HACCP未対応の飲食店、原因は理解不足と手間。ダスキンが対応アプリを無料提供

PR法令対策2022.10.03

HACCP未対応の飲食店、原因は理解不足と手間。ダスキンが対応アプリを無料提供

2022.10.03

HACCP未対応の飲食店、原因は理解不足と手間。ダスキンが対応アプリを無料提供

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食品衛生法の改正により2021年6月以降「HACCPに沿った衛生管理」が、食品を取り扱うすべての事業者に義務付けられるようになった。飲食店も規模を問わず遵守する必要がある。食中毒を起こさないことはすべての飲食店の望むところだが、実際は多くの店でHACCP制度の対応に二の足を踏んでいる状況だ。

日々の営業で忙しい飲食店にとって、HACCP制度の対応で求められる衛生管理の計画・実施・記録といった作業は容易ではない。HACCP制度対応の無料アプリを提供するダスキンに、「飲食店をはじめとした厨房を持つ事業所」が抱える課題と解決の糸口を伺った。

目次

HACCP制度未対応の飲食店は、半数以上

HACCPの要点は、食中毒の原因となる細菌やウィルス、化学物質などの危害要因を、工程の中でどのように排除していくかをルール化、実行、記録し、衛生管理することにある。完全義務化により、飲食店は当然すぐにでも「計画」「実施」「記録」のサイクルで衛生管理に取り組む必要にかられているはずだ。ところが飲食事業者の出足は遅い。

大阪や広島、鳥取などの自治体と協力して事業者向けに衛生管理講習会を実施してきたダスキンが、完全義務化から10ヶ月後(2022年4月)の時点で実施した飲食店向け「HACCP対応状況実態調査」を見てみよう。

調査対象:飲食店.COM 会員(飲食店経営者、運営者)
回答数:320件
調査期間:2022年4月18日~26日
調査方法:インターネット調査

「まだ取り組んでいないが取り組む予定」「今後も取り組む予定はない」の合計は55.7%となり、過半数がHACCP制度未対応の状況にあることが分かった。また、「取り組んでいる」中でも「計画」「実施」「記録」の3条件を満たしているのは、わずかに21.3%となっている。

未対応の事業者のうち過半数が理由に挙げたのは、「そもそも何をすればよいか、よく分からない」56.7%。次いで「管理に時間と手間をかけることができない」43.3%、「チェックする書類等の記載内容や方法が分からない」40.0%だった(いずれも複数回答)。調査を行った株式会社ダスキンの平良氏は、この結果を受けて飲食事業者の課題を指摘する。

株式会社ダスキン
訪販グループ事業本部
クリーンサービス事業部
ビジネスサービス企画運営室
平良 朋美 氏

平良「HACCP制度に対応できていない飲食店の現場からは、『専門的すぎて難しい』『複雑すぎる』という声が出ています。HACCP対応するうえで、原材料の受け入れから保管、施設や器具の手入れ、従業員の健康管理などの『一般衛生管理』の実施に加えて、メニューの温度帯管理などの『重要管理項目』のチェックもしなければなりません。

さらに一つひとつの衛生管理に複数のチェック項目があることも、現場の人が難しいと感じてしまう原因でしょう。だからこそスムーズな対応のためには、飲食店のスタッフが高いと思っているHACCPのハードルをいかに下げるかが重要だと考えています」

多くの飲食店は日々の営業で手一杯だ。HACCP制度に対応するには、知識や作業を現場が難なく実施できるレベルまで下げる仕組みを導入し、衛生管理を続けていかなくてはならない。

HACCP制度対応実現の鍵は、管理方法を現場レベルまで引き下げること

HACCP制度の知識習得や手間の軽減を支援するツールには、地方の保健所や食品衛生協会などが発行する手引書があるほか、事業者向けのITツールも多数ある。それぞれを比較してメリット・デメリットを把握しよう。

HACCP制度
対応ツール
導入実施・記録保管
手引書(紙)
安価で入手できる

水で破れやすい、
実施確認が困難
×
かさばる
有料のHACCP制度
対応サービス(IT)

初期費用と
毎月の費用が発生

スマホ対応なら
比較的容易

データのため
保管は容易
無料のHACCP制度
対応サービス(IT)

無料のため初期費用と
月額費用は発生しない

スマホ対応なら
比較的容易

データのため
保管は容易

 

多くの事業者がHACCP制度の対応に採用しているのは、ガイドブックや手引書など紙媒体での管理方法だろう。厚生労働省のホームページでも無料で公開されている。飲食店は記録ページを印刷して、日々のチェック内容を記録する流れだ。しかし、複数店舗を展開している場合は全店の実施状況を確認するのは困難で、記録は1年間保管する必要があるため保管場所の確保などの考慮が必要になる。

IT企業などが提供しているHACCP制度対応サービスも多数あるが、サービスによっては導入費用が数万円から数十万円にのぼることもある。コロナ禍で先行きが不透明な飲食店にとって、出費はできるだけ抑えたい。中には無料提供されているITツールもあるので、まずは使い勝手をみてみるのもいいだろう。

『ハイジーン・サポ-ト』画面イメージ

平良「当社でもスマホやタブレットで日々の衛生管理を記録・確認できるHACCP制度対応アプリを無料提供しています。『ハイジーン・サポ-ト』といって、厚生労働省のWEBサイトに掲載されている『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(小規模な一般飲食事業者向け)手引書』に準拠した項目を初期設定で登録しているため、すぐに取り組むことができます。

HACCP制度の知識がなく何から始めればよいか分からないというお悩みが飲食店様にあったので、基本的な管理項目をあらかじめ設定することで解決できると考えました。さらに業態ごとに必要な衛生管理が異なることを考慮して、管理項目の変更・追加機能を備え、お店独自のカスタマイズをできるようにしています」

