持続可能性への包括的アプローチを「フランス酪農産業の社会的責任2024」レポートで公開

掲載日: 2026年03月10日 /提供:Cniel(フランス全国酪農経済センター)

- 2025年目標に向けた評価レポートが明らかにする持続可能な酪農モデル -

CNIEL(フランス全国酪農経済センター)は、フランスの酪農業界が一体となって推進する社会的責任への取り組みとその成果をまとめた「フランス酪農産業の社会的責任2024」レポートを2026年2月に発表しました。生産者、乳業メーカー、流通業者など、業界のあらゆる関係者が参画する包括的な枠組み「France Terre de Lait(フランス・テール・ド・レ)」の活動をまとめたもので、経済的・社会的な課題、安全性への取り組み、動物福祉、そして消費者の信頼という多角的な視点から、持続可能な酪農の未来に向けた具体的な進捗を報告しています。




1. 【収益性と労働環境】インフレ下でも持続可能な経営に向けて「働きがい」を継続測定

 フランスでは正社員の中央値以上の収入を得た酪農家の割合が2023年では47.2%となり、前年の68%から大幅に減少しました。これはインフレによる生産コストの上昇が原因です。一方で、生産者の仕事に対する士気は、厳しい状況下でも2019年の基準値を上回る水準を維持しています。認知、経済的安定、仕事への愛着、労働負荷、サポート体制の5分野15項目で生産者の「働きがい」を100点満点で数値化する日本にはないフランス独自の計測手法を継続的に導入しており、2024年の結果は55.5点で、2023年の56.9点からわずかに低下したものの、基準年である2019年の53.9点を1.6ポイント上回り、2025年目標の60.0点に向けて着実に前進しています。

2. 【安全性への取り組み】4年連続で生乳の検査実施率100%を達成

 消費者に安全な牛乳・乳製品を届けるため、フランスでは農場から集荷される全ての生乳に対して抗生物質の残留検査を実施しています。この取り組みは2021年から2024年まで4年連続で100%の実施率を維持しており、国の認可を受けた業界間協定に基づき2025年にも更新予定です。

3. 【環境・動物福祉】数値目標と科学的評価で「見える化」を実現

 2024年12月末時点で、フランスの酪農家の55.4%にあたる22,786農場が低炭素酪農場プログラムに参画しており、2025年目標の50%を既に上回っています。このプログラムでは、科学的評価ツール「CAP'2ER(R)」を用いて各農場の環境負荷を定量化し、個別の削減計画を策定しています。また動物福祉の向上にも注力しており、科学的評価ツール「BoviWell」による診断を受けた農場は全体の73%に達し、そのうち81%が「優秀」または「優良」の評価を獲得しています。

4. 【国民的信頼】フランス国民の53%が「絶対的信頼」、目標51%を2年前倒し達成

 2024年に実施された調査では、フランス国民の53%が牛乳・乳製品に対して「絶対的な信頼を置いている」と回答しました。これは調査開始以来最も高い数値であり、2025年に目標としていた51%を前倒しで達成する結果となりました。消費者の主な関心事項としては、原産地・産地(14%)、衛生問題(7%)、健康(8%)が挙げられており、業界はこれらの懸念に対して透明性の高い情報提供と継続的な改善活動を行っています。



フランス酪農産業の社会的責任2024』レポート
?レポートPDFダウンロードはこちら:
(フランス語)
RESPONSABILITE SOCIETALE DE LA FILIERE LAITIERE FRANCAISE RAPPORT 2024




【CNIELについて】
CNIEL (フランス全国酪農経済センター) は、国内の酪農家、酪農協同組合、製造業者、および流通関係者からなる非営利団体であり、国内外で以下の活動を行っています。
1. 酪農業界の経済動向、および乳製品が健康に与える影響に関するリサーチ
2. チーズを中心としたフランス乳業製品の良質なイメージの促進と消費拡大のための広報活動
3. 国際規格ISO26 000「社会的責任」の創設原則を尊重した社会活動「フランス・テール・ド・レ」

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