増税による1ヶ月間の夜の外食費の変化
1ヶ月間の夜の外食費の変化についての質問では「特に変わらない」が64.9%と、増税が外食費に影響しない人が最も多かった。「少し減らすつもり(少し減らした)」は27.5%、「かなり減らすつもり(かなり減らした)」は7.2%と削減派は計34.7%で、約3人に1人が外食費を抑える考えであることがわかった。
費用を減らしたい外食シーンの最多は日常の外食
減らしたい外食シーンで最も多かったのは「1人での外食」(65.4%)であり、「大切な人との普段の外食」(38.4%)、「同性の友人との外食・飲み会」(28.7%)が続いた。比較的費用を調整しやすいプライベートの外食シーンで減らそうとしていることが伺える。
減らしながらも維持したい「記念日」や「女子会」
削減しながらも維持・増加させたい外食シーンについては「家族や恋人など大切な人との記念日の外食」(43.3%)がトップで、女性は「同性の友人との外食・飲み会」(24.0%)がそれに続いた。女子会は、依然として重要な外食シーンとして捉えられていることが読み取れる。飲食店は記念日向けメニューや女子会向けメニューに商機を見出せそうだ。
増税でもライフスタイルの充実に外食を活用
増税後も外食費を変えないという人に理由を聞くと、「外食が好き」(43.7%)、「外食費を見直しても大した削減にならない」(37.0%)、「満足度の高い外食をしたい」(36.0%)などが挙げられた。費用よりもシチュエーションや食事の内容を重視し、ライフスタイルの充実を図っているようだ。
日本フードサービス協会によると、2014年4月の外食売上高は前年同月比2.3%増と2ヶ月連続でプラス推移。「食べログ」の調査対象者の3分の2が「特に変わらない」と回答していることも合わせると、増税後すぐには外食費に影響を及ぼさなかったようだ。しかし3人に1人が削減の意向にあることが明らかになったことから、この先も同じ状態で推移していくとは限らない。また、調査結果の統計的分析によって、外食費を削減する傾向にあるのは1回当たりの支出が1,000円~3,000円の層であり、5,000円~8,000円の層との間に有意差が出たという結果も報告されている。つまり、単価が安い客ほど外食費を削減しようとする傾向があるということだ。
増税から2ヶ月。その影響を分析して現場にフィードバックするには、まだ早いかもしれないが、しかし、今回の調査結果を読み解いていくと、飲食店が今後の戦略を練る上でのヒントが見えてくるのではないだろうか。