SNS映えする「思わずカメラで撮影したくなる」メニューとは
飲食店に訪れるお客の中には、注文した料理の写真や動画をSNSに投稿する人も多い。主な目的としては、美味しそうな料理や見栄えの良い食事風景などをSNSにアップし、フォロワーに閲覧してもらうことだ。
これにより飲食店の雰囲気やメニューなどの情報が、多くのSNSユーザーに拡散される。販促費をかけにくい飲食店にとって、SNS映えするメニューの提供は、認知度アップや集客につながるため、販促戦略の上で重要になっている。
では具体的にSNSに投稿されやすいメニューとは、一体どういったものなのだろうか。ここからは「思わずカメラで撮影したくなる」ような、SNS映えするメニューについて解説していく。
色鮮やかなスイーツや「非日常」が体験できるメニュー
最もSNS映えしやすいメニューが、スイーツ系のメニューだ。カラフルなケーキや色鮮やかな美しいドリンクは、ぱっと見で人目を引きやすい。またアニメや漫画の中に出てくるような幻想的なビジュアルのスイーツは、お客様に非日常的な体験を提供できる。
人は綺麗なものを見ると心が安らぎ、時には感動を得ることもある。もちろん個人によって価値観は異なるものの、基本的には好印象となることが多いはずだ。こうした見栄えの良いメニューは、ついつい写真を撮ったりSNSに投稿したくなったりする。
メニューにおいて、色合いはとても重要な要素だ。一般的に赤やオレンジなどの暖色系は食欲を刺激しやすく、黒や青などの寒色系だと食欲を減衰させると言われている。
特にスイーツは、トッピング用の材料やフルーツなどに色鮮やかなものが多く、調理工程でも着色しやすい。美しい色合いや美味しそうな見た目を演出できるため、SNSに適したメニューの開発にもってこいだ。
シズル感の演出があるメニュー
特に雑誌に掲載されているメニューには、見ただけで食欲をそそる美味しそうなメニューがたくさん紹介されている。具体的には、とろりとしたチーズがはみ出したハンバーグや、甘そうなはちみつやシロップ、ホイップが添えられたパンケーキなどだ。
ドリンクひとつをとっても、ガラスコップの表面に水滴を付着させることで飲み物をより美味しく見せられる。こうした演出が施されていれば、お客様としてもSNS映えする写真を撮影しやすい。
そこで飲食店としては、通常の料理やスイーツに一手間加えるなどの工夫が求められる。例えば、美味しさを伝えたいのであれば、あえて中身が見える形で料理を提供する、見応えのあるメニューに仕上げるなら、トッピングや材料をふんだんに使用する方法などが挙げられるだろう。
意外性のあるメニュー
一方で、分かりにくさを逆手に取ったメニューも、その意外性からSNS映えしやすい。
例えば和洋菓子を取り扱う「虎屋」は、お好み焼きやたこ焼きに見立てたスイーツ、ざるそばを模したモンブランなどを販売。デザートバイキングを展開する「スイーツパラダイス」では、中華そばケーキやチャーハンケーキなどを提供している。
こうした本物の料理と見間違うほどのスイーツは、ビジュアルと中身のギャップから高い話題性があり、SNSへ投稿したい、という欲求をかき立てる。さらに物珍しさも相まって、いいねやリツイートなどでより多くのユーザーへ拡散されやすい。
ただし、意外性のあるメニューは開発に多大な時間が掛かり、製造コストも高くなりがちだ。社内でアイデアを募り、実現できそうなメニューがあれば挑戦してみるのも良いだろう。
規格外のメガ盛りメニュー
特大サイズやメガ盛りの料理といった、シンプルな見た目でありながら派手さやインパクトのあるメニューもSNS映えしやすい。通常のサイズ感とかけ離れた大きさや小ささの料理は、見ている人の固定概念を吹き飛ばすほどの分かりやすい衝撃があるからだ。
例えば、バケツで作った巨大なプリンや1kgほどのパティを挟んだジャイアントバーガーなどが挙げられる。子どもの頃に誰もが妄想したことのある超巨大料理が実現していれば、その話題性からSNSでバズらせることも不可能ではないだろう。
