養老乃瀧ブランドを保ちつつ、コスパの限界に挑む居酒屋~一軒め酒場(養老乃瀧株式会社)

飲食・宿泊2018.08.08

養老乃瀧ブランドを保ちつつ、コスパの限界に挑む居酒屋~一軒め酒場(養老乃瀧株式会社)

2018.08.08

養老乃瀧ブランドを保ちつつ、コスパの限界に挑む居酒屋~一軒め酒場(養老乃瀧株式会社)

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一般に、薄利多売の形式は長続きしないと言われているが、安さ、早さ、安心をコンセプトにして人気を集めているのが、「一軒め酒場」だ。大手居酒屋チェーン「養老乃瀧グループ」の新業態として2008年に1号店がオープンして以来、全国で71店舗(2018年7月末現在)を展開している。

“ちょい飲み”用途に特化した店づくりに立ち上げからかかわった養老乃瀧株式会社の店舗運営・開発グループ・営業戦略セクションの執行役員、谷酒匡俊(たにさけまさとし)氏によると、激安を掲げながら、老舗居酒屋グループとしての品質を保ちつづけるために、さまざまな工夫を凝らしているという。繁盛店の秘訣をさぐった。

目次

安さだけではない。売りは品質の良さ

養老乃瀧株式会社 店舗運営・開発グループ
営業戦略セクション執行役員
谷酒匡俊(たにさけまさとし)氏

一軒め酒場は看板に「激安酒場」を掲げ、毎日が激安・品質が自慢とうたっている。フードメニューは、神田旨カツ99円、ちくわ磯辺揚げ190円など、全品390円以下。

ドリンクは、酎ハイ・サワー類は190円から取り揃えられ、生ビールの中ジョッキも390円だ。お通しや席料はなく、平均客単価は1300円~1500円程度だという。

だが、食材はどれも品質を重視し、決して安く仕入れたものを売っているわけではない。

「食の安全を第一優先にするのが養老乃瀧グループ全体の方針です。価格が安いというだけで品質が担保できない食材は使用しません。生ビールも、グループのものと同じ品質で、同じサイズのジョッキでより安く提供しています」

ランクの低い食材を使って原価を下げたり、提供する量を減らしたりして価格を調整すると、お客に「だから安いのか」と感じさせてしまう。安売りがコンセプトであっても、「お客様が損をするような仕組みで店が利益をあげてはならない」という信念が、一軒め酒場にはある。

「おなかいっぱい食べていただいて、それでも安い、そういう店でありたいと考えています。お酒がお好きなお客様ほど、目も舌も敏感で他の居酒屋のこともよくご存知です。安かろう悪かろうは通用しません。しっかりしたものを提供することで、お客様もコストパフォーマンスの良さに魅力を感じてリピーターになってくださるのです」

では、質を保ちながら価格をおさえる工夫はどのようになされているのだろうか。


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