効率の先にある「選ばれる企業」への転換:組織行動科学(R)

更新日: 2025年04月18日 /提供:リクエスト

信頼を生む文化と生成AIの共創による、新しい組織づくりの提言を公開

リクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 甲畑智康)は、企業文化と人的資本経営の未来に向けた提言書『効率の先にある「選ばれる企業」への転換』を2025年4月16日に公開しました。

本提言では、“意味ある行動”に着目し、行動の質を構造化・再現・継承することで、信頼と成果を両立する文化の設計図を提示。生成AIとの共創による実践的アプローチも含めて公開しています。この取り組みは、私たちが提唱する組織行動科学(R)の最新知見と実践に基づいています。




提言書 目次:『効率の先にある「選ばれる企業」への転換』

- 創業時にあった効果志向の価値観はなぜ失われたか?
- 「行動の質」が削られた結果、何が起きているか?
- 効率化では差別化できない時代に入った
- 外部の仕組み導入と組織の“空洞化”リスク
- 「行動の質」を決めるのは、スキルではなく価値観
- 意味ある行動が埋もれない“職務設計”とは?
- 「行動の意味」を再定義する17の経験ステップ
- 価値観を育てる組織が、選ばれる企業になる
- 生成AIが支える意味ある行動の再構成とリーダー育成
- 最後に:問うべきは「何を削り、何を守るか」




▼ 提言書(フルバージョン13ページ)

無料ダウンロードページ:
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※ リクエスト株式会社は、「Behave:より善くを目的に」を掲げ、国内336,000人の組織で働く人たちの行動データに基づいた組織行動科学(R)を中核ブランドとし、人間の行動と思考を研究開発する5つの機関が連携。これまで930社以上の人的資本開発を支援してきました。
https://www.requestgroup.jp/




【提言書:サマリー】

1. 現状の組織の問題(組織行動科学(R)より)

効率の限界と、「意味のある行動」が失われつつある現場のいま:多くの企業では、業務スピード・正確性・コスト削減といった「効率化」がすでに一定の水準に達し、短期的な成果の最大化には大きく貢献してきました。これは、少子高齢化・人手不足・時間制約といった社会的制約への合理的な適応でもあり、経営判断として正当なものであったといえます。しかし今、その“成果の裏側”で、見過ごせない兆しが現れ始めています。それは、特に自ら考え、全体構造を見て動けるごく一部(およそ10%程度)の社員層から発せられる、静かだが鋭い声です。
- 「誰の役に立っているのかがわからない」
- 「成果は出ているが、やりがいを感じない」
- 「対応は早いけれど、心が通わないと顧客に言われた」

こうした声は、今はまだマイノリティかもしれません。けれどもこの層は、組織において「価値観と行動のズレ」に最も早く気づける存在。彼彼女らが感じているのは、単なる不満や疲れではありません。そこには、言葉になりきらない違和感と共に、組織の未来に向けた“問い”が込められています。たとえば、
- 顧客対応のスピードは上がったが、「冷たくなった」と言われるようになった
- 数字は伸びているのに、離職率は下がらず、愛着を語る声が減ってきた
- KPIは達成されていても、社内の関係性に温度が感じられない

こうした現象は、単発の出来事ではなく、“行動の意味”が失われつつある兆候といえるでしょう。そしてこの意味の喪失は、放っておけばやがて組織全体に波及し、取引先や顧客との信頼、社内メンバーの誇り、そして文化としての企業らしさを徐々に損なっていきます。

2. 意味ある行動とは何か?それは“より善くなる関係”を生む工夫

“意味ある行動”とは、単に丁寧で親切なふるまいを指すのではありません。それは、顧客・取引先・社内メンバーにとって、「より善い状態」への一歩を生み出す工夫と判断のことです。たとえば、
- 工程の混乱を察知し、納品タイミングを調整する
- 顧客の曖昧な要望を読み解き、背景にある本質的な課題を提案に落とし込む
- チームメンバーの詰まりに気づき、仕事の手を止めて声をかける

これらは、マニュアルやルールでは指示できません。しかし、いずれも“誰かの安心や成功を支える行動”として、確実に信頼を築いていきます。その背後には、「効率」だけでなく、「効果を生む価値観」が根づいています。「何を早く・正確にやるか」ではなく、「誰に・どんな関係で価値を届けるか」という視点が、行動の質を決定づけているのです。



3. なぜ、“意味ある行動”は取引の維持・拡大につながるのか?

