一般社団法人 海のごちそう推進機構と一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめは、魚を実際にさばくこと、地域の海洋変化や魚種の変遷を学ぶこと、さらに地域の郷土料理に根差した調理体験など、日本の豊かな海の食文化を継承し輪を広げる取組み「日本さばける塾 in 八幡浜」を1月10日(土)に開催しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

「日本さばける塾 in 八幡浜」イベント概要
・開催概要海の厄介者として認識されがちな低利用魚「アイゴ」を題材に、地域の海が抱える課題や海洋環境の変化について理解を深めることを目的として開催しました。開催地である八幡浜市は、宇和海近海で水揚げされる水産物が集まる「愛媛の台所」として知られ、豊富な水産資源と向き合いながら海の恵みを活用してきた地域であることから、本企画の舞台として選定。
1.八幡浜市の水産業の特徴や流通の仕組みについて学び、「どーや市場」の役割や魅力について学習。
2.実際に市場を見学し、参加者自身が魚を選び購入することで、地域の水産物に直接触れる機会を設ける。
3.海の厄介者として知られる「アイゴ」が増加している背景や、海が抱える課題への理解を学ぶ。
4.講師による魚のさばき方の解説と調理実演。
5.参加者が海の厄介者として知られる「アイゴ」および購入した魚を実際にさばき、「天ぷら」「刺身」「アクアパッツァ」「煮付け」に挑戦、調理後は試食を行い、低利用魚の活用方法や魚のさばき方を学ぶ。
・日 程 2026年1月10日
・開催場所 八幡浜市水産物地方卸売市場 2階調理室
・参加人数 8組19名
・協力団体 八幡浜市水産港湾課
市場を学び、魚にふれる体験学習
はじめに、八幡浜市水産港湾課の山内武弥さんから、八幡浜市の水産業の特徴や魚の流通の仕組みについて説明をしていただきました。魚が水揚げされてから食卓に届くまでの流れを知り、参加者は普段何気なく口にしている魚は、多くの人の仕事が関わっていることを実感しました。また、「どーや市場」が地域の水産業を支える重要な役割を担っていることを学び、身近な市場の存在を改めて意識するきっかけとなっています。続いて、講師である八幡浜市シーフードマイスターの中榮清幸さんから、市場での魚の買い方についてお話を伺いました。お店の人と積極的に会話をすることや、迷ったときは直感を信じて選ぶことの大切さを知り、魚選びへの意識が変わりました。その後、どーや市場を見学し、市場に並ぶ多様な魚を実際に見て、写真や図鑑とは違う迫力を感じながら、学びが体験としてつながっていく感覚がありました。実際に魚を購入し、自分で選ぶ楽しさを味わう参加者もいました。普段、市場に入ることはないのですが実際の空気に触れて、新たな気づき、発見も多かったようです。

海の厄介者「アイゴ」の活用と、調理技術について学ぶ
市場から帰ってきたあとは、海の厄介者である「アイゴ」について、講師の株式会社古屋野水産の古屋野太一さんからお話を聞きました。アイゴは、ヒレに毒があり、皮や内臓から独特の臭いが出ることから、市場に流通することの少ない魚です。古屋野さんからは、漁獲方法や一定期間の生かし、締め方、さばき方を徹底して管理することで、臭みを出さずに調理できることを学びました。座学の後は、古屋野さんによるアイゴのさばき方、中榮さんによる魚のさばき方のデモンストレーションを見学しました。手際よくさばかれていく様子を間近で見て、魚の扱いの難しさや高い技術を感じるとともに、魚を大切に扱うことの意味を考える時間となりました。続いて、中榮さんが持参した魚とアイゴを使い、講師の指導のもと実際に魚をさばきました。アイゴはヒレに毒があるため、はじめにハサミでヒレを取り除き、続いて専用のハサミを使って浮き袋を処理するなど、普段は経験できない工程を行いました。参加者は毒に注意しながら一つひとつの作業に真剣に取り組みました。

自分で選び、さばき、味わう魚のひととき
下処理を終えた後は、さばいた魚を使って調理を行いました。アイゴは、新鮮なものならではの引き締まった身を活かし、お刺身と天ぷらに仕上げ、特に、中榮さんおすすめの生姜醤油で味わうアイゴは、素材のうま味を感じられる一品でした。また、参加者が自分で選んだ魚については、煮付けまたはアクアパッツァのいずれかを選んで調理。煮付けは、魚がやわらかくなるまで丁寧に火を入れ、生姜の香りが全体に行き渡る仕上がりとなりました。アクアパッツァは、ニンニクとオリーブオイルの香りにドライトマトの風味が加わり、魚のおいしさを引き立てる料理です。調理後は、完成した料理を味わい、自分でさばき、調理した魚のおいしさを実感する時間となりました。慣れない作業に苦戦しながらも、参加者同士で声を掛け合い、終始和やかな雰囲気の中で調理が進みました。完成した料理を味わう場面では、「料理の幅が広がった」「美味しい魚を調理できて楽しかった」といった声も聞かれ、自ら選び、調理した魚のおいしさを実感する時間となりました。
参加者からの声
■一度は魚の捌き方を習いたいと思っていたのでとても良い機会でした。(20代男性)■とてもたのしかったです。お魚の捌き方が難しかったですが、プロの方に教えていただきながらできたのが本当に良かったです。(40代女性)
■いつも食べる魚とは違った魚を食べることができ、魚料理は種類によって楽しめることが分かりました。また、さばき方も違うことを知りました。丁寧に教えてくださり、よく分かりました。
捌くのが楽しかったです。そして、アクアパッツァが予想以上に美味しく、料理の幅が広がりました。
何より、子どもが魚を触ることに興味を示したうえ、美味しく味わえたので、またやりたい、食べたいと、今まで以上に魚が好きになったようです。楽しい企画をありがとうございました。(50代女性)
<団体概要>
団体名称:一般社団法人 海のごちそう推進機構
URL:http://sabakeru.uminohi.jp/
活動内容:日本さばけるプロジェクトの運営
(日本さばける塾・YouTube「さばけるチャンネル」の企画・運営などの業務)
団体名称:一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめ
URL:https://ehime.uminohi.jp/
活動内容:愛媛県内の海を中心とする食・文化・スポーツ・自然環境等の分野において、様々な関係者と連携した活動のムーブメント作り、イベント開催、情報発信等を実施する。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/









