現場の困りごとを解消する冷凍加工品
極洋の業務用冷凍加工品「だんどり上手」シリーズは、2013年7月から販売を開始。同社ではもともと市場の水産卸業者向けに冷凍切り身などの加工品を製造販売してきたが、新たな販路の開拓に、冷凍品が多く使われている病院や老健(介護老人保健)施設の給食事業に照準を定めた。
「メディカルフーズという限られた用途において、従来の切り身商品を大々的に売ろうとしても効果がありません。『だんどり上手』の商品化にあたって、まずは給食の調理現場で何が求められているのかをリサーチするところから始めました」
極洋が持つ北海道から九州までの7つの支社で、各エリアの営業担当が老健施設や病院などの給食調理の現場を訪問。どんなことに困っているかを地道に聞いて回ったという。
「重視したのは、現場で調理を仕切っている管理栄養士さんとの雑談でした。書面でアンケートをお願いしても、構えられてしまってなかなか本音が伺えません。営業担当が訪問回数を重ねてコミュニケーションの機会を作っていき、栄養士の方との何気ない会話の中から『実は…』という生の声を拾い上げていったのです」