転機になったのは、3店舗目でシンガポールのオーチャード(シンガポールの銀座とも呼ばれるエリア)のど真ん中にある「オーチャードION」というビルに進出したことですね。「5年後にはこのビルに入れるように頑張ろう」と話をしていたところだったので、まさか進出から3ヵ月でオファーが来るとは思いませんでしたよ。
そうしてオーチャードに出店したことで、世界中からいろんな方が店を見に来てくれて。ジャカルタのオーナーさんやデベロッパーさん、香港のオーナーさんも、みんなシンガポールの店を見てオファーをしてくれました。次は中国の広州への出店が決まっています。これももちろん、街のど真ん中ですよ。
【Q】なぜ「オーチャードION」から、お声がかかったと分析されますか?
オペレーションが良かった、ただそれだけだと思います。オペレーションで一番に言ってるのは、「ネバー・セイ・ノー」っていうサービスのコンセプトです。お客様のわがままはOKだ、と。同じ食材でも臨機応変に対応すれば、自分だけのスペシャリティな料理やサービスになるじゃないですか。アジアのお金持ちの人は、そういうサービスに値段を付けてくれますからね。
あと、一流のビルに出店する際にはふたつのパターンがあって、ひとつは新しいコンセプトでの出店、もう1つがチェーン化です。うちの場合、先方からのオファーを汲み取ると、「ジャパニーズ居酒屋を作りたい」ということでした。その中で、「焼き鳥メインにしてくれ」と言われれば、「いいですよ」って。逆に 「寿司は置いたほうがいいですか?」と聞くと、「ぜひ欲しい」といわれるので、「じゃあ、やりましょう」という感じです。居酒屋って何でも出来るのがいいところじゃないですか。そうやって、海外で日本の居酒屋文化の魅力を伝えていきたいと思っています。
【Q】現在、飲食業の他に、介護施設と学習塾も運営されていますね。他業界も含めた今後の展開をお聞かせください。
会社の中期経営計画を立てるときのコンセプトに「みんながやりたいことをやる」というのがあります。そのなかで、介護や学習塾をやっていますが、展開については、介護は居酒屋とは反対に急いでいます。たくさん出す事に社会的意義を感じますから、頑張って早く出そうと。学習塾は増店よりも増床しようとしています。いまはビルの2階でやってますが、3階が空けばそこも塾にして、集約することで教育の質を落とさずにやろうかなと。
もうすでに起こっていることですが、「炎丸」で働いている子が結婚して子供ができて、しばらくしたら、その子がうちの学習塾に通って。さらに、もうちょっと歳を取ってきて、次は親御さんの介護につながったらいいなと。そういう風にもっと人と色濃くやっていきたいですね。そうなれば、本当にプランズが街に必要とされる存在になるのかなと思います。
株式会社PrunZ
企業所在地:〒124-0024 東京都葛飾区新小岩1-32-4-2F
事業内容:居酒屋、学習塾、介護施設の経営
店舗:国内に「いざかや炎丸」「炎丸酒場」など8店舗、海外にも7店舗。(2014年7月現在)
公式サイト:http://www.prunz.jp