博報堂、お土産で広げる備蓄食ブランド「Gift＆Stock」を展開開始
全国の被災地の地域企業と共同で商品開発
～社会課題起点での事業開発支援プログラムの一環として～
2022.09.01
株式会社博報堂のブランディングおよびイノベーションの専門組織「博報堂ブランド・イノベーションデザイン」は、全国の被災地の特産品を使った備蓄食のお土産によって備蓄促進と復興支援を目指す《みやげ備食（びしょく）》の取り組みを行っています。このたび、《みやげ備食》の構想を体現したブランド「Gift＆Stock」を立ち上げました。
博報堂ブランド・イノベーションデザインでは、社会課題起点での事業開発支援プログラム「Social Incubation Challenge」を企業向けに提供しています。《みやげ備食》構想および「Gift＆Stock」は、本プログラムの一環として推進しています。
《みやげ備食》とは、博報堂とデザイン・イノベーション・ファームTakramによる共同企画で、長期保存可能な備蓄食品をお土産やギフトとして贈り合うことによって備蓄の輪を広げ、また被災地の特産品を商品に活用することで継続的な経済復興への貢献を目指す、新たな備蓄食品のかたちの提案です。
「Gift＆Stock」は、《みやげ備食》を体現する、「大切な人にあげたくなる、部屋にもおきたくなる、おいしい備蓄」をコンセプトとした備蓄食品のブランドです。「Gift＆Stock」ブランドの商品は、被災地などのさまざまな地域企業とともに開発し、商品ラインナップに加えていくことで日本全国に広げていきます。地域企業にとっては、博報堂による商品開発支援に加え、ブランドの知名度や資産を活用できるため、スピーディーな新商品開発と売上拡大が可能です。
本日の発表に先駆けて、岩手県釜石市の岩手缶詰株式会社と「魚介のリゾット缶」を共同開発し、2022年5月から第1弾商品として発売を開始しました。今後も地域企業の事業開発や、大手企業の地域向け商品開発などに本ブランドの仕組みを活用し、第2弾、第3弾となる商品開発に取り組んでまいります。
社会課題起点での事業開発支援プログラム「Social Incubation Challenge」では、社会課題を起点として未来を創造していくことを目的に、ビジョンの掲示に留まらず社会実装まで行うプログラムで、様々なプロフェッショナルと連携して推進します。博報堂ブランド・イノベーションデザインが先行してテーマ・コンセプトを策定し、その資産を活かして事業開発を進行するため、スピーディーに社会実装を行えることが特徴です。
今後も博報堂ブランド・イノベーションデザインは、これらの取り組みを活用し、企業のブランド開発やイノベーション創発に貢献するプログラム開発を進めてまいります。
＜以下、参考資料＞
■備蓄を取り巻く日本の現状
日本は災害大国でありながら、家庭での備蓄が不十分であることが大きな課題となっています。大規模災害時には１週間分の備蓄食品があることが望ましいとされていますが（出典1）、男女ともに75%もの人が備蓄食品を１週間未満の分しか準備できていないのが現状です（出典2）。こうした備蓄不足の世帯の存在は、災害時に地域の食料の消費や物流に負荷をかける可能性があります。
また、食品を備蓄している人の中でも、約半数が１年に１回以上備蓄食品を入れ替えているにも関わらず、6割以上の人が賞味期限を切らせたことがあることも分かっています（出典3）。
「Gift＆Stock」は、防災備蓄の大切さを伝え、これらの課題解決を目指していきます。
出典1 首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
出典2 ウェザーニューズ「減災調査2022」
https://weathernews.jp/s/topics/202203/070125/
出典3 独立行政法人国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210304_1.html
■「Gift＆Stock」第1弾商品「魚介のリゾット缶」について
三陸産の魚介と東北産のひとめぼれで作ったリゾット（3種：賞味期限３年）。岩手缶詰の東日本大震災からの復興経験と、長年の缶詰研究の成果を活かして開発。プロダクトデザインは博報堂とTakramが共同で、お土産やギフトとして人にあげたくなるような彩りや楽しさと、ダイニングやリビングにも飾っておけるシンプルな佇まいを兼ねたパッケージをデザインしました。岩手県内の小売店や東京都内アンテナショップ、ECサイト等で販売し、好評を博しています。
岩手缶詰オンラインショップ内商品ページ
https://iwakan.shop-pro.jp/?pid=168639110
■岩手缶詰株式会社
1941年創業。美しい三陸の海と豊穣な大地に育まれた新鮮な原料を食材として、FSSC22000を取得した製造工場で徹底した生産管理・品質管理のもと｢安心・安全｣で美味しい商品を皆様にお届けしています。
代表：山下純明
事業内容：食品製造販売業(缶詰・冷凍食品・レトルト食品・ゼリー・飲料・ジャムなど)
https://www.iwa-kan.com/
■Takram Japan株式会社
2006年設立。「Takram is a place for creative discovery. For change-making partners, for society, and for ourselves.」をミッションに掲げ、世界を舞台に活躍するデザイン・イノベーション・ファーム。未来をつくる人や組織のパートナーとして、プロダクトからサービス、ブランドにアイデアまで、デザインの力で変化を生み出しています。現在、東京・ロンドン・NY・上海を拠点としています。
代表：田川欣哉
https://ja.takram.com/
■博報堂ブランド・イノベーションデザイン
博報堂内の次世代型コンサルティング専門組織。マーケッター、デザイナー、コピーライター、一級建築士、組織開発コンサルタント、リサーチャーなど、多彩なバックグラウンドを持ったメンバーより構成され、戦略からアウトプットまでをワンストップで実行するのが特徴です。ブランド戦略立案をはじめ、組織・風土改革、ビジョン策定、新事業開発、商品・サービス開発、CI・VI、ネーミング、空間デザインといった様々なビジネス領域をカバーし、クライアントや外部専門家と深くコラボレーションする「共創型」のプロジェクトを得意としています。
代表：宮澤正憲
http://h-bid.jp/
