職人魂はもちろん大切ですが、それだけでたくさんの店舗を経営していくのは厳しいと思いますので、バランス感覚をすごく意識しています。これはラーメンの味についても言えますし、あとは人や仕事に対しても同様だと思いますね。
【Q】株式上場も目指されていますね
買収リスクが発生するので危険だと周りからは言われますが、これはもう「やりたいから」としか言いようがないですね(笑)。株式上場というのは、社長に対しても負荷がかかることが良いところだと思います。社長になると、収入が増えて、イエスマンに囲まれて、気づかないうちに自分勝手になってしまう。上場すれば周りの目を気にするので、自分を律することになりますから。
残業代未払いなどの最近の問題も、労務規約を守るのは当然の話です。むしろそういうものに抵抗するほど、会社は短命になる気がします。上場するということは、すべてのルールを守った証拠になるじゃないですか。それを経て、さらに成長していくのが正しい企業の姿だと思うんです。
【Q】上場に向けて意識していることは?
現在、ラーメン業界で上場している企業は、「幸楽苑」さんや「日高屋」さんなど10社程度です。他社さんと比べるとうちは高価格路線です。ですから味だけでなく、ラーメンが出来上がるまでのストーリーや職人の雰囲気なども含めて、お客さまに伝えていく必要があると思っています。私達が作るラーメンは万人受けよりもエッジが効いていると言うか、専門性の高さを選ばれている部分があるので、価格帯も含め勝負するのはそういうエッセンスが必要だと思っています。
ただ、専門性を高くすると、コアなお客様が支持してくださる反面、女性層の方とかもっとライトなラーメンファンの方が来なくなってしまうので、そこはバランスよくしていきたいですね。
【Q】2016年ロサンゼルスとシンガポールに出店していますが、今後も海外進出を考えていますか?
はい。今後の日本での出店を考えた時に、ラーメン業態の市場規模としてはどう考えても1,000店舗くらいが限界だと思うんです。日本はここ10年近く外食のマーケット規模は変わっていません。新しい店と古い店が入れ替わっているだけです。そういう意味ではラーメン屋の数自体はもう足りてしまっているんですよ。
ただ、海外進出については難しいというか読めないですが、海外ならラーメンを食べたことがない人も多いので、新しいラーメンファンを掘り起こせる可能性はあるかなと。特にアメリカは、市場規模が日本と比べて大きい上に、ラーメン事業の進出がまだ少ないので、今後の伸びしろが大きいと思っています。今後の理想の出店数は「国内1,000店舗、海外1,000店舗」ここまでやり切りたいですね!
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事業内容:ラーメン店の経営&プロデュース「横浜家系ラーメン」「九州釜焚きとんこつばってんラーメン」など
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