グルメサイトだけに頼らない集客方法
インターネットでの集客の代表的な手段が、グルメサイトへの情報掲載だろう。ただ、クーポンや割引プランを掲載して新規客を獲得する以外に、より持続性のある集客手段も講じたい。
近年、消費者の飲食店選びは、グルメサイトよりGoogleなどの検索エンジンやマップを使う傾向にあるという。背景にはモバイル機器の普及と位置情報機能の発達があり、今や検索手段の7割はモバイルだという調査結果もある。グルメサイトから候補を絞り込むより、スマートフォンで直接「近くの居酒屋」などと検索した表示結果を見るほうが手軽なのだ。
Googleはユーザーニーズを踏まえ、位置情報や営業時間、クチコミなどを重視した検索結果を上位に表示するようになっている。
消費者の店選びの決め手に検索結果やマップに表示されるクチコミと評価の影響は大きい。飲食店を実際に利用したユーザーが発信する生の声は、第三者の意思決定を左右する。
しゃぶしゃぶ・すき焼き専門店「モーモーパラダイス」「鍋ぞう」といった自社ブランドや、海外のハイブランド「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」「バルバッコア」など12業態で国内49店舗を展開する株式会社ワンダーテーブル。早くからクチコミ対応の重要性を感じ、2017年からは戦略的に強化対策に取り組んできたという。
具体的には、利用客のクチコミに対し店舗側からコメントを返すこと。確かに客の立場でいえば、独り言のつもりだったクチコミに「ご来店ありがとうございます、またお待ちしております」と一言返ってくるだけでも嬉しいだろう。
やりとりを目にする他のユーザーにも好印象を与え、「料理や接客に期待できそうだ」と、来店動機につながる可能性もある。評価が高まれば結果的に、検索で上位表示されるようになる。
マーケティング部部長の竹原真理子氏は「書き込むだけの一方通行で終わりがちなクチコミに店側が返信することで、お客様と関係性が構築される」と指摘する。 「たとえネガティブなコメントだったとしても、真摯に受け止めお返事することで、我々の理念や姿勢をお伝えできます。時には、ネガティブコメント自体を取り下げてくださる場合もあるのです」(竹原氏)