漁業由来の海洋プラスチック削減に向けて UMITO Partners、国際イニシアティブ「GGGI」に加盟

更新日: 2025年04月18日 /提供:UMITO Partners

「ウミとヒトのポジティブな関係をつくる」をパーパスに海のネイチャーポジティブを推進する株式会社UMITO Partners(本社:東京都中央区、代表取締役:村上春二)は、2025年4月、海洋プラスチックごみの一因とされる「ゴーストギア(廃棄・遺失漁具)」の削減を目指す国際ネットワーク、Global Ghost Gear Initiative(GGGI)に加盟いたしました。

GGGIは漁業関係者、NGO、アカデミア、政府機関などが連携し、世界的なゴーストギア問題に対する持続的な解決策を見出すための国際的枠組みです。UMITO Partnersは日本の民間企業として初の加盟となります。

https://www.ghostgear.org/

■GGGI加盟の背景と目的
人の手を離れた漁具が海に残された状態は「ゴーストギア」と呼ばれます。海中での使用を前提に設計された耐久性の高い漁具は、回収や分解が困難であり、長期間にわたって海中に残存します。これにより、ウミガメや魚類などの海洋生物が意図せず捕獲され続ける「ゴーストフィッシング」や、サンゴ礁などの生息環境の破壊、海岸漂着による景観の悪化、航行中の船舶への絡まりといった被害が生じ、最終的にはマイクロプラスチック化による汚染へとつながるなど、海洋生態系や水産資源、沿岸地域の経済に深刻な影響を与えています。

近年、プラスチックごみによる海洋汚染への関心が高まる中、レジ袋やペットボトルなどの「使い捨てプラスチック」と比べ、漁網やロープなどの漁具に対する認知や対策は十分に進んでいないのが現状です。海に放置・流出した漁具は、北太平洋におけるゴミベルト(海流の影響により海洋ごみが集積しやすい海域)では浮遊するマイクロプラスチックのおよそ70~86%(重量ベース)を占めるとされ[注1]、日本国内の海岸漂着ごみにおいても、約60%(重量ベース)を占めるとされています[注2]。こうした状況を踏まえ、漁具のトレーサビリティ確保や適切な処分・流出防止に向けた取り組み、さらに再資源化を前提とした設計・運用が強く求められています。

GGGIは、こうしたゴーストギアの問題に対し、科学的知見と国際的な協力を通じて解決を目指す世界的なプラットフォームです。UMITO Partnersは、海のレジリエンスを高めることを企業ミッションの一つに掲げ、持続可能な漁業・養殖業への転換と、海のネイチャーポジティブの推進に取り組んでいます。

今回のGGGI加盟を通じて、国際水産エコラベル認証取得において更に注視されるゴーストギア対策への対応力を強化するとともに、「30 by 30」をはじめとした陸域との連続性を踏まえた国際的な沿岸域管理への貢献を目指します。さらに、ゴーストギアにとどまらず、海洋プラスチックの削減にもビジネスの力で取り組み、経済と環境保全の両立を実現するサーキュラーエコノミーの推進を図ってまいります。
メッセージ


「私たちは、海に関わるさまざまな現場で、廃棄・流出した漁具の実態を目にし、その改善の難しさと重要性を日々実感しています。GGGIへの加盟を通じて、より多くの企業や関係機関の皆さまと連携し、リジェネラティブなビジネスで『海と人が豊かな社会の実現』を目指していきたいと考えています。」

― 株式会社UMITO Partners 代表取締役 村上春二







「We are proud to welcome UMITO Partners as one of the newest members of the GGGI. We look forward to working together with UMITO Partners - our first private sector member from Japan - and with fishers and coastal communities to protect the ocean from ghost gear in this region.
(UMITO PartnersがGGGIの新しいメンバーに加わったことを、とても嬉しく思います。日本の民間企業として初の加盟となるUMITOと一緒に、日本の漁業者や沿岸のコミュニティと力を合わせて、ゴーストギアから海を守る活動を進めていけることを楽しみにしています。)」

― Joel Baziuk, Associate Director of the GGGI at Ocean Conservancy.



[注1]Eriksen M.他 (2014) Plastic Pollution in the World’s Oceans: More than 5 Trillion Plastic Pieces Weighing over 250,000 Tons Afloat at Sea.
Eriksen M.他 (2022) Industrialised fishing nations largely contribute to floating plastic pollution in the North Pacific subtropical gyre. https://doi.org/10.1038/s41598-022-16529-0

[注2] 豊島淳子(2021)「放棄・投棄された漁具による海洋汚染について」笹川平和財団海洋政策研究所『海の論考』No.20
https://www.spf.org/opri/global-data/opri/perspectives/prsp_020_2021_toyoshima.pdf
GGGIについて
■組織名:Global Ghost Gear Initiative(グローバル・ゴースト・ギア・イニシアティブ)
■URL : https://www.ghostgear.org/
■運営:Ocean Conservancy
■代表者:Ingrid Giskes(イングリッド・ギスケス), Senior Director of GGGI and International Government Relations
■設立:2015年
■事業内容:
・廃棄・遺失漁具(ゴーストギア)の削減に向けた国際連携の推進
・漁具回収・再資源化の支援
・政策提言・ガイドライン策定
・漁具の設計改善や流出防止技術の普及
・ゴーストギア問題の解決に向けたプロジェクトの実行
UMITO Partners(ウミトパートナーズ) について
「ウミとヒトが豊かな社会の実現」をビジョンに掲げ、海の回復力を高めるべく、持続可能(サステナブル)な漁業・養殖業への転換と海のネイチャーポジティブを推進する海洋コンサルティング事業等を実施。2023年4月には、国内水産業界で初めて社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対するアメリカ発の国際的な認証制度「B Corp認証」を取得。

■会社名:株式会社 UMITO Partners
■URL:https://umitopartners.com/
■所在地:東京都中央区日本橋小舟町14-7
■代表取締役:村上春二
■設立:2021年6月1日

■事業内容:
海洋領域におけるシステムチェンジ / 漁業・養殖業の改善・認証支援/ 海洋生態系と生物多様性の保全 / ブルーファイナンス支援 / 気候変動対策支援 / 再生可能エネルギー関連支援 / サステナブルシーフードの企画・流通支援 / 水産・海洋テックの導入と実証支援

■漁業・養殖業コンサルティング支援実績:
MSC漁業認証取得支援:中西部太平洋カツオ・キハダマグロのまき網漁業 / 岡山県瀬戸内市邑久町垂下式カキ漁
ASC認証取得支援:熊本県天草市マダイ漁業(AIPからの移行) / 宮城県女川町ギンザケ漁業(AIPからの移行)
サステナブル漁業プロジェクト:北海道苫前町ミズダコ樽流し漁業(FIP) / 広島県倉橋島垂下式カキ漁業(FIP) / 北海道マイワシサステナブル漁業(FIP) / 宮城県気仙沼ヨシキリザメ・メカジキはえ縄漁業(FIP) / 千葉県船橋市東京湾スズキまき網漁業(FIP) / 和歌山県那智勝浦町ビンチョウマグロはえ縄漁業改善プロジェクト(FIP) / 熊本県天草市マダイ漁業(AIP) / 宮城県女川町ギンザケ漁業(AIP)

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