沖縄市コザでドイツ製法のハム・ソーセージ専門店「TESIO」を運営
【Q】お店と商品の特徴をお教えください。

営業企画・人事総務・経理担当(以下、事務担当):当社は沖縄市コザでドイツ伝統製法のハム・ソーセージ専門店「TESIO(テシオ)」を運営しており、2026年で開業10年目を迎えました。店内ではガラス越しに職人がお肉を捌き、加工・販売するまでのすべての工程をお客様に見える形で行っています。
代表の嶺井大地をはじめ、製造に携わる職人全員が3年に1度開催される国際コンテスト「IFFA(ドイツ食肉協会が主催する食肉加工品の国際見本市およびコンテスト)」金賞を受賞しました。

主原料の豚肉は沖縄県内の養豚農家様から1頭丸ごと仕入れており、可食部はハム・ソーセージへ、骨や皮も犬用フードに加工して活用するなど、命を無駄にしない取り組みを大切にしています。
商品の販売経路は、店頭やネットショップ、ふるさと納税、都市部百貨店での催事など多岐にわたります。また、東京を中心としたカフェやベーカリーなどの飲食店、ホテルなど、全国約120社の取引先へ業務用としても提供しています。ありがたいことに、メディア露出や評判の広がりにより広告費を一切かけることなくお取引先が年々増えている状況です。
【Q】ドイツ製法の特徴をお教えください。

代表 嶺井 大地 氏(以下、嶺井代表):ドイツ製法の特徴は、赤身と脂身を、氷で温度調整しながら高速撹拌して乳化させお肉のクリームを作ることです。このクリームに粗挽き肉を混ぜ合わせることで、ジューシーで食感の良いソーセージに仕上がります。専用の機器を用いるため設備投資が大きく、県内でも導入しているお店は少ないですね。
業務用の商品では取引先様のご要望に合わせ、ソーセージの長さや太さなどの規格を個別に加工して納品しています。
約120社の注文処理と個別加工への対応で連日の残業が発生
【Q】取引先が増加する中で個別の加工対応はたいへんですね。

事務担当:商品数が600品にのぼり、受注する際の品種や規格の確認が極めて複雑化していました。さらに受付窓口が電話、メール、SNS、個人宛のLINEなどばらばらで、受注の管理が大きな負担となっていたのです。
注文が入るたびに紙のメモ帳へ手書きして、その後経理ソフトへ再入力して納品書を作成していました。3名のスタッフが受注を担当していますが、日中は店頭での接客やソーセージのパック詰めに追われています。そのため、受注の入力作業や確認、発送業務は17時の閉店後に行わざるを得ず、連日20時や21時までの残業が常態化していました。
そこまで時間をかけて確認作業を何度やっても、商品や数量の間違いといった人為的な手配ミスを完全に防ぐことができなかったのです。
【Q】受注の課題にはどのような対策をとったのですか?

事務担当:複雑な機能を持たず、受発注処理に特化したシンプルなツールの導入を検討しました。多機能なシステムはスタッフが操作を間違えたり混乱したりする懸念があったためです。そんな折、取引銀行のビジネスマッチングにより受発注システム『TANOMU』の紹介を受けました。
注文ごとに受注処理済み・未処理、伝票発行済み・未発行と一目で分かる画面構造を見て、現場の負荷を直接軽減できると直感しました。受注によるスタッフの残業をなくしたいという強い思いがあり、提案を受けてその場で導入を決断した経緯があります。

受注一覧画面(イメージ)
当社では、すでにホテルなどの大型取引先様とは『BtoBプラットフォーム 受発注』を利用して取引していましたが、『TANOMU』は個人飲食店様との取引に適した分かりやすい操作性を備えています。そのため、既存の受発注システムと併用して新たに導入を進めても運用上の混乱や手間が増えることはありませんでした。
【Q】初期設定や取引先への案内は円滑に進みましたか。
事務担当:600件に及ぶ個別規格の商品登録や、取引先様ごとに日常的に注文する商品を割り振る「いつもの」注文画面の設定は、スタッフ全員で手分けして作業を行いました。
取引先様への発注方法の切り替えをご案内する際は、登録用のQRコードを記載した案内用紙を出荷商品に同封して送付する方法をとっています。
取引先の飲食店様もスマートフォンやLINEを用いた操作に慣れていらっしゃったため、登録や発注方法に関する問い合わせを受けることは1件もありませんでした。以前は注文を受けるたびに「注文を承りました」「出荷しました」というメールを個別に送信していましたが、システム上で完結するためそうしたやり取りも不要となっています。
受注窓口の8割を一本化。PC作業時間を半減させ受注による残業を解消
【Q】導入によってどのような成果が得られましたか。
事務担当:全注文の8割が『TANOMU』へ集約されたことで、電話を受けながらのメモや経理ソフトへの転記作業、二重確認の手間が一気に削減できました。
以前は商品を出荷する際に商品カタログを同封していましたが、現在は『TANOMU』の画面に商品を一覧掲載できるので、同封作業もありません。パソコンに向かって作業する時間が従来の半分に短縮され、作業量は100から5になった感覚です。
かつては20時や21時までかかっていた受注・出荷業務が19時前には完了するようになり、残業時間が大きく減りました。聞き間違いによる誤手配や誤出荷が解消された点も大きな成果です。

販促メッセージ画面(イメージ)
また、システム内のメッセージ機能を活用し、春夏秋冬のシーズンごとに展開する季節限定商品の情報を一括配信する運用を始めました。案内配信後すぐに注文が入る流れが確立され、販促ツールとしても高い効果を上げています。取引先様が注文時の備考欄に近況やイベントの話題を書き込んでくださるため、デジタル化を進めた後も従来通りの温かい関係性を維持できている状況です。
嶺井代表:食の業界では人材の確保や管理コストの抑制が重要な経営課題となっています。店舗が忙しくなり受注件数が増加する中、新たな人員の募集をかけても応募はほぼありません。
既存の体制のまま無理なく業務を回せる環境が整ったことは、経営面で非常に大きな価値を持つ結果となりました。現場のスタッフが疲弊することなく、本来の製造や接客に注力できる体制を構築できたことが最大の成果だと捉えています。
受注業務削減で生まれた時間を活用し地域事業者へシステム活用の知見を共有
【Q】今後、受発注基盤を活用してどのような取り組みを進めていきますか。

事務担当:受発注にかかる作業時間を削減できた分、限定商品の企画や取引先様との直接的なコミュニケーションに労力を充てていきたいです。また、沖縄市周辺には受発注システムなどのデジタルツールを活用している事業者がまだ多くありません。誰でも簡単に活用できるという当社の体験に基づき、システムの活用ハードルを下げる発信を行うことで、地域全体の業務効率化に貢献できれば幸いです。
嶺井代表:ものづくりの現場における作業効率化や自動化は、職人がモチベーションを維持しながら長く働き続けるために不可欠な要素です。業務上の無駄を極力減らし、食に携わる仕事の魅力や成果をしっかりと示していける組織づくりを今後も目指してまいります。
株式会社ヒネエル
本社所在地:沖縄県沖縄市中央1丁目10-3-1F
公式HP:https://tesio.okinawa/











