コンセプトは「特別な日に食べる干物」
ペッシュールとは、“漁師”の意味をもつフランス語だ。干物の原料である魚は、地元の沼津を中心に静岡県内で獲れたものや養殖された魚を使うことを前提としている。
そして、今までの干物との大きな違いが、生の魚を使い、一度も冷凍しないということだ。
通常の干物は安定供給のため、保存に適した冷凍出荷が基本。冷凍技術が進んでいるとはいえ、一度冷凍した干物を解凍すると、どうしても魚の旨み成分や風味は抜けてしまう。ペッシュールでは、新鮮な魚が本来持っているおいしさを届けたいという思いから、冷凍せずチルドで配送することにした。
さらに、もうひとつの特徴が、「特別な日に食べる」というコンセプトである。誕生日や結婚記念日などのハレの日に、ごはんだけでなく、パンやワインなどにも合わせて楽しんでほしい、という思いで開発されている。そのため、通常の干物では使わないような高級魚を惜しげもなく使用する。
「パン食が増えている時代に合わせて洋風の干物を考え、すべての商品に、トマトや地元産の柑橘類を使ったソースをつけています」
さらに、料理が苦手な人でも手軽に活用してもらえるよう、中骨をすべて取り除き、フライパンで簡単に調理できるようにした。
「そうすれば焼くときに煙が出る問題や、生ゴミ処理の心配もありません。干物をフライパンで焼いて付属のソースをかけるだけなので、まったく料理をしたことがない人でも簡単に作れます。例えば記念日に、ご主人が奥様のために腕をふるう。そんなプレゼントがあってもいいのではと思っています」