ナフサショックが農作物の生産・出荷にも打撃|ボードン袋不足の影響で野菜が販売できない

掲載日: 2026年06月02日 /提供:農業総合研究所

~全国の産直農家が資材不足に悩み、今夏の野菜出荷への影響が懸念される事態に ~

「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する株式会社農業総合研究所(本社:和歌山県和歌山市、代表取締役会長CEO:及川 智正、以下「当社」)は、中東情勢によるナフサ不足の影響が、農業の出荷現場にも深刻な波及をもたらしており、その実態を明らかにするとともに、今夏の野菜供給への影響をお伝えします。



「野菜はあるのに、店頭に並ばない」ナフサ不足が農業の現場にも波及
ナフサ不足は建材・日用品にとどまらず、農業の出荷現場にも影響しており、特にボードン(防曇)袋の不足が大きな課題となっています。

ボードン袋は野菜を個包装する際に不可欠な製品であり、産直コーナーへの出荷にはなくてはならない資材です。ところが、ナフサを原料とするエチレンの国内減産が進むなか、ボードン袋が入手困難・価格高騰の直撃を受けています。

実際に、農産物は収穫できているにもかかわらず、梱包資材が手に入らないために出荷ができない事態が各地で起きています。

供給不足の状態が続けば、スーパーの産直コーナーにおけるミニトマト・きゅうりなど夏野菜が十分な量の陳列ができず、店頭価格の上昇をもたらす可能性があります。今夏の出荷最盛期を直前に控える中、産直流通の現場では緊張感が高まっています。

またボードン袋に加え、農業用マルチフィルム・灌水ホース・農業用パックなど、農業を支えるポリエチレン・塩ビ製品のほぼ全てがナフサ由来となっています。今回の問題はボードン袋単体にとどまらず、農業資材全体が打撃を受けています。



遠方への買い付け、知人への依頼、ネット買付、農家が資材を求めて悪戦苦闘
当社が今年5月に実施した生産者への実態把握(全国農家等38名)では、約9割が「4月以降に資材の価格・入手方法に変化を感じた」と回答しています。

「欠品・納品遅延を実感している」と答えた農家も約6割にのぼります。影響を受けた資材として最も多く挙げられたのはボードン袋で、ほぼ全ての回答者が言及していました。

【農家の声】
「欠品・取り寄せ不可の資材が出てきた、注文から納品まで時間がかかるようになった(キュウリ、人参、なす農家)」

「4月下旬、ボードン袋を先に発注しないと見積りすら出ない。発注後に価格が30~40%増、納期は未定という状況です(ネギ農家)」

「4~5月の播種シーズンにボードン袋の確保が見通せず、収穫後に出荷できないなら作っても意味がないと、種まき自体を見送らざるを得ない状況です(レタス・小ネギ農家)」

「いつも利用している資材店に在庫がなく、北海道の知人に購入を依頼して送ってもらいました(キュウリ農家)」

「農業総合研究所のスタッフに相談し、何とか資材を手配してもらいました。通常ではあり得ない状況です(ブロッコリー農家)」

「近隣では資材調達ができないので、遠方に何回も行かなくてはならない(ネギ・葉物農家)」
コスト高騰が農業経営を圧迫「作付けを減らすしかない」農家も
品薄だけでなく、入手できたとしても価格高騰の影響が農家経営を直撃しています。

当社の実態把握調査では、昨年比で「30%以上のコスト上昇」を実感している農家が約4割にのぼります。

ボードン袋以外にも、農業用マルチ・肥料・農薬・フィルム類など複数の資材が同時に高騰しており、農家のコスト負担は急増しています。しかし農産物の販売価格への転嫁はすぐには難しく、農家の手取りは実質的に減少し続けている状況です。

こうした状況を受け、「作付け面積を減らすことを検討した」と答えた農家も2割(7名)いました。

生産縮小の動きが広がれば、今夏の出荷量の減少を通じて農産物の市場価格を押し上げるだけでなく、来年以降の農産物供給にも影響が波及する懸念があります。農家を直撃するコスト高騰が、消費者の食卓にも影響をもたらしつつあります。
農業総合研究所 コメント
「農産物はあるのに出荷できない、あるいは作ること自体を諦めざるを得ない」。今回の資材危機が農業の現場を直撃している状況は、農業の持続可能性にとって深刻な問題であると認識しています。

当社は、全国81か所の集荷拠点を通じ、資材の調達状況に関する情報を生産者と共有しながら、農家の出荷継続を日々サポートしています。全国約10,000名の生産者と約2,000店舗の小売店をつなぐ産直流通プラットフォームとして、農業現場の実態をいち早く把握できる立場から、引き続き課題の発信と解決に向けた取り組みを進めてまいります。
調査概要
調査名  :農業資材の高騰・調達難に関する実態調査
調査対象 :農業総合研究所の登録生産者(農家)等 計38名
調査時期 :2026年5月
調査方法 :自記式アンケートおよびヒアリング
■ 会社概要
株式会社 農業総合研究所
〒640-8341 和歌山県和歌山市黒田99番地12 寺本ビルII4階
URL: https://nousouken.co.jp/

「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本及び世界から農業が無くならない仕組みを構築することを目的とした産直流通のリーディングカンパニーです。全国約10,000名の生産者と都市部を中心とした約2,000店舗の小売店をITでダイレクトに繋ぎ、情報・物流・決済のプラットフォームを構築することにより、農産物の産地直送販売を都市部のスーパーで実現した「農家の直売所事業」と、農産物をブランディングしてスーパーなどで提供する「産直事業」を展開しています。
■ 本件に関するお問い合わせ
株式会社農業総合研究所 経営企画部 広報課
〒640-8341 和歌山県和歌山市黒田 99 番地 12 寺本ビルII4 階
TEL :073-497-7077 Mail: pr@nousouken.jp

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