2025年外食産業の上場企業一覧~「二極化」を超えた「多極化」の定着

業界ニュース2025.12.26

2025年外食産業の上場企業一覧~「二極化」を超えた「多極化」の定着

2025.12.26

2025年外食産業の振り返り~回復の先にある「選別」の時代

2025年の国内外食市場は、2019年並みの35.7兆円規模に達すると予測される。しかし、その内実は大きく変化している。

「二極化」を超えた「多極化」の定着

2025年は、単なる「高いか安いか」ではなく、消費者の「価値観」によって市場が細分化された年であった。

●プレミアム・エクスペリエンス

インバウンド需要と富裕層に支えられ、客単価3万円を超える高価格帯は極めて堅調に推移した。

●タイパ(タイムパフォーマンス)消費

平日のオフィス街では、完全セルフ化された超高速ファストフードが台頭し、「食事の時間短縮」そのものに価値が見出された。

●日常の贅沢

中価格帯では、こだわり抜いた単一食材(特化型専門店)への集中が起き、ブランド力の低い汎用店は苦境に立たされた。

経営を揺るがす「3つの構造的課題」

外食企業が直面する最大のリスクは、一時的ではない「コストの定着」である。経営を最も圧迫したのは、常態化した人材不足と過去最高を更新し続けた最低賃金、原材料・物流費の上昇であった。

課題2025年の状況対策
深刻な人手不足非正社員の採用倍率は3倍、社員・店長クラスは10倍といわれる採用難省人化投資(DX)、従業員エンゲージメントの向上など
原材料・エネルギー・人件費高円安と地政学リスクにより全食材が高騰。時給の大幅上昇により、従来の「安価な労働力」を前提としたビジネスモデルは崩壊原価率の再設計、地産地消や仕入れルートの多様化など
倒産リスクの増大個人店や老舗の廃業が過去最多ペース。ゼロゼロ融資の返済本格化、居抜き物件の争奪戦M&Aによる事業承継、早期の業態転換、売上・コスト・利益を即時把握した経営改善など

特に経営を継続するために見直すべき項目を3点挙げる。

●価格設定の再定義

単なる値上げではなく、付加価値を物語として伝える「ストーリーブランディング」ができているか。

●デジタル・ガバナンス

予約から会計、在庫管理まで一気通貫したデータ活用ができているか。

●LTV(顧客生涯価値)経営

新規客獲得コストが上がる中、リピーターとの接点を強化できているか。

今後の外食経営においては、「何を作るか」以上に、付加価値を伝えるストーリーブランディング、データ活用によるデジタル・ガバナンス、リピーターとの接点を強化するLTV経営が重要視される。

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