棚入れ・付帯作業の有料化と契約の再構築
物流効率化法の改正により、これまで多くの食品卸売業者が配送のついでに行っていた棚入れや付帯作業は、荷役等時間として扱われることになる。
例えば官公庁の公式サイトによると、荷役等時間とはトラックドライバーが荷役その他の付帯業務に従事した時間として明確に定義されており、搬出・搬入・検品・棚入れ・棚出し・商品陳列・ラベル張りなどの日常作業も含まれる。
[参考]物流効率化法理解促進ポータルサイト「荷待ち時間」と「荷役等時間」の算定方法について
食品業界では、これらの業務を無料サービスとして実施していた企業も少なくないだろう。しかし物流効率化法に基づく判断基準の対象となるため、従来の感覚で実施し続けると取り組み不十分とみなされるリスクがある。今後は配送の担当者が現場で行うべきものという認識を変え、以下のような方針で改善する必要性が出てきているのだ。
契約形態への見直し
制度の改正に適応するには、運賃と荷役料を分離した契約形態への見直しが求められる。例えば、2024年に改正された標準貨物自動車運送約款では、運送業務等に区分されていた荷待ち・積込み・取卸しが、積込み又は取卸し等に改められた。
[参考]国土交通省「標準的運賃」 及び「標準運送約款」の見直しについて」
この標準的な運送約款でも、運送サービス(運賃)と荷役等作業(荷役料)は分離して契約することが推奨されていることが伺える。これまで曖昧だった作業範囲を明確に規定し、対価を受け取る構造への転換が必要だ。
持続可能な食品物流を実現する4つの施策
物流2026年問題では、物流効率化へ向けた様々な業務や仕組みの義務化が行われ、これまで当たり前だった商習慣そのものを見直す必要がある。具体的にどのような施策を実施すべきか、4つの方法を解説する。
(1)配送頻度の適正化
食品卸業界では、食品の鮮度を保つことや店舗のスペースを有効活用するために、少ない量をこまめに運送する多頻度小口配送が一般的となっている。調理するために必要な多くの食材をこまめに仕入れることで、飲食店などが在庫リスクを抑えられるからだ。
しかしこの方法では、トラックの積載率が下がり配送頻度も増加するため、物流の効率化が著しく低下してしまう。そこで、毎日ではなく週2~3日にまとめたり曜日ごとの配送へ切り替える施策が挙げられる。
これにより、トラックの積載率向上や配送の効率化を実現できるだけでなく、配送料などの削減にもつながる。飲食店側の在庫リスクに対しては、在庫管理のデジタル化を提案したい。
在庫管理システムを活用すれば、受発注データの蓄積や販売傾向を分析することで、適正在庫を維持しやすくなる。食品卸売企業としては、こうした利点が飲食店側にもあることを理解してもらい、双方で配送頻度の適正化を図ることが大切だ。










