ジビエは山の恵み、日本でも「ぼたん鍋」になじみ
ジビエはフランス語(gibier)で、食材として捕獲された鳥獣を指す。フランスでは「山の恵み」として、高級料理に位置付けられる。日本では、イノシシの肉を使った「ぼたん鍋」などが食文化としてあるが、専門店での提供に限られていた。
藤木氏によると、ジビエの注目度は、2014年にぐるなび総研が「今年の一皿」にジビエ料理を選出したことで一気にアップしたという。
「今年の一皿に選ばれたのは大きかったですね。協会への『ジビエ肉はどこで買えますか?』という問い合わせが増えましたし、私の店(フランス料理店のオーベルジュ・エスポワール=長野県)でもジビエのオーダーが増えました」
そもそもジビエ肉は、野山をかけめぐる野生動物のため脂肪が少なく、牛肉・豚肉・鶏肉より身が引き締まっていると言われる。イノシシには脂身があるが、しつこさもなく食べやすいのが特徴だ。
「たとえばシカはほとんど脂身がなく、ほぼ赤身だけなのでヘルシーです。一般的に赤身肉は鉄分が多く、ヘム鉄(鉄とポルフィリン環で形成され、酸素を体の隅々に運ぶ役割を果たす)も多く含んでいるため、貧血予防にも役立ちます。ダイエットにも向いている、高タンパク低カロリーの肉なのです」