厚労省発表「新しい生活様式」でマスクの着用ルール緩和。外食・宿泊事業者ができるコロナ感染防止対策

最新ニュース2022.05.30

厚労省発表「新しい生活様式」でマスクの着用ルール緩和。外食・宿泊事業者ができるコロナ感染防止対策

2022.05.30

厚労省発表「新しい生活様式」でマスクの着用ルール緩和。外食・宿泊事業者ができるコロナ感染防止対策

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目次

今年も熱中症に気をつけねばならない季節がやってきた。長引くコロナ禍でマスクが手放せない生活になっているが、高温多湿の環境下でのマスク着用は熱中症のリスクが高くなるおそれがある。

こうした問題に向けて政府は、「屋外で周囲との間隔が十分取れ会話をほとんどしない場合において、マスク着用を義務付けない」という「新しい生活様式」の方針を発表した。加えて、図書館など人と十分な間隔を保ち、ほとんど会話しない場合においてもマスクの着用は不要とした。この発表から屋外でマスクを外して過ごす人も徐々に増えているようだ。今後は感染症対策に対する意識も、従来に比べて低くなることが予想される。

外食・宿泊事業者は、引き続き利用者に感染症対策のルールを守ってもらうよう呼び掛けつつも、「新しい生活様式」にも順応する必要がある。何をすべきか、具体的に見ていこう。

〔参考〕
熱中症予防×コロナ感染防止 | 厚生労働省
熱中症を防ぐために知っておきたいこと 熱中症予防のための情報・資料サイト

店内でマスクを配布する飲食店も

新型コロナウイルスが広がる原因の一つが、飛沫による感染だ。中でも感染リスクが高いとされているのが食事をする時だ。そのため「マスク会食」や「黙食」は、飲食時の新マナーとなってきた。

一方、マスク着用の義務が緩和されることで、飲食店に入店する際や、入店後の食事中以外でもマスクを着用しない人が増えると予測される。こういった事態を避けるため、店側は張り紙などでマスク着用を促すほか、マスクを無料配布するケースも見られる。今後、マスク着用の習慣が弱まることに備え、飲食店や宿泊施設はより感染症対策を徹底していくことが必要だ。

マスク着用時は体感温度が上昇する

毎年、気温が上昇する7~8月にかけて多くの人が熱中症で搬送されている。最高気温が30度以上を超えると熱中症による死者数が増え、日差しが強い日や風が弱い日は、さらにリスクが高まるという。特に梅雨明けは一気に蒸し暑くなるため、急激な温度変化に対応できなくなった人が熱中症にかかる人が毎年出てくる時期だ。

マスク着用時は心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかりやすいため、気温の高い屋外でマスクを着用すると熱中症のリスクが急増する。では、どのような策を講じれば良いのか。

熱中症の代表的な初期症状は、頭痛やめまい、だるさ、吐き気などの身体の不調だ。特に屋外での作業が多い場合、従業員にこのような熱中症の症状が見られたらすぐに涼しい場所に移動を促そう。休憩できるスペースがないときは、風通しの良い日陰に移動させ、うちわや扇風機などであおいで身体を冷やした方が良い。うちわなどがない場合は、タオルなどでも代用できる。

換気機能のない商業施設では?

エアコンを使用して室内の温度を下げることは熱中症対策に有効だ。一方で換気機能のないエアコンを使っている商業施設などは、密閉空間になりやすく、新型コロナウイルス感染症のリスクが上がってしまう。

ビル管理法では、温度が28度以下で湿度が70%以下という基準が定められている。そのため、感染症対策のために換気窓を開けて換気をすると、その基準を維持できない場合がある。感染症対策と熱中症の両方を予防する策として、政府は下記の対策を推奨している。

・エアコンの設定温度を出来るだけ低くして、室温を28度以下、湿度を70%以下に保ちつつ、常時2方向の窓を開けて連続的に空気を換気し続ける。

・窓が1カ所にしかない場合、ドアや壁の高い位置にある窓を開けておく。

・窓を開けると室温を28度以下、湿度を70%以下に保てない場合は、定期的に窓を換気するとともに空気清浄機を併用すること。

〔参考〕換気機能のない冷暖房設備を使っている商業施設等の皆さまへ

従業員はこまめにマスクを外して休憩・水分補給を

外食・宿泊事業は接客業になるため、夏のシーズンでも従業員は引き続きマスクの着用が必須だ。マスクを付けながらの肉体労働は、熱中症や脱水症もより引き起こしやすくなる。定期的にマスクを外して休憩するよう従業員に指示しよう。また、意識的な水分補給も大切だ。

新しい生活様式に適応しながら、飲食店・宿泊施設ができること

政府が熱中症対策のために屋外でマスク不要を呼び掛けたことで、外出する際にマスクを持参しない人も増えるだろう。飲食店や宿泊施設では店内での感染拡大を何としても回避したいところである。

これからますます暑くなり、また人の外食・外出も増えることに備え、企業や組織は熱中症に配慮しながらも、感染症対策も行っていかなければならない。

お客様に安心して店内や施設を利用していただくための感染症対策の工夫の一方で、従業員の安全面への配慮も大切だ。

予防策をしっかり立てて従業員への周知や指導を徹底し、新しい生活様式にうまく適応していきたい。

〔参考〕

熱中症は予防が大事! 「3密」を避けながら、十分な対策をとりましょう | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました


"ホテル・旅館業のアフターコロナ経営戦略

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