また、求職者は別々の店に応募して並行で面接を受け、採用通知の連絡が早かった店舗を選ぶことが多い。選考を効率化し、採用決定までの時間を短縮すれば、採用率も高まるだろう。
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ApplyNow:スマート選考(求人募集企業が予め質問を設定し、求人応募者がスマホ等を使って動画・記述等で回答)という新たな選考手法を導入。応募者の選考負担を軽減し、募集企業は、採用率の向上と採用プロセス全体の効率化・最適化を実現させるSaaS型ソリューション。 ◎株式会社オープンクラウド 白井守氏 スマホで動画を撮るという文化が形成されている現代社会において、動画選考を行う企業の採用率が高まる傾向にあります。現在、選考情報となる動画などをAIで分析して合否判断を行う研究を東京理科大学と進めており、近日中にApplyNowに搭載される予定です。 |
育成~シフト管理と教材のAI管理で、新人の即戦力化と定着を促す
せっかく採用した新人も、すぐに辞めてしまうとまた手間とコストをかけて採用をやり直さなければならない。特に、店長が忙しくて新人に時間をかけて教えることができない、トレーニングのノウハウもないといった店舗では、スタッフは定着しない。
「新人スタッフが1週間以内にやめてしまう原因のほとんどは、不適切なシフトの組み方にあります。新人の出勤する日が忙しすぎた、逆に暇でやる事がなかったという需要予測の読み間違いは、よい結果を生みません。また、新人育成に適した先輩スタッフが同じシフトに入っているかどうかも大事です。ピークタイムの予測はAIの得意とするところで、新人のシフトをどう組めばよいかも含めて、教えてくれるでしょう」
新人はたとえば、ビールを追加注文したい客の対応と新規客の席への案内が同時に発生すると、どちらを優先すべきか判断できない。この場合はこうと適切に教えてあげられる人がいないとやりがいを感じられず、士気が下がる。店にとっても売上の機会損失につながる。
実は、客がテーブルについて何分でオーダーを受け、何分以内に提供するかで、その後の注文数や滞在時間がどう変わるか、データ分析で計算することが可能だという。追加でメニューをおすすめするタイミングは今なのか、他のことを優先すべきか。最適なオペレーションを知っているAIは慣れない新人をサポートし、即戦力化することができるだろう。
「新人の自習に関していえば、座学でマニュアルを読み込んだり、1時間のビデオ学習をする時代でもなくなってきました。スマホなどで、いつでもどこでも視聴できる5分程度の動画で学ぶ、マイクロラーニングと呼ばれる教育ツールも登場しています」
※マイクロラーニング:少ない教材を短時間で学習する方法
新人が『これってどうすればいいの?』と困っても、その場でさっと動画で確認できる。ただ、それはトレーニングをツールまかせにできるということではない。育成に大事なのは、新人を先輩スタッフがフォローできる仕組みだという。
「仕事だけできるようになっても、職場の友人、先輩といったネットワークが作れなければ、続けられません。仕事に慣れるまでの人とのインタラクション(相互作用)が、離職率低下のポイントにもなりますし、それはどんなに技術が発達しても変わらないはずです」
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shouin:スマホによるセルフ学習を中心にしたトレーニングツール。動画マニュアルでサービスレベルを平準化できる。ToDoリストや日報などサービス業向けの機能を搭載しているのが特徴で、多店舗展開する外食業などで導入。 ◎ピーシーフェーズ株式会社 中村昌広氏 動画マニュアルはいつでもセルフ学習が可能で、何度も再生して確認できます。また、コミュニケーションツールとしての機能もあり、サービス業に必要な、人同士のつながりも損ないません。店が忙しく仕事を教えてもらえないと、早期離職の原因になります。ツールの活用で定着化を目指していただきたいです。 |
人事の業務は利益に直結するわけではない。だが、従業員を効率的に採用し、定着させることで採用コストを下げることができる。また、士気を高める育成は店舗の売上を大きく伸ばすことにつながる。その際、HRテックは、スタッフ、店、お客の状況を常に見渡した正確な判断を下す指針にも、職場の円滑な人間関係のサポートにもなるだろう。
取材協力:一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 副代表理事 加藤茂博氏