飲食業界のスペシャリストが集結した『TEAM G』とは?
「『TEAM G』設立のきっかけは、窪田知香さん(株式会社エヌイーオー企画 常務取締役)の「様々な課題を抱える飲食店は、その解決のためにどこに相談すればいいのかさえわからない。一箇所に相談したら、すべて解決できる場所がないものでしょうか」という言葉でした。これを外食産業新聞社の代表・川端崇資さんに話したところ、「それは必要だね」と賛意を得て、そこから話が広がっていきました」
飲食業界全体の未来のため、自分の経験や知識を役立てたいという想いを持つ当事者はたくさんいる。川端氏・窪田氏らの呼びかけに賛同し、結成されたのが『TEAM G』だ。
「まず取材経験豊富な川端さんは、人と人を繋ぐオーガナイザーです。私は飲食業専門の経営セミナーや店長研修など15,000回ほど開催してきたほか、生産性向上など様々な課題に関して長く相談を受けていた関係で、各種の事例を多く知っています。
窪田さんは営業活動やチーム作りを専門としてきましたし、接客や教育分野に強い遠山啓之さん(株式会社LEAD LIVE COMPANY 取締役副社長)、飲食店のデザインマニアともいうべき加藤 小百合さん(MONOKOTO代表)、メニューデザインなら谷口 泰崇さん(SAKIAJI 代表)、SNSやWEBの情報発信に強い東 洋一郎さん(W.A.T company 代表取締役)と、各分野からそうそうたるメンバーが集まっています」
飲食業界の3つの課題~売上構造・原価高騰・人材不足
自身も『コース料理とワインのお店UNE(アン)』の経営者であり、長らく大手グルメサイトや飲食コンサルタントを通じて業界に携わる荒井氏は、いまの飲食業界で敢えてあげるなら3つの課題があると分析している。
「主に3つが挙げられます。まず売上構造の問題。コロナ禍でデリバリーやテイクアウトが増え、今や外食の形態は多様化しています。そうなると、当然飲食店の売上構造も変わってきます。
あわせて原価高騰も大きな課題です。国際情勢の変化によって、世界的なものの動き方が根本的に変化を余儀なくされています。旧来のビジネスモデルから新たな業態、ビジネスモデルを早急に模索する必要が出てきています。
そして人材不足も深刻な課題で、これには人手が集まらないことと、その裏に潜む離職率が高いという2つの側面があります。採用・雇用方法の工夫はもちろんですが、離職率の問題は人材教育へ力を入れていかなくてはならないのです」
『TEAM G』での課題解決への取り組み
こうした3つの課題に『TEAM G』はどう対処していくのか。
「売上構造や原価高騰の問題については、チーム内の専門家たちによりコンサル体制が整っています。
『一億総インフルエンサー』と呼ばれる時代に、消費者は1店舗より複数店舗を回ってSNSで情報発信しています。そのなかで紹介したいと思わせる店作りが必要になります。
我々『TEAM G』では、SNSだけでなくケースごとに、店のブランディングやメニュー開発、または仕入れルートまで相談できる環境を用意しています」
場合によっては飲食店の外観や内装の設計・施行まで相談できるという。「おそらく対応できない問題はない」と荒井氏が語るその自信は、飲食業界のスペシャリストが集結しており専門家の層の厚いところにある。
『飲食店売上UP塾』と『店長研修』の取り組み
『TEAM G』では、大きく分けて2つのコンテンツを提供して、課題解決へと導いているという。そのうちの1つである『飲食店売上UP塾』は、飲食店のマーケティングについて「今やるべきこと」を全6回に分け、順序立ててレクチャーする研修だ。
「『飲食店売上UP塾』は単なる座学ではありません。ワーク形式で実際に参加した店舗の情報整理をしながら6回の研修を通じて、実際に売上を伸ばす方法を経験していきます。売上数字を見ながら、ブランディングやSNS・WEBの対策、看板、メニューブック、接客トークなどを実際に手がけてもらいます。
