ザクとうふの生みの親が新たに仕掛けた、型破りなF1層向け商品~マスカルポーネのようなナチュラルとうふ(相模屋食料)

卸・メーカー2016.02.13

ザクとうふの生みの親が新たに仕掛けた、型破りなF1層向け商品~マスカルポーネのようなナチュラルとうふ(相模屋食料)

2016.02.13
「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」パック

その着想を得てから鳥越氏は、F1層に関する情報を得るために『東京ランウェイ』や『東京ガールズコレクション』などのファッションショーへ足を運び、女性誌を買い求め、様々な人に会う機会を積極的に作った。そうして生まれたのが「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」である。

「支持されているモデルさんは、ガリガリに痩せているような女性ではなく、むしろ自然体なスタイルが主流でした。そこで“ナチュラル”をキーワードにしました。さらに、私は以前乳業メーカーにおり、ナチュラルチーズを扱っていたのですが、豆腐とチーズってものすごく似通っているんですね。チーズは牛乳を乳酸菌で固めて発酵させます。豆腐は豆乳ににがりを加えて固めていきます。原料が牛乳と豆乳でとても似ている」

そこで、当初はモッツァレラのようなナチュラルとうふを作ろうとしたというが、食べた際の味が、インパクトに欠ける部分があったという。

「モッツァレラは単体ではなく、それを土台としてカプレーゼなどのメニューになって美味しさが引き出されます。『今までの豆腐と全然違うよね』と言ってもらえるには、ティラミスにも使われるマスカルポーネのような、それ自体の味のインパクトが必要でした」

さらに、オリーブオイルをかけてスプーンで食べるという、豆腐の新しいスタイルを打ち出すために、商品には数量限定でオリーブオイルの小袋もつけた。

こうして出来上がった「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」を宣伝するために、同社はF1層の集まるファッションショーにブースを出展した。会場で商品サンプルを配布したところ、なんと1時間の行列ができるほどの反響を得ることになった。

「最初は『なんで豆腐が、ファッションショーに?』という雰囲気でしたが、実際にナチュラルとうふを食べていただくと、『すごい、おいしい!』『おしゃれ!』という反応に変わっていました。豆腐に対するイメージを、いい意味で裏切られたんだと思います」

「外でも食べられる」という豆腐にとっての新境地

「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」のヒットの後、ファッションショーの会場を再び訪れた鳥越氏は、ある光景を目にしたという。

「モデルさんが出てきてランウェイ(せり出したステージ)を歩くのですが、彼女たちが手にペーパーカップのコーヒーを持っていたんです。それは企業のPRでもなんでもなく、ファッションアイテムのひとつなんですね。あの位置に豆腐を持っていきたい、と思いました」

確かに豆腐が食べられるシーンを考えてみると、家庭の食卓か飲食店から外へ出ることはほとんどなかった。

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