全東信破産による未収売上金リスクと、最大7億2000万円の資金繰り支援策

業界ニュース2026.07.13

全東信破産による未収売上金リスクと、最大7億2000万円の資金繰り支援策

2026.07.13

全東信破産による未収売上金リスクと、最大7億2000万円の資金繰り支援策

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クレジットカード決済代行の全東信は今月6日、大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けた。これにより加盟店向けのカード決済代行サービスは中止され、破産手続開始までに支払われていない売上金は破産債権となった。

連鎖倒産や事業継続への支障を防ぐため、経済産業省は10日に中小企業および小規模事業者向けの支援策を発表した。全国に特別相談窓口を設け、セーフティネット貸付の要件緩和やセーフティネット保証1号の事前相談を実施する。行政による迅速な金融支援制度の全容と適用条件をみていこう。

目次

全東信の破産手続開始と決済代行サービスの中止

7月6日、株式会社全東信は大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けた。選任された弁護士の発表によると、同社の事業は停止して、加盟店と全東信との間で結ばれていたクレジットカード決済代行および付帯サービスはすべて中止となった。

また、同社ホームページでは以下のよくある質問も公開された(2026年7月13日時点)。

  • 同社から貸与されていたクレジット端末機は一切使用不可
  • 端末機が仮に作動しても全東信のサービスは受けられない
  • 未収売上金は破産債権となるため、従前どおりの期日の弁済はできない

破産手続における未収売上金の扱い

サービス停止に伴い、加盟店の資金繰りへの影響が課題として浮上した。破産手続開始までに全東信が提供していたクレジット決裁サービスに係る売上金のうち、同社から立替支払を受けていない金額は未収売上金となる。この未収売上金は法律上、破産手続における破産債権として扱われる。

そのため、従前全東信と取り交わしていた期限に弁済を受けることはできなくなった。破産手続上の配当が見込める可能性が生じた段階で、破産管財人から破産債権届などの手続きが案内される。配当の有無や割合については、全東信の財産状況と破産債権の調査が完了していないため未定である。債権者集会や債権者説明会の開催予定はなく、財産状況などの情報は管財人室のウェブサイトを通じて提供される。

影響を受ける中小企業向け特別相談窓口の設置

未収売上金の発生による資金繰りの悪化を防ぐため、経済産業省は2026年7月10日に支援策を発表した。全東信の破産により影響を受ける中小企業および小規模事業者を対象とする措置である。

まず、全国の日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会に特別相談窓口を開設した。窓口を通じて事業者の状況を把握し、適切な資金供給につなげる体制を構築している。さらに、これらの金融機関に対して、既往債務の返済条件緩和や貸出手続きの迅速化、担保徴求の弾力化に応じるよう要請を行った。事業者の実情に合わせた返済猶予などの条件変更が検討される見込みだ。

最大7億2000万円のセーフティネット貸付の要件緩和

資金供給の具体的な施策として、日本政策金融公庫などが実施するセーフティネット貸付の要件が緩和された。この貸付は経営環境変化対応資金と呼ばれ、本来は最近3ヶ月の売上高が前年同期または前々年同期に比べて5パーセント以上減少していることが対象要件となる。

今回の要件緩和により、今回の全東信破産の影響を受けた事業者は、数値要件を満たさなくても対象に含まれることになった。資金繰りに著しい支障をきたしている、あるいはきたすおそれがある中小企業や小規模事業者が広く支援を受けられる。

対象資金設備投資及び運転資金
貸付限度額中小企業事業:7億2,000万円
国民生活事業:7,200万円
貸付期間設備資金20年以内、運転資金10年以内
措置期間3年以内
貸付利率基準利率(中小企業事業:2.65%、国民生活事業:3.35%)<令和8年7月現在(注)>
(注)貸付期間5年以内の標準的利率。実際の適用利率は担保の有無や信用リスク等により異なる。
参考資料2

別枠2億円のセーフティネット保証1号の事前相談開始

融資の受けやすさを高めるため、セーフティネット保証1号の事前相談も開始された。これは、民事再生手続開始の申し立てなどを行った指定事業者に対して売掛金債権等を有し、経営の安定に支障が生じている中小企業者を対象とした制度である。信用保証協会が一般保証とは別枠の限度額で、融資額の100パーセントを保証する。

認定基準

2つの条件のうちいずれかを満たすことが求められる。

(1)全東信に対して50万円以上の売掛金債権または前渡金返還請求権を有すること(未収分も含む)

(2)全東信に対する債権が50万円未満であっても、同社との取引依存度が20パーセント以上となっていること

対象となる資金は経営安定資金である。保証限度額は一般保証の別枠として無担保保証が8000万円、普通保証が2億円に設定されている。一般保証限度額と同額の枠が追加されるため、大きな資金調達が可能となる。経済産業省はこの制度の適用に向けて官報で告示する予定であり、信用保証協会における事前相談を先行して開始した。

[出典リスト]
経済産業省「全東信の破産手続開始により影響を受ける中小企業・小規模事業者への支援を実施します

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