企画から、デザイン、製作までをこなすプロフェッショナル
紙袋製作は、デザインはデザイン事務所が、製造はメーカーが、というのが一般的だ。大昭和紙工産業には、紙袋メーカーとしては珍しく「企画デザイン室」という部署がある。企画提案、デザイン、製作までを一元的にこなす「トータルパッケージ」の体制が機能的に働いているメーカーは他には少ない。
「もともと弊社は全国に工場があることが強みでした。つまり、たくさん作れることが強みだったわけです。ところが時代が変わり、それだけでは競争に勝てなくなってきました。そこで、10年ほど前から力を入れて組織作りをしているのが企画デザイン室です。デザインの世界を歩んできた人間を中途採用、そのまま彼を室長にしました」
その後も積極的にデザイナーを採用し、現在では東京と大阪に企画デザイン室を設置している。
「デザインはうまいか下手ではなくて、好きか嫌いか、ではないかと思っています。デザインを選ばれる方は、その方のセンス、直感で選んでいらっしゃるケースが多いのかなと。そこで独りよがりに『我々のデザインはすごいんです。こちらのほうがいいです』というよりも、いろいろな絵を描けるデザイナーをたくさん集め、お客様の選択肢を増やすことが大事なのではと思っています」
また、企画デザイン室の誕生により、提案力が増しただけでなく、さらなる強みを得たという。
「スピード感です。お客様からの、『こんな感じの紙袋が欲しい』というご要望をすぐに形にすることができれば、それはお客様の利益の実現のためにも最適です。そこで、お客様にはとにかくサンプルを見ていただくのが一番だとの考えから、企画デザイン室にはCADをはじめとしたあらゆる設備一式を備えています。ですから、『こんなパッケージできない?』というご要望を朝いただいたら、夕方までにサンプルを持って行くような体制を敷いています。実際、こうした取り組みが新規のお客様の獲得につながっているという実感があります」
大昭和紙工産業の取引先は、大手企業から従業員数名の小さな企業まで、規模が実に幅広い。それはデザインのバリエーションとスピードを兼ね揃えているからこそ実現できる特徴の1つだ。
売上アップにもつながるトータルプロデュース
大昭和紙工産業では、紙袋に限らずパッケージ全般を商品として展開しているが、ボックスティッシュやトイレットペーパーも製造している。しかも、それらは単なるティッシュではなく、齊藤会長の陣頭指揮の下、大昭和紙工産業の個性を打ち出す戦略的な商品となっている。
「最近では、十二単という1万円もするティッシュを作りました。この商品は会社の名前を世に出す起爆剤となりました」
このほか、大昭和紙工産業では袋の上部にワイヤーが糊着され、袋の口を折り返してワイヤーで封ができる「ワイヤー袋」や、紙袋の一部が透明のビニール製の窓になっており、中の商品が見えるようになっている袋など、既存の形に捉われない、バラエティ豊富な紙袋も扱っている。
「紙袋を中心としていますが、これから更にトータルパッケージを押し進めて行きます。箱であったり、その他の包装資材もメーカーとしてのポジションを生かしながら広げていきたいと思っています。そのためにも、企画力とデザイン力をより強化したトータルパッケージによって、お店の広告として集客のお手伝いの一端を担い、さらには売上の向上にも貢献したいと考えています」
トータルプロデュースという思想を得た大昭和紙工産業。今後はさらに外食、中食に向けた提案の幅を広げていきたいという。あっと驚かせる仕掛けやブランディングの強化を実現したい企業は、まずパッケージの見直しから相談してみてはいかがだろう。
大昭和紙工産業株式会社
住所:〒103-0028 東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビル17階
電話:03-3281-5555
事業内容:紙袋および紙加工品の製造ならびに売買、印刷物の製版、印刷および製本ならびに売買、製紙原料、洋紙、板紙および家庭用の売買ほか
公式HP:http://www.daishowasiko.com/
お話:代表取締役会長 齊藤了介様