まだ一期生が卒業したばかりですが、成果はこれから出てくると思います。短い期間でありながらも現場で失敗や成功の経験を積めるのですから、より実践的な研修になっています」
そしてもう1つの『売れる店長になる「やる気スイッチ」を入れる研修』では、荒井氏も講師の一翼を担っている。
「こちらは1回完結型の店長の育成を目的とした研修です。人材不足、とくに離職率の高さの問題は店長の資質に大きく関わっています。ある店では、若い店長からパートさんに向けて、コミュニケーションの一環として業務に関係のない話ばかりしていたというケースがありました。これは明らかに間違ったコミュニケーションで、どうしたらお店をよくできるかを話し合うことのほうが大切です」
しかし「それも仕方がない」と荒井氏はいう。大企業ならまだしも、飲食店の店長の多くは、マネジメントなどの研修を受けることなく店を任されるケースが少なくないからだ。
「最初に出会った店長次第で、飲食に興味をなくすスタッフもいれば、飲食業界で働きたいと人生感を変えるスタッフもいます。正しいコミュニケーションの方法を伝え、接客の楽しさを、理論を交えて学んでいただく。それがこの研修の目的です」
店長の成長は数字には表れにくいが、研修の手応えはどうなのだろう。
「業務に関係ない話ばかりしていた店長は研修が終わった際に、『今までの自分がいかに恥ずかしい店長だったかわかりました』と話されていました。店長研修は、ほかでは体験しにくいだけに、参加者はいずれも新しい学びと驚きを感じる人が多いです」
『TEAM G』の見据える飲食業界の未来
やがては中小から大企業まで、飲食事業者が企業単位で研修を受けられる環境を作っていきたいとも荒井氏は語った。
「どんな規模の企業、店舗であっても幅広く対処していくつもりですし、それが可能だと思っています。唯一望むのは、5年後10年後を見据えて、どういう店舗でありたいかを考えている経営者や事業者とはぜひ一緒に取り組み、店舗運営の隅々に至るまでお手伝いしていきたいと思っています。
私は食に関わる職業を『食業』と呼んでいます。食業をもっと輝くビジネスにしたいのです。そしてお客様を見据えた正しいコミュニケーションが交わされる輝ける職場であることを望んでいます。
日本の飲食業は、もっと世界に輝いていくべきです。高い技術力、飽くなき味の追求、業態の多様性。世界中の飲食業者が学ぶべき飲食の形が、日本の飲食業界にはある。世界中にそう思わせたいと、私は考えています」
いまは閉塞気味である国内の飲食業が世界を見据えた視野をもつことは、現状打破に繋がる1つの方法であることは間違いなさそうだ。『TEAM G』の活躍から目が離せない。
TEAM G |
外食産業・飲食店のプロフェッショナルとして活躍しているコンサルティング集団。ブランディング・デザイン・人材・接客など、企業規模や成長ステージに応じた多角的な悩みを解決し、効果を上げている。 『飲食店売上UP塾』、『売れる店長になる「やる気スイッチ」を入れる研修』といった研修コンテンツを実施。 TEAM G ホームページ:https://www.pro-team-g.com/ 『飲食店売上UP塾』のお申込みはこちら |
オーガナイザー 外食LOVER | 女性が輝く職場作りの専門家 |
サービスオタク | デザインマニア |
売上・利益整体師 | SNSクリエイター |
荒井 静雄
TEAM G 社内研修のプロフェッショナル
株式会社ケーススタディ 代表取締役
ぐるなび大学にて、年間3,000回のセミナーを5年間監修。株式会社ビーワンフードでは飲食店専門の財務コンサルタントとして、飲食店の開業・廃業・M&A・キャッシュフロー改善・事業再生・金融機関交渉など、経営の根幹となる財務部門を担当。
現在は、食に関わるビジネスに携わる方向けにセミナー、研修、コンサルティングを実施し、飲食業界の課題にソリューションを提供する。
https://casestudy-inc.com/