HACCP対応の無料アプリ「ハイジーン・サポ-ト」の機能

株式会社ダスキン
訪販グループ事業本部
クリーンサービス事業部
ビジネスサービス企画運営室
岡馬 弘一郎 氏

どのような事業者でもHACCP対応をスムーズに進めることができるように、ダスキンのアプリは便利な機能が満載。操作もかんたんなようだ。

岡馬「アプリは責任者だけでなく、スタッフ一人ひとりが使えるので、『厨房』『化粧室』などの管理項目もそれぞれの担当者に任せることができ、分業によるチェックが可能です。確認項目に○や×で答えていくだけなので、入社して間もないスタッフでもかんたんに操作できます。

ほかにも、定時になると通知が来るリマインダー機能や、記録したデータを一覧表示するレポート機能、スマホやパソコンでの出力・印刷機能など、日々の運用で便利にお使いいただける機能を盛り込みました。

もちろん、アプリなのでデータはクラウド上に保存されます。記録の保管場所の心配がいらず、必要なときにいつでも情報を確認できるのも大きなメリットではないでしょうか。そのため、店舗の責任者がいつでもどこからでも、衛生チェックの内容を確認することが可能です」

平良「このさまざまな機能がある便利なアプリをダスキンと未契約の飲食店様も無料でご利用いただけます。衛生管理の商品やサービスを展開している企業として、多くの皆さまのお役に立ちたい、その思いからアプリを無料で提供しています。利用した方が衛生管理の大切さに気づき、衛生に対する理解が深まればうれしい限りです」

アプリの利用者は多くが小規模飲食店。なぜ支持されているのか、その理由は。

ダスキンが提供する無料のHACCP制度対応アプリ「ハイジーン・サポ-ト」は、2020年のリリースから多くの飲食事業者に利用されているという。

平良「アプリのダウンロード数は累計で3万5千件ほどになります。HACCP制度の義務化以降、ご利用いただいている大半は小規模の飲食店様です。アプリに関してたくさんご好評の声をいただいていますが、『記録の保管場所が必要ない』『記録をすぐに確認できる』ことから、データ管理が好評です。特にHACCP制度の対応方法を紙からアプリに切り替えた利用者様からは、高い評価をいただいています」

岡馬「ご利用者様の声で意外だったのは、人材の育成に繋がったという評価をいただいたことですね。アプリにはその日の衛生管理の点数を表示する機能があります。課題をクリアできれば100点がつくこともあり、これがスタッフのモチベーションになっているようです。『昨日は×が多かったから今日は徹底的にやろう』というような会話が生まれ、スタッフが自主的に衛生管理を実施するようになったお店も。

中には『項目を見ているだけでスタッフの衛生管理に対する意識が高まる』という声もいただきました。宿題と同じで、せっかく努力しても、それを評価してあげないとやる気に繋がりません。だからこの機能を付けたのですが、多くの反響をいただいて驚いています。

さらにアプリには衛生やお掃除のノウハウが満載の『衛生大事典』という情報コンテンツがあります。これは日々衛生管理を実施していく中で、スタッフでは解決できないお困りごとが出てきたときにとても役立ちます。また、衛生のプロとしてこれまで培ってきたダスキンならではの情報もあり、勉強用としても活用いただけます。ただ衛生管理を記録・保管できるだけではないことも、このアプリが選ばれている理由のようです」

飲食事業者の衛生管理ボトムアップを支援したい

飲食事業者にとって衛生管理は欠かせない。HACCP制度対応のアプリを手掛けた両氏に、飲食業従事者への思いを聞いた。

平良「私はこのアプリの担当になる前は、多くの飲食店の衛生管理をサポートする衛生検査員をしていました。その活動の中で、日々忙しく運営に追われるスタッフの方が衛生管理を正しく理解し継続して行っていくことの大変さを目の当たりにしてきました。後回しにされがちな衛生管理ですが、飲食店運営に必須なこと。だからこそ、ぜひHACCP制度の義務化をチャンスと捉えて今後の衛生管理の徹底を図ってほしいですね。まずはHACCPの意義は何なのか、なぜしなければならないのか、理解を深めることから一歩踏み出してみるのもいいでしょう。その過程で、弊社がお役に立てばうれしい限りです」

岡馬「無料アプリ『ハイジーン・サポート』を使えばHACCP制度に対応できますが、日々衛生管理を行っていくうえで衛生に関する新たな問題が出てくることもあると思います。ダスキンではマットやモップ、洗剤などの清掃用品以外にも、清浄度や細菌の有無などの測定検査、害虫獣駆除、除菌消毒、各種清掃など、多彩なサービスをご用意して、飲食店様のお困り事の解決サポートもしています。これまで地域の飲食店から、全国展開のラーメン店様やコーヒーショップなど大手チェーン店様まで、さまざまなお店の衛生管理のお手伝いをしてきました。全国に営業所があり、皆さまのもとにすぐに駆け付ける体制を整えていますので、アプリの不明点の問い合わせや衛生の心配事がある方はぜひ一度ご相談ください。

どんなに日々の衛生管理を徹底しても、専門家でないと見つけられない問題があるのは確かです。だからこそ、われわれがいるのだと思っています。飲食業界の発展のために、共に歩いて行ければうれしい限りです」

※最新の情報は食品衛生法の改正について(厚生労働省)をご覧ください。

株式会社ダスキン

本社所在地:大阪府吹田市豊津町1番33号
HACCP制度対応アプリ『ハイジーン・サポート』(登録料・利用料無料)
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