取引が続き、広がっていく企業には、数値では測れない共通の評価があります。
- 「こちらの状況をよく理解してくれている」
- 「困ったときに、まず相談したくなる」
- 「提案が一歩先を読んでいて助かる」


これらの言葉は、単なる親切さや対応スピードを指しているのではありません。その背後には、“こちらの立場や構造、関係性まで踏まえて動いてくれている”という安心感と信頼があります。たとえば、
- 「こちらの状況をよく理解してくれている」とは、目の前の依頼だけでなく、その背景にある現場の事情や工程全体の流れ(バリューチェーン)をくみ取りながら、最適な関わり方を選んでくれているということ。
- 「困ったときに、まず相談したくなる」とは、こちらの意図や制約をふまえつつ、表面的な応答ではなく、“どう関われば価値が出せるか”を一緒に考えてくれる存在であること。
- 「提案が一歩先を読んでいて助かる」とは、与えられた情報だけでなく、事実の奥にある“構造のズレ”や“関係性の変化”まで想像し、先回りして対応してくれていることへの信頼です。






このように、“意味ある行動”は、単なる作業や礼儀ではなく、相手の状況・背景・人間関係を含む全体文脈への想像と接続から生まれるのです。そして、それが積み重なることで、
- 値引きではなく“信頼”で選ばれるようになる
- 「相みつによる比較対象」ではなく「共働」の対象となる
- 「この人・この会社とならやっていける」という関係性の資産が築かれる

すなわち、“意味ある行動”とは、価格競争を超えて、継続的な取引と紹介を生み出す“無形の競争力”でもあるのです。

4. どうすれば、“意味ある行動”を再現できるのか?

このような行動は、感覚や性格に依存するものではありません。実際には、誰もが通る「内面的な変化のプロセス=価値観の成長ステップ」を経て、意味ある行動を獲得していきます。

主体性と信頼を育てる「価値観の成長ステップ」
(行動アンラーニング(R) :「既存の思考や行動の前提を問い直し、意味を再構築する成長プロセス」)
- 違和感に気づく:「このままでいいのか?」と自分の行動をふり返る
- 内省する:自分の行動が誰にどう影響しているのかを考える
- 相手を想像し、対話する:相手の背景(バリューチェーン)に目を向け、対話を重ねる
- 意味を実感する:相手の反応を通じて「やってよかった」という手応えを得る
- 行動が波及する:周囲の行動にも影響を与え、信頼の循環が生まれる
- 文化になる:行動の意味が言語化され、共有・継承されていく

このステップは、個人の気づきを起点に、チーム・組織へと波及していく流れを生み出します。そして、それが再現可能な仕組みとして根づいた時、組織の文化は「行動の質」に支えられたものへと進化する



5. 再現可能にする鍵=生成AIの活用

属人的な「良い動き」を組織に定着させるには、行動の背景・構造・意味を整理し、言語化・共有するプロセスが欠かせません。その知的補助役として、私たちは生成AI:人的資本開発アシスタント(R)「育成・評価・継承支援を行う知的補助者として機能する仕組」を活用しています。
生成AIの主な役割:
- 構造化の補助者:実践経験を「事実・背景・意味」に分解・整理
- 多視点評価の分析者:目的・関係性・変化・再現性など多角的に評価
- 次の行動のヒント提供者:気づきを次の行動につなげる“問い”を生み出す

生成AIは単なる効率化ツールではありません。行動の意味を構造的にひもとき、再現性のある“学び”として可視化・共有する存在です。これにより、個人の経験が組織の知へと翻訳され、文化として定着していきます。



6. 経営層の皆様へ ― 次世代に残すべき行動とは?

