い志井・石井宏治社長~“のれん”が「日本再生酒場」を生み、“三方よし”の精神が多業態を育てた

飲食・宿泊2018.07.03

い志井・石井宏治社長~“のれん”が「日本再生酒場」を生み、“三方よし”の精神が多業態を育てた

2018.07.03

だから、直営店の方は今まで通り芝浦の業者さんから仕入れて、うちが提供するモツはフランチャイズで分けてやりましょうと。このことをキッカケに本格的にい志井のFC展開を考えるようになったのです。

父親への感謝の思いが生んだ人気店

【Q】石井社長にとって、思い入れがあるのはどのお店でしょうか

父への想いが詰まった「日本再生酒場」

やはり「日本再生酒場」でしょうね。「日本再生酒場」を作るきっかけは、2度目の心筋梗塞で倒れた父が亡くなる前に、“感謝の気持ちを伝えたい”という思いからです。

息子というのは父親に対してどれほど尊敬していても、それを直接口にするのは恥ずかしいものです。だったらそれを店で表現しようと。

何かないかと思いついたのは、父が人の家の軒先を借りて始めた店、その原点に立ち返った店をやりたいと思いました。そこでイスもない、メニューもタン、ハツ、カシラ、レバー、ナンコツ、煮込みぐらいしかなかった当時の店をコンセプトに、新宿三丁目にオープンしたのです。

そしてある日、肺気腫を患い、鼻に管を通した状態の父を車に乗せ、「日本再生酒場」の前を通りました。店から人が溢れるそばを通りながら僕は、「親父、見てみなよ。昭和25年に親父がやったのとまったく同じにやったら、いまだにお客さんであふれているよ。やっぱ親父はすごいよな」って。

そしたら、親父が「こうやってお客さんが入っているといいね、お店は」としみじみと言ってくれました。僕なりにやっと父に感謝の気持ちを伝えられたかなと思っています。

いくら売って、何%の利益を残して、これだけ売れたら次はFCで何店舗も展開しようとか。そういうのが僕はものすごく下手です。それでもその店が立ち飲み居酒屋のパイオニアと呼ばれ、結果的に店舗も増えて繁盛店と呼ばれるようになりました。だから僕は、ひとつの感動するエピソードがそれぞれの店にあれば、それだけでも十分売れる店になるのではないかと信じているんです。


株式会社 い志井

住所:182-0016 東京都調布市佐須町1-12-3
電話:042-481-1234
事業内容:もつやき処い志井、やきとり処い志井の運営

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