卸・メーカー2015.02.16

岩手の乳業メーカーが作った国内初の「ヨーグルトドレッシング」~岩泉ヨーグルト(岩泉乳業)

2015.02.16
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目次

高くても、トクホマークがなくても売れるヨーグルト

「もともと弊社はこだわりの牛乳やヨーグルトを作ってきた地方の小さな乳業会社です」

『岩泉ヨーグルトドレッシング』の開発のきっかけについて質問すると、下道さんからこんなコメントが戻ってきた。ここに人気ドレッシングの誕生に欠かせない重要なキーワードがたくさん隠されている。まずは、ドレッシングの原料にも使われている「ヨーグルト」のコンセプトから詳しく聞いてみよう。

岩手県の小さな山間の町に建つ本社工場

「大手の乳業メーカーさんがヨーグルトを作る場合、1時間あたりの製造量、もしくは1日に何個生産できるかという効率を優先するのが当たり前だと思います。しかし、うちは大量に生産して大量にさばくという土俵には上がらずに、地元のフレッシュな牛乳を使ってきちんとしたコンセプトを持った商品を作ることにこだわりました」

一般的なヨーグルトの製法では、ヨーグルト菌を入れた牛乳を室温45℃前後の発酵庫に入れ、4~5時間の発酵で製品化していく。凝固スピードを上げるために、食品添加物を入れることもあるという。しかし岩泉乳業では、33℃から35℃の室温でゆっくりと時間をかけながら純粋にヨーグルト菌の力でヨーグルトになるのを待つ、低温長時間発酵製法をとっている。

「発酵時間は加糖タイプで18時間、無糖タイプのプレーンで20時間かけています。出来上がりの大きな違いは、モッチリとした食感とクリームチーズのような濃厚な味わいです。しっかりと発酵させることでヨーグルト菌の数も多くなり、自主検査の結果では日本の基準の100倍以上の数値が確認されています」

『岩泉ヨーグルト』

丸2日間かけて作られる『岩泉ヨーグルト』を食べた消費者からは、「食べた瞬間、違いがわかる」といった声や「長いこと悩まされた便秘症が良くなった」「花粉症が改善された」という声も寄せられているという。

しかし、原料にこだわり手間ひまかけて作った商品は、どうしても売価が高くなってしまう。かといって、小さな会社にとっては、厚生労働省に分厚い資料を提出してトクホ(特定保健用食品)のマークを取得するのも難しい。「どう差別化していけばいいのか」。この課題を解決するために行ったのが、モンドセレクションへの出品だ。

「日本のヨーグルトで国際基準に合ったヨーグルトはほとんどありません。しかし、うちのヨーグルトはきちんと作っていますから、国際基準も満たしています。そこで、“国際的な食品オリンピック”と言われるモンドセレクションに出品し、食べるヨーグルトも飲むヨーグルトも金賞を頂くことができました」

実はこの受賞が、ドレッシングの誕生のきっかけになるのである。

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