ここまで見てきたように、「意味ある行動」は、成果だけでなく信頼も生み出す、企業にとって最も本質的な価値創出の源泉です。だからこそ、今こそ問い直すべきです:
- 御社にとって、“削ってはいけない行動”とは何でしょうか?
- その行動は、誰にとって、どんな“より善い変化”を生んでいますか?
- それを再現可能にし、組織の仕組みとしてどのように継承していきますか?

経営とは、短期成果を最大化する「仕組み」を整える営みであると同時に、長期的な信頼を育てる「行動」を選び取り、守り抜く意思決定の連続でもあります。いま私たちが守るべきなのは、誰かがより善くなるために、自ら考えて動いたその一歩”なのではないでしょうか。

用語解説

■ 行動アンラーニング(R)
これまでの思考や行動の前提を一度手放し、現場での経験を通じて「意味」を再構成していく学習・変化のプロセス。既存の“正しさ”にとらわれず、違和感や内省、対話を通じて、主体的な行動と信頼関係を再構築していく道筋を指す。→ 変化の時代において、過去の成功パターンを手放し、“信頼される行動”に進化するための必須プロセスである。
■ 組織行動科学(R)
人と組織の間にある行動・心理・関係性の変化を科学的に捉える学問領域。行動の背後にある「構造・関係・文脈」を分析し、持続的な組織の進化を支援する設計思想でもある。→ “表面的な行動の良し悪し”ではなく、その背景にある構造的要因まで見抜き、組織全体の質を高める視点を提供する。
■ 意味ある行動
顧客・取引先・社内メンバーにとって、「より善くなる」ためのきっかけを生み出す行動。単なる業務の遂行ではなく、背景や関係性を想像し、相手の文脈に応じた創意ある関わりを含む。→ その行動が“誰の、何を善くしたのか”という視点こそが、信頼・成果・文化の連鎖を生み出していく。
■ 信頼の巡環
意味ある行動が信頼を生み、その信頼がまた新たな行動を促し、組織文化へとつながる好循環のこと。行動 → 信頼 → 行動 → 文化 という循環構造を持ち、組織の「らしさ」や魅力の源泉となる。→ この循環が根づいた組織では、メンバーが自ら動き、共に考え、未来の選ばれる力が育っていく。
■ 人的資本開発アシスタント(R)
生成AI(GPT)を活用し、リーダーの育成・実践経験の内省・行動の意味づけ・知の継承を支援する仕組み。人間の思考を補い、意味の再構築と対話の質を高める“知的共創パートナー”として機能する。→ 育成や評価において、“何を大切にして動いたか”を言語化し、組織全体での学びと継承を可能にする。



【提言書ダウンロード】全13ページ

『効率の先にある「選ばれる企業」への転換』
~ 信頼を生む行動の文化化 × 生成AIによる知の継承 ~
▼ この資料で得られること
- 行動の「質」が成果と信頼の両立を可能にする構造とは?
- 行動が文化になる6ステップと再現のプロセス
- 生成AIが人的資本開発アシスタント(R)として担う支援とは?
- 経営層への問い:「削ってはいけない行動」とは何か?

▼ こんな方におすすめ
- 人的資本経営を“言語と仕組み”で支えたい経営・人事・現場責任者
- 生成AIを育成・評価に本質的に活かしたいリーダー
- 「組織文化はどう育つか?」を探求している方

▼ 提言書(フルバージョン13ページ)ダウンロード:
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【本件に関するお問い合わせ】

リクエスト株式会社
Human Capital Development XR HRD(R) Team
E-mail:request@requestgroup.jp




【会社概要】
社名:リクエスト株式会社
- 所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
- 代表者:代表取締役 甲畑智康
- 事業内容:組織開発・人材育成・AI活用支援 等
- ブランド基盤:組織行動科学(R)


- コーポレートサイト:https://requestgroup.jp/
- 代表プロフィール:https://requestgroup.jp/profile
- 会社案内ダウンロード:https://requestgroup.jp/download






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