取扱のない品は他社から調達してでも届ける。飲食店に寄り添う大輝の流儀
【Q】貴社の事業内容について教えてください。

担当者(以下同):メインは青果の卸売ですが、単に野菜を届けるだけではありません。お取引先様である飲食店さんの要望があれば、当社のラインナップにないものでも用意します。もちろん、スーパーで買ってきたものですよと正直にお伝えした上でのことですが、できるだけお取引先様に寄り添いたいという思いが強いのです。
お届けする際も、信頼している運送会社さんに市場からの荷物の引き上げや野菜の袋詰めまで手伝ってもらうなど、フラットで深い協力体制を築いています。
「赤ペンは映らない」「送信取消で注文が消える」アナログ受注が招いた現場の混乱
【Q】受注業務ではどのような課題があったのでしょうか?
1日の注文件数はだいたい100件前後ですが、以前はその半分がFAX、残りがLINEや受発注システムでした。特に月曜日の朝は最悪でしたね。日曜が休みなので、溜まったFAXの山を見るのが本当に嫌でした。
FAX注文で特に困るのは判読不能なケースです。例えば、お取引先様が赤ペンで注文を書くと、FAXの特性で真っ白になって何も映りません。当社では何枚届いたか、どこから届いたかも分からない。他にも、4枚送ったと言われても、受信機の調子で1枚目の上半分だけ出てきて残りは真っ白なんてことも日常茶飯事でした。
【Q】LINEでの受注についてはいかがでしたか。
LINEも便利ですが、課題は多かったです。グループLINEで受注をしていますが、お取引先様が間違えて社員個別のLINEに送ってくると見落としが発生します。さらに厄介なのが送信取消機能です。一度来た注文をシステムに手打ちした後に、いつの間にか内容が変更されたり取り消されたりしていて、納品時に数が違うと指摘されることがありました。
【Q】納品ロットの判別も難しかったとお聞きしました。
例えばエリンギ一つとっても、パック入りもあれば、バラの袋詰めもあります。お取引先様はいつも使っているものをエリンギと書くだけですが、ピッキング担当は納品形態や数量が分かりません。こういった暗黙の了解をすべて私が頭に入れて、文字から読み解いて指示を出していたので、負担が相当大きかったのです。
IT導入のきっかけは取引先からの案内
【Q】受発注システムを知ったきっかけは何でしょうか?
当社が炭を仕入れている取引先が受発注システム『TANOMU』を導入したのです。そこから「今後の注文は『TANOMU』に切り替えてください」という案内をもらったのがきっかけでした。以前から当社も受注の方法を何とかしたいと社長とも話していたので、すぐに資料請求をしました。そこからは早かったですね。すぐに導入を決めました。
【Q】導入の決め手は何だったのですか?
シンプルにLINE感覚で使えるという点です。飲食店の方々はLINEの使用頻度が高いですし、新しく難しいアプリを入れる必要がありません。実は私自身、プライベートでSNSも一切やらないようなアナログ人間なのです。そんな私でも、これなら直感的に使えるなと感じたのが大きかったですね。
毎日30分の集計作業を削減。他の作業に専念できる環境に
【Q】受発注システムを導入して、受注の割合はどう変わりましたか?
劇的に変わりましたね。現在は全体の約9割が『TANOMU』を含むデジタル受注です。FAXはもう数件、どうしても変えられないという取引先様だけです。
【Q】具体的な導入効果として、どのようなメリットを感じていますか。
まずは集計ミスの減少です。以前はFAXやLINEの内容を一つずつ書き写して集計していましたが、今は『TANOMU』から一発でデータが出せます。私一人で集計作業を行っていましたが、これだけで毎日30分は短縮できていますね。
この効果はめちゃくちゃ大きいです。この業界は5分、10分の差で市場にある商材がなくなってしまうこともありますから。特に気温に左右されやすい穂紫蘇や小菊などの飾り物は、早く動かないと取り合いになります。浮いた時間でより確実に良い品物を確保できるようになったのは、数字以上の価値があります。
他にも、発注締め時間を設定できるのが助かっています。以前は口頭で3時までと言っても、5時過ぎに注文が来ることがザラでした。でも『TANOMU』なら締め時間を過ぎると翌日の納品日として発注されます。システムで制御されることで、お取引先様側にも「この時間までに送らないと届かない」という意識が根付きました。たまに遅れる場合も、必ず事前に連絡をいただけるようになり、イレギュラー対応の手間も激減しました。
誤発注を防ぐ「単位換算」の仕組み。納品書作成の手間も大幅に解消
【Q】特に便利な機能はありますか?
『TANOMU』の納品書機能では、お取引先様の「注文単位」とこちらの「売上(請求)単位」が一致していないと、エラーになり納品書が発行できない機能があります。これにより、単位の直し忘れによる請求ミスを未然に防ぐことができます 青果卸では、不定貫の商品を扱うことが多いのでこの機能には助けられています。
【Q】事務作業の面で変化はありましたか?
納品書の発行や確認作業が非常にスムーズになりました。以前はどの納品書を印刷したか混乱して二重に出してしまうこともありましたが、『TANOMU』は「未対応」「発行済」などの対応状況を管理できるので、二重印刷のミスがありません。
また、過去の商品単価を調べたい時も、納品書の画面を何度も切り替えることなく、発注書の一覧から店舗名で検索すれば同じ画面内に詳細が出ます。詳細確認が楽にできる小回りの良さは、現場の人間にとって本当に使い勝手が良いですね。
【Q】飲食店の方々の反応はいかがでしたか?
拒絶感は全くありませんでした。むしろ、他の仕入れ先でも『TANOMU』を使っているから楽に注文できる、とお喜びいただいたお取引先様もいました。他社の食材の発注もデジタル化が進んでいるので、抵抗なく受け入れてもらえたようです。
愛知の「身内を大事にする文化」をITで支え、さらにお取引先様を楽にしたい
【Q】今後、どのように活用を広げていきたいとお考えですか?
この愛知、名古屋エリアは身内や横のつながりを非常に大事にする地域です。一度懐に入って信頼関係を築けば、口コミでどんどん広がっていきます。私たち卸側も、ITを使ってどんどん楽になればいいと思っています。それが結果的に、お取引先様へのサービス向上につながりますから。
これからは野菜だけでなく、もっと幅広い商材を扱って、お取引先様が複数の業者に発注する手間を減らしてあげたい。大輝に頼めば全部揃う、しかもスーパー以上の品質のものが届く。そんな安心感を提供し続けたいです。当社は商品の選別に厳しく、市場の人に嫌がられるほどこだわっています。そのこだわりを支えるためにも、ITという武器を使って、より一層お取引先様に寄り添った卸売を目指していきたいですね。
株式会社大輝
本社所在地:愛知県名古屋市中川区尾頭橋2-11-2
設立:2014年6月
代表者:熊谷 祐一
企業公式HP:https://daikis.jp/











