2022年12月~2023年3月に値上げする主な食品と傾向
2023年1月~4月に値上げする品目数は累計7,152品目(2022年12月末時点)と2022年1月~4月の4,672品目を大幅に上回る数の値上げが予測されており、2023年2月は2022年10月に匹敵するほどの値上げラッシュになるともいわれている(帝国データバンク)。
2022年12月現在で発表されている、2023年3月までに値上げされる食品は以下の通りだ。
企業 | 対象食品と値上げ幅 | 値上げ時期 |
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ニチレイフーズ | ・業務用 冷凍食品、常温食品の全品 約5~25%アップ | 2月1日より |
永谷園 | ・業務用ふりかけ商品など2品 約5~11%値上げ | 2月1日より |
シマダヤ | ・業務用商品 出荷価格4~25%値上げ | 2月1日より |
ブルドックソースグループ | ・ブルドックソース 業務用商品46品 9~16%値上げ ・イカリソース 業務用商品29品 12~17%値上げ | 2月1日より |
テーブルマーク | ・業務用冷凍食品386品 約3~25%値上げ | 2月1日より |
マルハニチロ | ・業務用食品370品 5~25%値上げ | 2月1日より |
カゴメ | ・業務用 飲料(33品目) トマトジュース 野菜飲料 果汁飲料など ・ 業務用 食品(145品目) トマト調味料類 パスタソース ソースなど ・トマトソース(メニュー専用ソース(サルサなどを含む) など ・業務用 飲料 出荷価格を 6.5~17.5%値上げ ・業務用 食品 出荷価格を約6.4~29.0%値上げ | 2月1日より |
ニッスイ | ・業務用冷凍食品 水産揚げ物類 チキン加工品 コロッケ類 すり身製品 その他調理品など280品 約3~27%の値上げ | 2月1日より |
キユーピー | ・業務用のドレッシング類 ・ソース類 ・調理食品 ・ケアフード ・サラダ類 ・卵加工品 ・乾燥品 ・醸造酢など | 2月1日より |
キッコーマン | ・加工・業務用しょうゆ(粉末しょうゆ含む) ・発酵うまみ調味料 | 2月1日より |
理研ビタミン | ・ドレッシング・サラダ関連調味料 101品目 ・ 和風調味料 12品目 ・他 7品目 価格改定率 5~17% | 3月1日より |
サントリー | ・ウイスキー ・リキュール ・スピリッツ ・焼酎など | 3月1日より |
2023年からの値上げラッシュでは、最も多いのは加工食品の3,798品目で全体の半数を占めている。特にあらゆる飲食店で使用されているしょうゆやケチャップなどのベーシックな調味料や、輸入酒、加工食品の値上がりが中心となる見込みだ。ほかには、冷凍食品や小麦製品、水産缶詰といった品目での値上げも見受けられる。
加工食品・輸入酒などが値上げされる要因
加工食品の値上げの背景には、世界各国での食料需要の拡大や国内外での人件費の増加、原材料価格の上昇、原油価格の高騰による物流費の上昇、円安、電気やガスなどのエネルギー高騰など、様々な要因が影響している。
業務用に畜産加工品、水産調理品や麺類などを卸しているマルハニチロは2023年2月から370品の価格改定を行う。また。多様な食品を取り扱うニチレイフーズでは、全ての業務用食品を2023年2月に5~25%ほど値上げする。世界最大のすり身の生産地である北米でスケソウダラのすり身価格が約30年ぶりに高値になっていることも関係しているという。
2023年の値上げで、加工食品の次に割合が大きいのが輸入酒を始めとした酒類・飲料である。穀物などの原材料や資材、輸送費の価格高騰や円安を受け、輸入コストが値上がりしている。
サントリーは、輸入製品のウイスキーやリキュール、スピリッツなどを2023年3月に値上げすると発表した。同社は輸入品のウイスキーやワインを2022年に一度値上げしているが、依然として続く原材料の高騰などの影響を受け、再び価格改定に踏み切ったという。ただし大容量のジムビームや、メーカーズマークなどは価格を据え置きとしている。
2023年の値上げ前に対応の検討を
帝国データバンクによると2023年中に値上げが想定される食品の値上げ率の平均は18%に達し、22年通年と比較しても高い水準となっている。各メーカーの食品値上げに対応するため、原料の調達先や販売価格改定の検討をしてみてはいかがだろうか。
【参考】
帝国データバンク「特別企画:「食品主要105社」価格改定動向調査(12月)」
帝国データバンク「特別企画:「食品主要105社」価格改定動向調査―2022年動向・23年見通し」