株式会社EBILAB(エビラボ/本社:三重県伊勢市/代表取締役:小田島 春樹/以下 EBILAB)は、AIによる映像解析で伊勢海老の脱皮を検知する日本初(※1)のシステムを開発。2021年10月1日(金)から、実用化に向けた実証実験を開始しました。実証実験終了後は、三重県伊勢市の老舗伊勢海老料理店「倭庵黒石(やまとあんくろいし)」にて導入を予定(※2)しています。※1 当社調べ※2 2021年内を予定

この度実証実験を開始したのは、AIを用いた映像解析で伊勢海老の脱皮を検知するシステムです。水槽を暗視カメラで常時監視し、AIが伊勢海老の脱皮を検知すると、ユーザーのモバイル端末に通知を発信します。
エビの香りの大部分は皮に含まれており、脱皮直後の伊勢海老は皮が非常に柔らかく皮ごと食べられるので、その風味を最大限に楽しめます。このことから伊勢海老は“脱皮直後が最も美味しい”とされ、倭庵黒石でも脱皮直後に捌いた伊勢海老を「幻の伊勢海老」として提供しています。
一方、伊勢海老の脱皮には特定の周期が存在せず、生育環境や個体差にも大きく左右されるため、予測困難です。これまでは職人が経験に基づき脱皮の瞬間を予測し、目視で確認してきました。夜行性の伊勢海老は夜に脱皮をすることが多いことから、寝ずに付きっ切りで水槽を見守ることも多々あり、職人にとっては体力や時間の消費が大きいことが負担となっていました。
この度、EBILABが開発したAIで伊勢海老の脱皮を検知するシステムによって、従来職人が抱えていたこうした負担が大幅に軽減されることが期待されます。また、食材の“最旬”を最新のAI技術に基づいて見極め、状態の良い食材をお客様に提供できる機会を効率的に増やしていけると考えます。
サービス産業の現場には、AIの様な最新技術をインストールすることで、効率化や省力化が図れる領域が多数存在します。EBILABは今後も、創業150年の老舗食堂”という実体験に裏打ちされたノウハウとITの力で、サービス産業が抱える課題の解決に取り組んでまいります。
AIによる伊勢海老の脱皮検知システム詳細

AIを用いた映像解析で伊勢海老の脱皮を検知するシステムです。水槽を暗視カメラで常時監視し、AIが伊勢海老の脱皮を検知すると、ユーザーのモバイル端末に通知を発信します。
映像解析に用いるコグニティブ(※3)なインテリジェンスとしてMicrosoftが提供する「Azure Cognitive Services(※4)」を組み込むことで、開発コスト・ランニングコストを飲食業の現場でも導入しやすい金額に抑えることにも成功しています。
人の経験や勘に頼らず正確かつ効率的に食材の“最旬”を見極める仕組みとして、伊勢海老以外への応用も可能なシステムであると考えています。

※3 「コグニティブ(Cognitive)」とは認知を意味する英単語で、与えられた情報を自ら理解・推論・学習するシステム
※4 「Azure Cognitive Services」の詳細:https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/
脱皮直後が 伊勢海老の“最旬”と言われる理由

エビの香りの大部分は皮に含まれていますが、伊勢海老の皮は特に硬質で通常は食べることが難しい部位です。しかし、脱皮直後の伊勢海老は皮が非常に柔らかいことから皮ごと食べることができます。このことから、風味を最大限に楽しむことができる脱皮直後が、伊勢海老の最も美味しい瞬間とされてきました。
伊勢海老の水揚げ量第1位を誇る三重県の飲食店では、“最旬”の伊勢海老をお客様に召し上がっていただくために、職人が脱皮の瞬間に立ち会い、その場で捌く提供方法が古くからとられてきました。
一方、伊勢海老の脱皮には特定の周期が存在する訳ではなく、生育環境や個体差にも大きく左右されるため、予測ができません。これまでは職人が経験や勘に基づき脱皮の瞬間を予測し、水槽に付きっ切りで目視確認してきました。夜行性の伊勢海老は夜に脱皮をすることが多く、寝ずに水槽を見守り、脱皮直後に捌くということを行ってきました。職人にとっては体力や時間などの消費が大きな負担となっていました。
この度、EBILABが開発したAIによって伊勢海老の脱皮を検知するシステムで、従来職人が抱えていたこうした負担の大幅な軽減が期待されます。
株式会社EBILABについて

「EBILAB」は三重・伊勢で100年を超える老舗食堂「ゑびや」の経営メソッドから生まれたサービス産業のためのシンクタンクです。
サービス産業のための飲食・小売り向け店舗分析ツール「TOUCH POINT BI」をはじめとした分析サービスの提供により、店舗のコンディションを可視化するデータを自動で収集・分析することで、効率的で収益性の高い店舗運営の実現をサポート。また、コロナ禍の新たな取り組みとして、飲食店における「混雑予報AI」、遠隔接客システムである「WEB来店」や空間や建物内の「3D構築」などの新規事業を立ち上げております。
会社概要
社名:株式会社EBILAB
本社:〒516-0024 三重県伊勢市宇治今在家町13
代表者:代表取締役 小田島 春樹
設立:2018年6月4日
資本金:6000万円
TEL:0596-63-6364
FAX:0596-63-5222
事業内容:飲食店向けクラウドサービスの開発・販売・サポート
URL:https://ebilab.jp/
社名:有限会社ゑびや
本社:〒516-0024 三重県伊勢市宇治今在家町13
代表者:代表取締役 小田島 春樹
設立:1994年1月
資本金:500万円
TEL:0596-63-5135
営業時間:9:30~17:00
定休日:無休
事業内容:老舗店舗の運営・販売
URL:https://www.ise-ebiya.com/
※有限会社ゑびやと株式会社EBILABの関係性について
有限会社ゑびやは三重県伊勢市にある老舗の食堂。「ゑびや」にて自社開発を行った来客予測ソリューションを活用した経営で、数年間で飛躍的に利益率を増加させました。「株式会社EBILAB」はこの来客予測ソリューションを他社提供するためのシステム開発・コンサル業部門の“新規事業”として2018年に生まれました。