新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は予断を許さない状況だ。まだ不明な点も多く、憶測や流言飛語まで飛び交う状況に不安の日々が続き、渡航制限に加え自粛要請が外食業を直撃。現在進行形で大きな影響を受けている、個人飲食店や中小飲食店の経営が持ちこたえられるよう、早急にさまざまな形のサポートが求められる。
今回は主に店舗側が行う衛生管理のポイントと、キャッシュフローを確保するために役立つ補助金・助成金等についてまとめた。
食事の場所を提供し続けるために、飲食店が気をつけるべきこと
不特定多数の人が集まる空間での飲食が新型コロナウイルス感染症のリスクを高めると、外食が敬遠される傾向にある昨今。店内の衛生管理・感染防止策、スタッフの健康管理には通常以上に厳しくしておきたい。
一般社団法人日本フードサービス協会が、外食企業が取り組むべき『新型コロナウイルス対策に関するガイドライン』をわかりやすくまとめている。
感染拡大期に取り組むべきチェックリストなどをぜひ参考にしてほしい。
ポイントは、インフルエンザウイルスやノロウイルスといった他の感染症同様の、基礎的な衛生管理の徹底に尽きると言えそうだ。
実際に被害に遭われた場合の金融セーフティネット
万全の体制で取り組んでも、原因が明確でない現状においては実際に被害に遭う可能性も否定できない。その際に考えなくてはならないのが資金繰りだろう。経済産業省は、金融機関からの融資限度額が2倍になる「セーフティネット保証制度」の対象条件を緩和する支援策を打ち出している。
新型コロナウイルスの影響で、経済産業省は対前年比で売上が落ちている中小企業に融資額の100%を信用保証する「セーフティネット保証4号」(自然災害等の突発的事由)で経営の安定に支障を生じている企業向け)適用した。また、中小企業庁は80%保証の「セーフティネット保証制度5号」(全国的に業況の悪化している業種に属することにより、経営の安定に支障を生じている企業向け)も追加。自店が対象に含まれるか確認してもらいたい。
また日本政策金融公庫では新型コロナウイルスに関する相談窓口を設置。新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業に対して「衛生管理特別貸付」を行っており、業績悪化に苦しむ飲食店をサポートしている。
\このほか、各地方自治体でもさまざまな制度が設けられている。
たとえば、「新型コロナウイルス対応緊急資金」融資制度を開始した、京都府新型コロナウイルス感染症対策本部(京都府および京都市)。京都府内で6か月以上継続して同一事業を行っている者で、直近1か月の売上が前年同時期と比べて10%以上減少、あるいは1か月間の原材料費等が前年同時期と比べて10%以上高騰している者などに対して融資を行うとしている。下記に各自治体の対策の一部をまとめた。
各都道府県・自治体の対応
飲食店が今できる対策とは
営業時間の変更・短縮や、就業時に手のアルコール消毒、マスク着用や就業時体調チェックの実施・記録を徹底など衛生管理や感染症対策に取り組む企業もある。また期間限定で営業自粛に踏み込む企業まで各社の対応は様々だ。
2008年のリーマンショック以来といわれる窮地に、今これと示せる特効薬はない。在宅勤務など自宅で過ごすことが増え、宅配サービスや・テイクアウト需要は今後も増える可能性があるとは言われている。だが、急なサービス追加や体制変更には追いつかない企業も多いだろう。インフォマートでは、宅配サービス初期費用無料やサブスクリプションサービスの無償提供など、外食産業・飲食店サポーター企業からの特別支援を紹介している。
感染被害の拡大を防ぐための対策を講じるのはもちろん、何より資金繰りの確保に努め、事態収束後の経営につなげてほしい。店舗が残っていれば客はまた戻ってくる。また外食を心から楽しめるようになる日を消費者も心待ちにしている。その日まで正確な情報を収集し、活用できるものを積極的に探しながら、どうかこの苦境を乗り越えてほしい。