概要
一般社団法人ローカル・スタートアップ協会(東京都千代田区、代表理事:斎藤潤一、以下「LSA」)は、鹿児島県大隅半島・志布志市を主な舞台に、一次産業を起点とした新規事業創出プロジェクト「大隅未来ラボ」を始動しました。本プロジェクトは、「150年後の未来に“原風景”を遺す」を思想の核に、地方と都市、地域資源と企業技術、実践者と政策をつなぎながら、新たな産業と雇用を生み出すことを目指す実装型プロジェクトです。
今年6月にはプロジェクトの一環で、「山と本と株式会社」企画主催のもとローカルガストロノミーツーリズムが開催されます。本ツアーは、地域の風土、食、一次産業、暮らしの文脈を五感で体験しながら、地域に根ざした新たな事業の可能性を探るイベントとなります。
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10年構想が、研究会と共創コミュニティを通じて「実装」へ
構想自体は約10年前から温められてきましたが、当協会が主催する協創カンファレンス「ONE SUMMIT」での研究会、有識者・起業家・行政関係者との議論、コミュニティでの出会いを通じて、鹿児島県大隅半島で全国最大規模の茶園を有する、堀口大輔氏(鹿児島堀口製茶有限会社/ 株式会社和香園 代表取締役社長)の構想が具体的なアクションプランへと接続し、今回の立ち上げに至りました。

設立背景
「大隅未来ラボ」は、堀口大輔氏が約10年にわたり構想してきた「大隅を舞台に、農業を再産業化し、地域の未来につながる事業をつくる」という考えを起点にしています。ローカル・スタートアップ協会は、「食と農の未来を耕す」をミッションに掲げ、勉強会、カンファレンス、政策提言を通じて、官民連携による学びと共創の場を育んできました。なかでも、全国の実践者が集う「ONE SUMMIT」は、実証や事業化につながる出会いと議論の場として位置づけられており、その研究会やコミュニティの蓄積が、「大隅未来ラボ」を実装フェーズへ押し上げる土台となりました。
大隅未来ラボは、一人の構想を一人で進めるのではなく、地域の実践者、民間企業、有識者、行政関係者が交わることで、構想を社会実装へと変えていくプロジェクトです。堀口氏が積み重ねてきた現場の実践に、ローカル・スタートアップ協会の共創コミュニティで育まれた議論とネットワークが重なり、具体的なアクションへと接続されました。
プロジェクト概要

国土交通省の二地域居住政策とも整合する、地域実装型プロジェクト
大隅未来ラボは、国土交通省が推進する二地域居住・多拠点生活の政策的方向性とも自然に整合する取り組みです。国土交通省は、人口減少下で持続可能な地域を形成し、地域づくりの担い手を確保するため、定住人口の増加だけでなく、主な生活拠点とは別の地域にも拠点を持つ「二地域居住」などの多様なライフスタイルを通じて、地方への人の流れを創出・拡大する必要性を示しています。また、2024年10月には「全国二地域居住促進官民連携プラットフォーム」を設立し、優良事例の横展開、官民マッチング、案件形成などを進めています。
さらに国土交通省は、令和7年度の「二地域居住先導的プロジェクト実装事業」において、自治体と民間等によるコンソーシアムを対象に、お試し居住施設やコワーキングスペース整備、二次交通の確保、インターネット環境構築など、地域での実装を支援しています。大隅未来ラボもまた、一次産業の現場を起点に、都市と地域を往還する人材や企業、関係人口を呼び込み、地域で事業を生み出す基盤としての役割を担うことを目指しています。
大隅未来ラボが描く「点・線・面」の地域デザイン

引用:https://www.city.shibushi.lg.jp/site/k-nouzei-kanmin/2350.html(志布志市の公式サイト)
鹿児島県志布志市には、堀口氏が牽引する革新的なお茶の一次産業をはじめ、国際物流の要所である志布志港、歴史情緒あふれる武家屋敷、そして感性豊かなクリエイターの活動など、多様な資源が息づいています。大隅未来ラボは、これら個々の資源を単なる「点」として消費するのではなく、立体的に繋ぎ合わせることで、地域経済に新たな「厚み」をもたらします。
地域のポテンシャルを「線から面へ」繋ぐ
私たちは、茶・物流・歴史・文化・創造性を掛け合わせることで、一過性のブームに終わらない持続的な価値創出を目指します。物流と産業:
国際コンテナターミナルを有し、CIQ機能(税関・出入国管理・検疫)を備えた「志布志港」を基盤とする経済圏。
歴史と文化:
島津藩時代の武家屋敷群や寺院の地割を今に伝える「志布志麓庭園」が育む、独特の景観と文化的背景。
食と創造性:
伝統ある和菓子や酒造、そして最先端のクリエイターたちが生み出す新しい感性。これらが有機的に繋がることで、志布志は単なる地方都市を超え、新しい産業モデルを生み出す「面」へと進化します。
加えて、堀口氏の現場にはすでに多数の視察が訪れており、一次産業の現場から新しい産業モデルを生み出す先進事例として高い注目を集めています。大隅未来ラボは、この関心を一過性の視察で終わらせず、継続的な共創、実証、事業化へとつなげていく基盤づくりを進めます。
【開催レポート】大隅未来ラボ・キックオフ。「実装前提」の新規事業を地方から創出する企業関係者50名超が集結

