外食編~イスラム教徒を呼びこむ、飲食店のハラール対応。ムスリムフレンドリーという選択も

飲食・宿泊2016.04.21

外食編~イスラム教徒を呼びこむ、飲食店のハラール対応。ムスリムフレンドリーという選択も

2016.04.21

外食編~イスラム教徒を呼びこむ、飲食店のハラール対応。ムスリムフレンドリーという選択も

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ASEANの発展と訪日ムスリム(イスラム教徒)の増加から、国内外で拡大を続けるムスリム市場。日本の食品関連企業にとっても、大きなビジネスチャンスだ。

本連載では、ムスリム向けの食ビジネスに詳しい一般社団法人ハラル・ジャパン協会の代表理事・佐久間朋宏氏にお聞きし、基本編食品メーカー編と、日本企業が取れる対応を紹介してきた。最終回となる今回は、飲食店のハラール対応について伺った。

目次

イスラム圏に進出する飲食店のハラール対応

「飲食店のハラール認証取得までの流れは、基本的には食品メーカーと同じです。取得に当たっての審査は、原料にハラール以外(ハラーム)が含まれていないか、施設や設備がハラール専用であるか、食材の保管場所がコンタミネーション(ハラール以外のものとの混合、接触)を防ぐ体制になっているか、ハラール管理者を雇用しているか、の“4要件”がポイントとなります」

ただ、認証機関やムスリム個人によって、ハラールの捉え方が変わってくるため、“認証ありき”で考えるのではなく、「どの国で、何を作り、誰に売るのかという事業方針を決めることが先決」と佐久間氏は言う。

では、具体的な対応方法を見ていこう。まずは、イスラム諸国に出店するアウトバウンドから。佐久間氏によれば、現在、イスラム圏に店を展開している、もしくは具体的に出店を検討しているのは主に大手外食チェーンで、その進出方法は大きく二つに分かれるという。

「ハラール認証を取得してムスリム向けの原材料に変更するか、ハラール認証を取得せずに日本の店と同じ原材料でいくか、です」

前者の例では、トリドールが運営する『丸亀製麺』(インドネシア・26店舗、マレーシア・2店舗)や、吉野家(シンガポール・15店舗、インドネシア・50店舗、マレーシア・4店舗)などがある。

「大手外食チェーンでは、ハラール認証を取得している企業の方が多いですね。海外進出の際に認証を取得する場合は、進出先の国の認証機関に申請するのが原則です。そのうえで、いずれの外食チェーンもセントラルキッチンや店舗の厨房をハラール専用のものとし、豚やアルコールを使わないメニュー開発をうまくやっています」

その一方で、認証を取得せずに進出する方法もある。その代表例が、カレー専門チェーンの「カレーハウスCoCo壱番屋」だ。イスラム圏ではシンガポールに5店舗、インドネシアに3店舗、マレーシアに2店舗を展開している。『ポークカレー』を外すなど豚肉を使わないメニュー構成にしてはいるものの、ハラール認証は取得していない。認証を取得すれば、メニューだけでなく原材料や調味料までハラールへの対応が迫られ、味が変わってしまう恐れがあるためだ。

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