店舗賃料を最大600万円一括支給。家賃支援給付金の申請方法と注意点

最新ニュース2020.07.21更新:2020.08.05

店舗賃料を最大600万円一括支給。家賃支援給付金の申請方法と注意点

2020.07.21更新:2020.08.05

店舗賃料を最大600万円一括支給。家賃支援給付金の申請方法と注意点

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2020年7月14日から申請受付、8月4日から給付開始となった家賃支援給付金制度。持続化給付金に次いで経済産業省が打ち出した、中小事業者向けの新たな給付金制度である。新型コロナウイルスによって売上に影響を受けている飲食業にとって、固定費のなかでも支出の多くを占める賃料は悩ましい。とりわけ複数店舗を展開している場合は、経営に与える打撃は大きいだろう。

家賃支援給付金は、法人に最大600万円、個人事業者に最大300万円が一括支給されるとあって、活用しない手はない。経済産業省の資料をもとに家賃支援給付金の内容や申請方法、注意点についてまとめた。

目次

申請はウェブページでできる

緊急事態宣言が解除され、飲食店にも客足が戻ろうとしていたところ、7月に入り東京都の感染者が急増したことで再び警戒感が強まっている。先行きが見えないなかで、半年分の家賃が一括給付される家賃支援給付金が果たす役割は大きい。

家賃支援給付金の申請は、ウェブページで手続きができる。持続化給付金の申請方法と大きな違いがないため、すでに持続化給付金を利用した事業者であれば申請に戸惑うことはないだろう。 それぞれの詳しい内容については後述する。

支給対象となる事業者は、中小企業や個人事業者

支給対象は、以下のすべてにあてはまる事業者となる。

①資本金10億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者

②2020年5月~12月の売上高について、 
・1カ月で前年同月比50%以上の売上減
・3カ月連続の合計で前年同期比30%以上の売上減
のいずれかに当てはまる場合

③自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払っている

持続化給付金では対象期間が2020年1月から12月までの間のいずれか1カ月だったのに対して、家賃支援給付金では対象期間の要件が増えている。

また、2019年度に事業を開始したなど、2020年の売上と比較できる対象月がない場合も申請は可能だ。ただし、その場合は売上の算定方法や提出書類に違いがあることに留意したい。

現在、2020年1月~2020年3月の間に事業をスタートした事業者も給付の対象とすることが検討されている。内容が決まり次第、経済産業省のホームページなどで公表される見込みだ。

給付額の算定方法は、法人と個人事業者で異なる

家賃支援給付金の算定方法は、申請時の直近1カ月に支払った賃料を基に算定した月額(上限100万円)の給付額の6倍(半年分)となる。また、1社で多店舗展開して複数の土地・建物を借りている場合、すべての賃料を合計した総額が、算定の基礎となる。法人と個人事業者それぞれの給付額は下記の通りだ。

法人の場合の給付額

支払賃料給付額
月額75万円以下支払賃料×2/3の6カ月分
月額75万円超50万円+〔支払賃料75万円を超える分×1/3〕の6カ月分
※ただし、上限は月額100万円

 

個人事業者の場合の給付額

支払賃料給付額
月額37.5万円以下支払賃料×2/3の6カ月分
月額37.5万円超25万円+〔支払賃料37.5万円を超える分×1/3〕の6カ月分
※ただし、上限は月額50万円

 

上記に含まれるのは、賃料と共益費、管理費の賃貸借契約(土地・建物)についてのみだ。契約関連費用(更新料、礼金など)や敷金、保証金、保険料、不動産ローン返済額、テナント会費、電気代、水道代、ガス代、その他の費用は対象外となる。

申請に必要な書類は、売上と賃貸借契約を示すもの

申請に必要な書類は、大きく2種類に分けられる。店の売上情報と、賃貸借契約情報である。注意点として、ひとつの書類が複数ページにわたる場合は全ページをひとつのPDFファイルにまとめる必要がある。ここでも法人と個人事業者それぞれについて見てみたい。

法人の場合の申請書類

2019年分の確定申告別表一の控えイメージ①2019年分の確定申告書別表一の控え(1枚)
法人事業概況説明書(2枚両面、要PDF)②法人事業概況説明書(2枚(両面)、要PDF)
受信通知③受信通知(1枚)※e-Taxにて確定申告をした場合
月次損益計算書、売上台帳など④売上が減った月の前年同期の売上がわかる売上データや手書きの売上台帳など
※申請にもちいる月や期間、売上に下線を引く、枠で囲うなど明確にわかるようにする。

 

個人事業者の場合の申請書類

②	2019年分の確定申告書第一表の控えイメージ①2019年分の確定申告書第一表の控え(1枚)
所得税青色申告決算書の控え②所得税青色申告決算書の控え(2枚、要PDF)
受信通知③受信通知(1枚)※e-Taxにて確定申告をした場合
月次損益計算書、売上台帳など④売上が減った月の前年同期の売上がわかる売上データや手書きの売上台帳など
※申請にもちいる月や期間、売上に下線を引く、枠で囲うなど明確にわかるようにする。

 

法人、個人事業者ともに必要な賃貸借契約情報

①賃貸借契約書の写し

②直前3カ月間の賃料の支払実績を証明する書類
 ・銀行通帳の表の写し、および支払実績がわかる部分の写し(3カ月分)
 ・銀行取引明細書(振込明細書)
 ・賃貸人(貸し主)からの領収書
 ・所定の様式による、賃料を支払っていることがわかる証明書

また、持続化給付金にはなかった添付書類として、誓約書がある。これは家賃支援給付金のホームページ「自署の誓約書」から誓約書様式(フォーマット)をダウンロードして、日付、住所、名称、代表者名(自署)を記入し、スマホ撮影もしくはスキャンしたものを用意しよう。

(注意)必要書類はひとつのPDFファイルにまとめる

申請に必要な書類のうち、ひとつの書類が複数ページにわたる場合はひとつのPDFファイルにまとめなければならない。書類はスキャン、もしくはスマートフォンなどで撮影した画像でも問題はないが、複数ページにわたる場合には、スマホアプリやオンラインのサービスを利用してPDFファイルにする必要がある。Googleなどの検索サイトで「画像 PDF 変換」などで検索すればアプリやサービスがヒットするので、うまく利用しよう。

入金は郵送で連絡される

必要書類の準備が整ったら、経済産業省の専用サイト「家賃支援給付金」から申請を開始する。給付金制度を騙った詐欺も見られるため、専用サイトへは経済産業省のトップページにあるメニュー「家賃支援給付金の申請受付」からアクセスするようにしたい。

家賃支援給付金事務局が事業者への振り込みを決めた後、事業者が登録した住所宛てに、振り込みのお知らせを送付するとともに、振り込みをする。

また、申請時に登録した賃貸人(かしぬし)または管理業者にも、申請者に給付金を振り込む知らせが送付される。

事業者にとって家賃は大きな固定費だ。国や自治体からの支援や制度をうまく活用し、危機を乗り越えてほしい。


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