではなく“寄り添うサポート体制”
【Q】課題解決に向けて、どのようにシステムを選定されたのですか。
最初はアウトソーシングも検討しましたが、当社の注文件数ではかなりのコストがかかるため見送りました。その後、パッケージシステムなど5社ほどを比較検討しています。
他社の多くは、できる機能と金額を提示し「あとは保守サポートへ」というスタンスでしたが、インフォマートは「こう解決できます」と当社の実業務に寄り添った提案をしてくれました。当社の現場では問い合わせへの迅速な対応を求められるため、システム導入から運用定着まで一緒に壁を乗り越えてくれる伴走型の手厚いサポート体制が最大の決め手になりました。
研修2日で現場へ。暗黙知をAIに学習させ、誰でもできる業務へ標準化
【Q】システムの導入によって、現場の業務はどのように変わりましたか。
最大の成果は、業務の属人化が解消されたことです。AI-OCRを社内で“あいこちゃん”と呼んで定着させているのですが、これまではベテランの頭の中にしかなかったお取引先様ごとの特殊なレイアウトや略語の意味といった暗黙知を、すべて“あいこちゃん”の設定やAIプロンプトに学習させました。
これによって、人間が読み解くのではなくAIが翻訳してくれるようになり、今ではアルバイトでは難しくても、社員であれば研修2日程度で現場に入って運用を回せるレベルにまで標準化されました。現在は専任3名と兼務1名の4名体制ですが、新しくチームに加わった者でも受注業務に入りやすい環境を作ることができています。
見事な“ツールの使い分け”。お取引先様の利便性を守りながら、裏側の業務を劇的に効率化
【Q】取引先の傾向に合わせた見事なツールの使い分けをされていますが、具体的にどのように最適化されているのでしょうか。今後の展望とあわせてお聞かせください。
お取引先様側の負担にならないよう、傾向や規模を見極めてツールを切り分けています。量販店様向けのEDIはRPAを活用して自動でデータを取り込み、納品先が複数あるような複雑な卸売業者様からの大量のFAX発注は『発注書AI-OCR(invox)』で処理しています。
一方で、商品数が限られる個人飲食店様など小規模なお取引先様には、スマホやLINEから簡単に発注できる『TANOMU』へ徐々に移行していただいています。今後は『TANOMU』による比較的容易な処理を、兼務の担当者にもどんどん任せていく予定です。

今回の取り組みで実感したのは、すべてのお取引先様に明日からWeb発注に切り替えてくださいとお願いするのは、お取引先様へのご負担になってしまうということです。
だからこそ、お取引先様には今まで通りFAX等で発注していただき、相手のやり方を尊重したまま、裏側にある自社のアナログ作業(属人化や手入力)だけをデジタルで解消する道を選びました。この絶妙な使い分けによるアプローチこそが、お取引先様の利便性を守りながら、安定した受注体制を維持するための最善の形であると強く感じています。
リードオフジャパン株式会社
本社所在地:東京都港区南青山7-1-5 コラム南青山2F
設立:1985年8月2日
公式HP:http://www.lead-off-japan.co.jp/











