客単価20%アップ。それでも喜ばれる焼肉店~将泰庵(トッペミート)

飲食・宿泊2019.02.08

客単価20%アップ。それでも喜ばれる焼肉店~将泰庵(トッペミート)

2019.02.08

従業員の働きやすさは、顧客満足度も高める

木原氏は開業時から原価率40%、FLコスト60%を保つことを意識してきたという。だが、高級業態の将泰庵は、肉は客自身が焼くのではなく、スタッフが目の前で焼くスタイルが基本だ。人件費を意識しながら、サービスの質を保つことは可能なのだろうか。

「FLを意識して人手を減らすと、ひとりの従業員に負担がかかってしまいます。そうしない工夫とは、一言でいえば、生産性をあげることです。生産性は、従業員の負担を軽くする環境を整えることで高めることができます。

弊社は有給休暇消化率100%、月9日の休みを実現させるといった福利厚生を充実させ、働きやすい環境づくりに取り組み続けています。その結果、従業員の募集をかければ応募もありますし、離職率も低いうえ、従業員の紹介で新たな人材が来てくれたりと、良い循環がうまれています」

従業員満足度(ES)を高めることが、顧客満足度(CS)の向上にもつながるという考え方は、近年注目を集めている。将泰庵では働きやすさを求め、作業のシステム化も積極的に進めている。予約にオンラインシステムを導入したり、食材の発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』を使っているのもその一環だという。

「発注をシステム化することで、店長は日々原価を簡単かつ正確に管理できますし、予約もWebサービスに任せることで、店舗運営に集中できます。それがお客様へのサービス向上にもつながると思っています」

全社的な取り組みとして、毎月の会議でシステムから仕入コストなどの数値を算出し、店舗ごとに食材の原価率やFL、売上の一覧を共有し、改善をはかっている。

将泰庵の客単価は、開店当初、高級食材をリーズナブルに味わえる店として、7,000円を想定していた。だが、現在の客単価は9,000円になっている。実際に客が求めていたのは、価格よりも質だった。相応の対価を払ってでも、より上質なものを食べたいというニーズが、想像以上に多かったのだ。

「ニーズにお応えして店の作り込みも半個室を増やして落ち着いた空間にし、器や箸置きひとつにも凝って、より高級感を打ち出しています。本当に価値を感じるもの、満足度が高いものを出していれば、お客様は金額に納得してくださるのだとわかりました」

創業8年で海外進出。新たな業態への拡大も

2019年2月にタイ・バンコクに海外1号店をオープンさせた将泰庵。今後も東南アジアへの進出を続け、海外拠点を増やす展望を描いている。一方、国内でも出店計画は進んでいる。

「インバウンド需要は今後もますます高まるでしょう。グローバル感覚を持つためにも海外出店は続けていきたいです。国内でも、年内2店舗は現在進行中です。出店先のニーズにあわせて、一人焼肉など、少し業態を変えたものになるかもしれません。

ただ、どんな形であっても、原価率とFL比率をしっかり守っていれば、たとえ原価100%メニューを出しても利益は出ます。焼肉業界も低価格や多様な業態で競争が激化していますが、商品の価値に対するお客様の感覚は敏感です。求められるものを見極めながら、ひとつひとつ確実に、繁盛店を作っていきたいですね」


BtoBプラットフォーム受発注

 

肉の匠 将泰庵(株式会社トッペミート)

住所:千葉県船橋市本町3-32-25あいおいニッセイ同和損保ビル7階
電話:047-481-8555
お話:代表取締役木原徹氏
公式HP:http://shoutaian.co.jp/

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