逆に大きいだけでなく、料理の小ささや極端に量が少ないものなどでも注目を集めやすい。手のひらに乗るようなミニサイズのバーガーや、一口サイズのオードブルなどの可愛らしい料理は、女性や少食の方でも「来店してみようかな」と思ってもらえる。
飲食店のメニューでは、こうしたサイズ感の違いによる魅力も演出しやすい。自店舗のターゲット層に応じて、規格外のメニューを開発してみてはいかがだろうか。
季節の食材・イベントメニュー
期間限定や季節限定と銘打った商品は、消費者に今だけ感を与える。飲食店のメニューであれば、ついつい注文したくなるお客様も多い。その稀少性の高さから、SNSに投稿するお客様も増えるはずだ。
特に季節感のあるメニューや食材はトレンド感が強く、SNS映えもしやすいだろう。夏ならかき氷、冬であればおでんや鍋料理などがある。さらに提供時期が限られているメニューなら、「せっかくだから行ってみよう」「近くに寄った際には訪れてみよう」と思ってもらいやすい。
また季節ごとにある行事やイベントは、消費者が外出する機会も増えるため、店舗の集客にもつなげられる。クリスマスやバレンタインデーなどの特別感があるものは、家族や恋人などと一緒に訪れる人も増えるだろう。
せっかく新しいメニューを開発するなら、SNS映えだけでなく、直接的な店舗の売上にも貢献させたいもの。期間や店舗限定、季節感などの付加価値をつけ、多くの人が興味を引きやすいメニューに仕上げよう。
動画によるSNSシェアにも要注目!提供時の演出アイデア
YouTubeやTwitter、インスタグラムなどの主要なSNSでは、写真だけでなく動画投稿も可能だ。動画によるSNSシェアは、写真よりも動きのある映像となっており、メニューの魅力を伝えやすく、投稿者の驚きや感想などの反応も差し込みやすい。
SNSではユーザー同士での交流が盛んなため、今後も動画投稿でのシェアはますます増えることが予想される。そうした理由もあり、飲食店では動画撮影にマッチしたメニュー開発が求められているのだ。
具体的には、お客様の前で調理することや料理の提供時に盛り付けを行うなど、動きのあるメニューや派手な演出のあるメニューなどが挙げられる。
SNSでよく見かけるものとしては、目の前でご飯の上にこぼれるほど盛ってくれるいくら丼、熱々のチョコをかけることで中身があらわになるショコラスイーツなど、ユニークなメニューの投稿を見たことがある人も多いだろう。
またグツグツ煮えたぎっているチーズダッカルビや、熱々の鉄板に乗せて提供されるステーキなども動画での見応えがある。これらの人目を引くような演出を提供時に取り入れることで、よりSNS映えしやすいメニューとなるはずだ。
SNSの特徴・SNSごとに利用者層も異なる
SNSの利用者層は実に様々で、何がきっかけとなってバズるか分からないことも多い。SNS投稿で集客や認知度アップを狙うなら、それぞれのSNSに応じた客層をターゲットに絞ることも重要といえるだろう。
それぞれのSNSについて詳しく解説しているので、ぜひマーケティングの参考にしてみてほしい。
メニューの見た目や演出などの様々な要素がSNS映えには必要
飲食店でSNS映えを狙うのなら、お客様がついつい写真や動画を撮りたくなるようなメニュー開発が基本となる。料理の規模や華やかさなど、いかに見た目でインパクトを与えるか、お客様に喜んでいただくかが重要となる。
またメニューそのものだけでなく、提供する際の演出や接客サービスを工夫することも必要だ。通常の飲食店とは異なる趣向を凝らすことで、独自性や稀少性が生まれて話題となりやすいメニューを作ることが可能になる。
もちろんどんな料理が喜ばれるかはお客様によって違うため、自店舗へ訪れる顧客に合わせたメニューの修正も忘れてはいけない。こまめなレシピ改変や原価変更に対応するためメニューの改変履歴の把握や、原価率オーバーを防ぐための原価管理が必要となる。
実際にメニューを体験したお客が投稿したSNSの内容は、ほかの消費者にとっても信頼性が高い情報と捉えられるだろう。SNSをうまく活用していけば、顧客との距離が近くなり、さらなる口コミや集客にもつながりやすくなる。ぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。