2026年3月27日、50名を超える志高き企業関係者らが集結し、「大隅未来ラボ」が本格的に始動しました。民間企業、行政、そして地域の実践者が一堂に会し、一次産業を起点とした未来の形を熱く議論しました。本プロジェクトは単なる交流ではなく「実装前提」が特徴です。
「地方と都市をつなぐ」新規事業のプラットフォームへ
地域の未活用資源 × 企業の未活用技術都市部と地方が対等なパートナーとして、持続可能な新規事業を創出するプラットフォームとしての役割が改めて示されました。
パネルディスカッション:一次産業を「事業創出の起点」に
4名のパネリストによるディスカッションでは、国の「地域生活圏政策」や「二地域居住・多拠点生活」の潮流を捉えた、先進的な戦略が語られました。
多拠点連携の重要性
志布志という一拠点に閉じず、他地域の実践者と「面的・立体的に」接続することで、解決策のスケールを目指します。
産業の再定義
第一次産業を単なる「生産の場」ではなく、テクノロジーやクリエイティブが融合する「新規事業創出のフロンティア」と位置づけ、その可能性を共有しました。
「対話」から「具体の実装」への一歩

お茶のミード「蜂蜜茶醸酒」を紹介する堀口氏

お茶やミード「蜂蜜茶醸酒」の試飲ブース
イベント後半に行われた参加者同士のセッションでは、具体的な地域課題に対するソリューションや、具体的な連携案が次々と飛び出しました。「視察で終わらせない。ここから実証、そして事業化へ。」
会場に漂っていたのは、理想論に留まらない「具体的にどう動くか」という実装に向けた強い意志です。参加者全員が、志布志を起点とした新しい経済圏の担い手として、その第一歩を踏み出しました。
次回企画:6月5日・6日に志布志市を舞台に開催

地域で「食の経済圏」を作り直す。"ローカルガストロノミー"ツーリズム in 鹿児島堀口製茶
次回企画は、2026年6月5日・6日に「山と本と株式会社」企画主催のもとローカルガストロノミーツーリズムが開催されます。本ツアーは、地域の風土、食、一次産業、暮らしの文脈を五感で体験しながら、地域に根ざした新たな事業の可能性を探る機会として実施されます。
申込・詳細:https://tour-local-gastronomy0605.peatix.com/
申込期限:2026年5月22日(金)
発起人コメント

堀口大輔(堀口製茶有限会社 代表取締役社長/株式会社 和香園 代表取締役社長)
「大隅未来ラボは、10年ほど前から構想してきた、大隅を舞台に農業を再産業化していく取り組みです。目の前のことに本気で向き合い続けてきた一つひとつの実践が、少しずつ“面”となり、その面が重なって厚みになり、ようやく今、皆さまの前でお話しできる段階まで来たと感じています。
このラボは、これまで出会ってきた仲間、そしてこれから運命を共にする仲間たちとの接続点になるものです。大隅という地域から始まる挑戦を、日本各地で活動する実践者たちとつなぎ、より良い日本をつくる大きなうねりへと育てていきたいと考えています。
完成されたものを最初から用意するのではなく、走りながら、時に立ち止まりながら、新陳代謝を繰り返し、理想と現実の両方を見つめながら形にしていく。その過程そのものを大切にしながら、日本を良くしたい、調和のとれた世界をつくりたい、人々の心に平和と幸せがある状態を目指したい、という思いを実務として実装していきます。」
大隅未来ラボ代表 稲田佑太朗氏コメント

稲田佑太朗(大隅未来ラボ代表/一般社団法人シラタマワーク 代表理事)
「大隅未来ラボは、地域の中にすでに存在している価値や実践を、もう一度つなぎ直し、未来につながる事業へと育てていくための場です。今回の立ち上げは、堀口大輔さんが長年あたためてきた構想に加え、ローカル・スタートアップ協会のONE SUMMITや研究会を通じて出会った多様な実践者、有識者、行政関係者との対話が重なり、具体的なアクションとして立ち上がったものだと捉えています。
大隅には、一次産業の現場、食、文化、風景、物流、歴史、そして挑戦する人たちがすでに存在しています。大切なのは、それらを個別の“点”のままにせず、“線”で結び、“面”として地域の力に変えていくことです。大隅未来ラボは、その接続を生み出し、対話を実装へ、視察を共創へ、関係人口を具体的な事業へとつなげるためのハブでありたいと考えています。
また本取り組みは、国土交通省が進める二地域居住・多拠点生活の政策的な方向性とも重なります。都市と地域を行き来する人たちが、単なる訪問者ではなく、地域の未来づくりの担い手として関われる土台をつくることも、このプロジェクトの重要な役割です。これからも、大隅という地域を起点に、志ある方々とともに実践を積み重ね、次の時代につながるモデルを形にしていきます。」
登壇者紹介

キックオフパネルセッションの様子
天野 正治氏:国土交通省 大臣官房審議官(国土政策局担当)
岡村 充泰氏:株式会社ウエダ本社 代表取締役/一般社団法人ローカル・スタートアップ協会 会長理事
堀口 大輔氏:鹿児島堀口製茶有限会社 代表取締役社長/株式会社 和香園 代表取締役社長
山本 雄生氏:山と本と株式会社 代表取締役/POTLUCK YAESUプロデューサー
参考:『地域生活圏』新たな国土形成計画について
https://youtu.be/R9taRt38Ruk?si=N3mlb33-hUmXaUfe (Youtube)
一般社団法人ローカル・スタートアップ協会について
私たちは、「食と農の未来を耕す」をミッションに掲げ、勉強会、カンファレンス、政策提言を通じて、官民連携による実証・事業化を支援する団体です。全国の実践者が集う「ONE SUMMIT」を中心に、行政、スタートアップ、企業、金融機関、大学・研究機関、生産者など多様なプレイヤーが集う場をつくり、食と農の課題を“次の一歩”へ進めることを目指しています。
お問い合わせ先
一般社団法人ローカル・スタートアップ協会・大隅未来ラボ事務局
担当:稲田
Web:https://local-startup.jp/
関連ページ:https://peatix.com/event/4839216









