肉業態「格之進」の生産者と消費者をつなぐ事業モデルで、向かうところ敵なし~門崎・千葉祐士社長

飲食・宿泊2019.07.16

肉業態「格之進」の生産者と消費者をつなぐ事業モデルで、向かうところ敵なし~門崎・千葉祐士社長

2019.07.16

具体的には、格之進というブランドで飲食店のブランディングをする。店舗で最高の体験をしていただき、その体験をご家庭でもしていただくために、オンラインでも肉を買っていただく。

オンラインで販売しているハンバーグは、店舗の商品と肉質も材料も全て同じものです。中身を変えて売れば利益は増えるかもしれませんが、それをしたらブランド力が崩れるから意味がない。安売りしないためにも、商売の奥にある哲学や背景、生産者を支えているという思想が重要になるのです。

レストランが生産地を支えるコミュニティを創る

【Q】利益を生産者に還元するという六次産業化の企業理念ともつながっていますね

そうです。今日本でも広まりつつある”CSA” ってご存知ですか? ”Community Supported Agriculture” の略で、地域が農業を支えるというモデルです。アメリカではもう始まっていて、日本でもこれから増えていきます。

その1つの例がクラウドファンディングです。たとえば牧場で牛を飼うとして、この牛が3年後に食肉にできあがったら、皆さんに金額に応じてお配りしますよ、だから出資してくださいという形で出資を募るイメージです。そのようなコミュニティが、これからは増えていきます。

その先に私は「”R” CSA」=”Restaurant Community Supported Agriculture” があると思っています。つまり格之進に来てくれているお客様が、農業を支援しますよっていう形になっていく。私は、食べている人たちが格之進というレストランを通じて、一関に関わる”RCSA” という状況を作りたいのです。

ブームが、エビデンスを得て文化になっていく

【Q】経営者として常に意識されていることはなんでしょうか

食を通じて、イノベーションを起こすことを常に考えています。イノベーションを起こすとブームになるんですよ。そのブームになったものを、いかに文化にしていくか。ブームから文化へと変化させる際に、重要なのはエビデンス(証拠・根拠、証言)です。

だから、どんな第三者がエビデンスを言ったら皆が信用、また共感してくれるのかを考えて、そういう場を作っています。なぜこれが美味しいのかということを、ロジカルに伝えることが大切です。

例えば研究者やお医者さんから、こういう理論で美味しいんだと言われると多くの方が納得するでしょう。文化を作るためにエビデンスを作るのです。そういう狙いがあって、いまは脳科学者ともコラボしたりしているんですよ。

【Q】それが格之進さんの強みですね

熟成肉の脂とウニの食感のコラボ。肉巻雲丹軍艦

常にブランド自身を進化させていかないといけない。

そうして自ら新しい事業領域を作れれば、好きなように値段をつけられますからね。すでにあったところへ乗り込む「一番乗り」ではなく、そもそもの領域を新しく創りたいのです。私たちはフィールドを創っている。パイオニアになれば、競争は関係なくなります。

そういうことをずっと実践し、パイオニアとしてイノベーションを起こしてきた。実は、今も仕込んでいます。半年から1年くらいはかかるかな。小売や他の飲食店など、他業種さんとも「競争」ではなく、共に創る方の「共創」を数多く実施してきましたし、今後も計画しています。

争うのではなく、共に作る「共創」なら良いでしょう。全く違う分野の人と共に創っていくんです。これからもどんどん、展開していきますよ。


BtoBプラットフォーム受発注

株式会社 門崎(Kanzaki Inc.)

本社所在地 岩手県一関市川崎町門崎字宮畑5番地
事業内容:牛肉販売、飲食事業、飲食店運営サポート事業、牛肉の啓蒙活動
公式HP:https://kakunosh.in/

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