仕入れ先への発注も電子化。確実で安心な取引が実現
【Q】2017年には卸からメーカーへの発注も電子化されたとうかがっています。
売り手としては電子で受注する便利さを感じていましたが、仕入先への発注はFAXや電話のままでした。実は、業務用の食品卸とメーカー間の取引は、まだまだ電子化されていません。ここも電子化できればと考え、『BtoBプラットフォーム 卸受発注』を導入したんです。
【Q】電子化前はどのような課題がありましたか?
日々20~30社と行う取引は、仕入先ごとに商品名などが入った弊社書式の注文書をFAXするか、電話での発注でした。FAXは先方にちゃんと届いているかわかりませんし、電話だと双方の手元に確実な注文履歴も残らないなど不安がありました。
また、納品書は商品名が略称だったり、注文とは別の名称で書かれていることがあります。たとえば「ヒレ肉」と「テンダーロイン」は同じ部位なのですが、経理担当者に商品知識がないと、同じものだとわかりません。売上や仕入れは、経理担当者が商品名や金額を毎日会計ソフトへ入力しなければいけないので、同じ商品か仕入れ担当に確認する手間が増えるなど、ネックになっていました。
【Q】電子化によってそれらの課題は解決しましたか。
注文履歴が確実に残るため、本当に取引先に注文できているかという不安はなくなりました。発注から納品まで時間がかかる特殊な注文なども、画面上の取引カレンダーを見れば、いつ発注したのかすぐに確認できます。記憶だけだとあいまいになりがちですが、一目でわかるので二重発注も防げます。
商品名についても、仕入先がシステムに登録した商品情報から、発注伝票、発送伝票が作成されるため、伝票ごとに異なるということがありません。発注は数量や納品日を入れるだけ、経理は金額をチェックするだけと、作業がとても楽になりました。以前は経理担当者が毎日入力していても、伝票の紛失などの理由で請求書の金額とあわないことがありましたが、データ発注なら紛失のリスクもなく、正確な仕入れ金額を把握できます。
スマートフォンから発注できるのも魅力です。弊社は商品を保管する冷蔵倉庫が複数あるので、倉庫ごとに発注商品の一覧を作って管理しています。それぞれの担当者が在庫の状況を見て、スマートフォンから発注でき、便利さを実感しています。
取引の間に立つ卸だからわかる受注・発注双方のメリット
【Q】導入に際して、仕入先の反応はいかがでしたか?
導入コストもかかりますし、すぐに賛同いただくというわけにはいきませんでした。弊社も、もとはお得意先様から言われて『BtoBプラットフォーム』を導入した立場ですから、その気持ちはわかります。でもデータ受注のメリットをすでに十分感じていたので、システム化で我々発注側だけでなく、受注側であるメーカー様にとっても、便利になるんだ、とお伝えしていきました。その甲斐あってご理解をいただけ、今は仕入れに関しては主要な取引先とは、ほぼ電子で取引しています。
【Q】今後、取り組んでいきたいことなどあれば教えてください。
食肉業界はどちらかというとまだIT化が進んでいませんが、今後は時代にあわせたデータ管理が求められていくでしょう。これからも、お取引先に電子化のメリットをお伝えして、その便利さを広げていきたいです。
株式会社オザワ食肉センター
設立:1991年11月 事業内容:食肉の卸販売
代表者:代表取締役社長 小澤 清志
本社所在地:東京都目黒区目黒本町2-2-4
公式HP:http://ozawa-shokuniku.co.jp/