飲食店の差別化を図るカギは「モクテル」にあり!?コロナ禍でも右肩上がりのノンアルコール飲料市場

業界ニュース2022.07.27

飲食店の差別化を図るカギは「モクテル」にあり!?コロナ禍でも右肩上がりのノンアルコール飲料市場

2022.07.27

飲食店の差別化を図るカギは「モクテル」にあり!?コロナ禍でも右肩上がりのノンアルコール飲料市場

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本格的な夏が到来し、飲食店でもビールやアルコール飲料の需要が増加する季節だ。一方で、コロナ禍の影響で在宅時間が増えたことに伴い、健康への意識が高まっていることや、若者のアルコール離れなどから、ノンアルコール飲料の売り上げが伸びている。大手アルコール飲料会社では、ノンアルコール飲料の新商品を打ち出したり、種類も豊富になっていたりするようだ。
本記事では、ここ数年伸長続きのノンアルコール飲料市場、そして飲食店が他店と差をつけるためのノンアルコールドリンクについて解説する。

目次

右肩上がりのノンアルコール飲料市場

サントリーが昨年10月に公表したノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 (サントリー ノンアルコール飲料レポート2021)によると、2020年のノンアルコール飲料市場は2,313万ケース(対前年103%) で、6年連続で右肩上がりとなり、過去最大の市場規模になった。消費者の意識調査では、ノンアルコール飲料を飲んだ事があると答えた人が56.4%に登った。

出典:「ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2021 」(PDF)

ノンアルコール飲料を飲用した人に対して、どこで飲んだか質問したところ、「自宅内で飲んだことがある」(75.1%)、「飲食店(自宅外) で飲んだことがある」(57.0%)、「飲食店以外(自宅外)で飲んだことがある」(40.8%)と回答し、自宅でノンアルコールを楽しむ人が最も多いことが分かった。

自宅でノンアルコール飲料を飲用する人は2018年より上昇傾向で、コロナ禍で自宅時間が長くなったことから需要に拍車がかかり、2021年に過去最高となっている。

出典:「ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2021 」(PDF)

飲用理由の上位には「車を運転したいから」(25.8%)、「お酒を飲んだ雰囲気が味わえるから」(23.3%)、「健康に気をつけたいから」(17.3%)が挙がっており、日頃からアルコールを飲用している人が代替え品として購入していることがうかがえる。

月に1回以上、ノンアルコール飲料を飲んでいる人は、「健康に気をつけたいから」(36.1%)、「お酒を飲んだ雰囲気が味わえるから」(28.9%)、「休肝日を作りたいから」(27.2%)と答えており、健康面に気を使う声が目立った。

さらに、コロナ禍以前と比較した結果、約2割 (18.2%)の人が、「ノンアルコール飲料を飲む機会が増えた」と回答している。その理由として「在宅時間が増えた」(83.9%)が最も多く、「運動量が減った、運動不足になった」(77.2%)、「体重が増えた」(61.4%)などという声が多く、在宅で過ごす時間が増えたことで運動不足や健康管理への意識が高まっているようだ。

このように、ノンアルコール飲料市場は近年の需要が拡大している。飲食店でも取り入れられる工夫がないか見ていこう。

コロナに加え食材高騰の波を受けている飲食店

ノンアルコール飲料の売上が伸びている一方で、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻の影響などから、食材の高騰が続き、飲食店からは悲鳴の声が上がっている。
農林水産省が定期的に行っている食品の小売店の調査によると、野菜の価格が平年比で数パーセントから、中には10%近く高騰しているものもある。たまねぎに関しては177%上昇となった。

食品価格動向調査(野菜)

 キャベツねぎレタスばれいしょたまねぎきゅうりトマトにんじん
価格単位:
円/kg
170819322363430495631407
平年比107%101%105%90%177%99%102%101%

※平年比:過去5カ年平均価格と比較したもの

加えて、ロシア・ウクライナ情勢の影響や原油価格の高騰により、輸入肉や、食用油のキャノーラ油、小麦粉などの価格も大幅に上昇している。輸入に依存している食品は、原油価格や円相場によって値段が変動することから、今後の価格に見通しがつきにくいだろう。

苦境に立たされる飲食店が他店と差をつけるポイントは、「モクテル」にあり

食材の価格が不安定な中、メニューの原価率削減は難しいが、需要が増加しているノンアルコール飲料品を取り入れて集客につなげることは可能だろう。飲食店によっては、既製品を提供するだけでなく、ノンアルコールカクテルのメニュー開発に取り組む動きも見られるという。

中でも、最近、人気を集めているノンアルコール飲料が「モクテル」だ。
「モクテル」とは、似せた、まねたという意味の「mock(モック)」と「cocktail(カクテル)」を組み合わせた造語。ノンアルコールのモヒートや、カシスオレンジなどがあり、アルコールが入っていないのにお酒を飲んだ時のような爽快感を味わえるのだ。

また、季節のフルーツをベースにショウガやスパイス、バジルなどを組み合わせて独自のモクテルレシピを開発する飲食店も増えている。モクテルとジュースと大きく違う点は、味の深みである。アルコールの入ったカクテルは、お酒の苦みや香りがある。そのため、ノンアルコールのカクテルは、お酒を使わずに味の奥行きをいかに再現するかが問われるのだ。コカコーラの公式HPでは、飲食店用の動画レシピを公開しているので、参考にするのもよいだろう。

ノンアルコール飲料の需要拡大により、飲食店でもいろんな種類のノンアルコール飲料が提供されている。お酒が苦手な人にも好評で、料理に合わせてドリンクを注文するケースも増えている。複数の材料をうまく組み合わせて他店にはない味を追求してみてはいかがだろうか。

出典:
◼️ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2021 (詳細版) (PDF)
◼️食品価格動向調査(野菜):農林水産省


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